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日齢4の黄疸ベビーに光線療法! ママへの説明で外せない『アイマスク』の理由

看護師国家試験 第115午後111(状況設定問題)

国試問題にチャレンジ

115午後111

状況設定

Aさん(37歳、初産婦)は妊娠40週5日で妊娠経過は順調である。午前6時から15分おきの子宮収縮が始まり、午前9時から5〜7分間隔の陣痛がある。午前10時に入院し、入院時のバイタルサインは、体温36.9℃、脈拍80/分、血圧134/86mmHg。子宮口3cm開大、未破水であった。

Aさんの児は日齢4。児のバイタルサインに異常はない。経皮ビリルビン検査で生理的範囲を超え、医師の診察の結果、高ビリルビン血症と診断された。保育器に収容してスタンド型光線療法器で治療を開始することになった。 Aさんへの説明で適切なのはどれか

  1. 1.「母乳を中止します」
  2. 2.「母児同室は継続できます」
  3. 3.「薄い衣服を着て治療します」
  4. 4.「アイマスクをして治療します」

対話形式の解説

博士博士
今回はAさんの赤ちゃんの話じゃ。日齢4で高ビリルビン血症と診断され、保育器に入れてスタンド型の光線療法を開始するんじゃ。ママへの説明として何が適切か考えてみよう。
サクラサクラ
新生児黄疸って結構ありふれた話だと思っていたんですが、治療が必要なレベルもあるんですね。
博士博士
そうじゃ。生理的黄疸は日齢2〜3でピークになり1〜2週で消えていくのが一般的じゃが、ビリルビン値が治療基準を超えると核黄疸(ビリルビン脳症)のリスクが出てくる。だから光線療法で間接ビリルビンを下げるんじゃ。
サクラサクラ
光線療法って、なぜ光を当てるとビリルビンが下がるんですか?
博士博士
良い質問じゃ。波長460nm前後の青色光を皮膚に当てると、皮下にある脂溶性の間接ビリルビンが光異性化されて水溶性に変わる。すると肝臓での抱合を経ずに胆汁や尿へ排泄できるようになるんじゃよ。
サクラサクラ
なるほど、肝臓の処理能力が追いつかない分を、光の力で水に溶ける形に変えて出してしまうんですね。じゃあ赤ちゃんはどんな格好で治療を受けるんですか?
博士博士
ここがポイントじゃ。皮膚の露出面積が広いほど効率がよいから、基本はおむつだけの裸体で照射する。だから選択肢3の『薄い衣服を着て』は誤りじゃな。
サクラサクラ
あ、てっきり冷えないように服を着せるのかと思っていました。じゃあ選択肢1の『母乳を中止します』は?
博士博士
これも誤り。授乳はむしろ続けたい。哺乳で腸が動けば便からビリルビンが排泄されるし、光線療法中は不感蒸泄が増えるから水分補給の意味でも大事じゃ。
サクラサクラ
選択肢2の『母児同室は継続できます』はどうでしょう?保育器に入れてスタンド型で治療するなら…
博士博士
そう、保育器+スタンド型ということは新生児室での管理になる。授乳のたびに連れていくことはあっても、同室継続とは言えんな。
サクラサクラ
残ったのは4の『アイマスクをして治療します』ですね!でもなぜ眼を保護する必要があるんですか?
博士博士
強い青色光が網膜を刺激して障害を起こす可能性があるからじゃ。だから遮光用のアイパッチを必ず装着する。これが光線療法の絶対ルールじゃよ。
サクラサクラ
眼の保護、皮膚は露出、授乳は継続…セットで覚えておくとよさそうですね。
博士博士
その通り。さらに体温管理(保育器内の温度)、水分・体重チェック、皮膚状態の観察、生殖腺の保護なども看護のポイントじゃ。直接ビリルビンが高い児に光を当てるとブロンズベビー症候群といって皮膚が褐色になることもあるから、適応も大事じゃな。
サクラサクラ
ママの心配にも寄り添えるよう、『治療はよく行われる安全な方法であること』『授乳や面会も状況に応じて可能なこと』を伝えるといいんですね。
博士博士
うむ、その視点が看護師らしくて素晴らしい。新生児ケアは医学的管理と家族支援の両輪じゃ。

