フロイトが見つけた心の不思議「転移」を整理しよう
看護師国家試験 第114回 午後 第67問
国試問題にチャレンジ
患者が看護師を愛情深い親のような存在とみなし、看護師に対して肯定的な感情を抱くのはどれか。
- 1.投影
- 2.共依存
- 3.反動形成
- 4.陽性転移
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
転移(陽性・陰性)と防衛機制(投影・反動形成)、関係性病理(共依存)の概念を区別できるかを問う問題である。
解答・解説
正解は4です
問題文:患者が看護師を愛情深い親のような存在とみなし、看護師に対して肯定的な感情を抱くのはどれか。
解説:正解は 4 です。転移とはフロイトが提唱した精神分析の概念で、患者が幼少期の重要他者(多くは親)に対して抱いていた感情を、無意識のうちに治療者に向ける現象を指す。そのうち愛情・信頼・尊敬といったポジティブな感情を治療者に向けるものを陽性転移、敵意・不信・攻撃性といったネガティブな感情を向けるものを陰性転移という。設問の「愛情深い親のような存在とみなし、肯定的感情を抱く」は陽性転移そのものの記述である。
選択肢考察
- ×1. 投影
自分の中にある受け入れがたい感情や欲求を、無意識のうちに他者が抱いているものとして体験する防衛機制。例:自分が嫌っているのに「相手が自分を嫌っている」と感じる。
- ×2. 共依存
相手の世話をすること自体が自分の存在意義となり、双方が自立を妨げ合う不健全な関係性のこと。アディクション領域でしばしば問題となる。
- ×3. 反動形成
受け入れがたい感情とは正反