POINT

新生児高ビリルビン血症に対する光線療法の基本管理(特に眼の保護)を母親への説明として正しく選べるかを問う問題。光線療法では『眼の保護・皮膚露出の最大化・体温と水分の管理・授乳の継続』が四本柱であることを押さえておきたい。

解答・解説

正解は4です

問題文:Aさんの児は日齢4。児のバイタルサインに異常はない。経皮ビリルビン検査で生理的範囲を超え、医師の診察の結果、高ビリルビン血症と診断された。保育器に収容してスタンド型光線療法器で治療を開始することになった。 Aさんへの説明で適切なのはどれか

解説:正解は 4 です。新生児の光線療法は、青色〜緑色領域の特定波長の光を皮膚に当てて、皮下の非抱合型(間接)ビリルビンを水溶性の光異性体に変化させ、胆汁・尿中への排泄を促す治療法である。この強い可視光線は網膜に障害を与えるおそれがあるため、児の眼を保護する目的でアイマスク(遮光用アイパッチ)を必ず装着する。本児は日齢4で高ビリルビン血症と診断され、保育器内のスタンド型光線療法器で治療を開始するため、母親への説明としては「アイマスクをして治療します」が最も適切である。

選択肢考察

  1. ×1.  「母乳を中止します」

    光線療法中も原則として授乳(母乳)は継続する。むしろ哺乳量を確保することは腸管蠕動を促し、便・尿からのビリルビン排泄を高めるとともに、不感蒸泄量増加による脱水を防ぐうえでも重要である。母乳性黄疸が強く疑われる特殊な場合に一時的に中断を検討することはあるが、一律に中止する説明は誤りである。

  2. ×2.  「母児同室は継続できます」

    本症例では保育器に収容してスタンド型光線療法器で治療を行うため、児は新生児室など管理下に置かれる。授乳のために一時的に母親のもとへ移すことはあっても、母児同室を継続できるという説明は実際の治療形態と合わず適切ではない。

  3. ×3.  「薄い衣服を着て治療します」

    光線療法では皮膚に光が当たる面積を最大化することが効果に直結するため、児はおむつのみの裸体とし、性腺保護のためおむつ部分以外は露出させるのが基本である。衣服を着せて治療する説明は照射効率を下げ、誤りである。

  4. 4.  「アイマスクをして治療します」

    光線療法で使われる青色光は網膜障害のリスクがあるため、治療中は遮光用アイマスク(アイパッチ)を装着し、児の眼を保護する。これは光線療法における必須のケアであり、母親への説明として最も適切である。

新生児光線療法のポイントは「効率」と「安全」の両立である。【効率】(1)おむつのみで皮膚露出を最大化、(2)体位を時間ごとに変えて照射面を変える、(3)照射距離を機種の規定どおりに保つ。【安全】(1)眼の保護(アイマスク)、(2)体温管理(保育器使用、過温・低温の双方を観察)、(3)水分管理(不感蒸泄が増えるため哺乳量・体重・排尿排便回数・尿比重を観察)、(4)皮疹・下痢・ブロンズベビー症候群(直接ビリルビン優位例での皮膚褐色化)など副作用の観察。日齢4頃に出現する黄疸は生理的なものから治療を要するものまで幅があり、ビリルビン値と日齢から判定する治療基準(村田・井村の基準、Bhutani曲線、Cockingtonの基準など)に基づいて適応を決定する。母親に対しては、治療が一般的で安全な方法であること、必要時には授乳や面会のための中断が可能なことを丁寧に伝え、不安軽減に努める。

新生児高ビリルビン血症に対する光線療法の基本管理(特に眼の保護)を母親への説明として正しく選べるかを問う問題。光線療法では『眼の保護・皮膚露出の最大化・体温と水分の管理・授乳の継続』が四本柱であることを押さえておきたい。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。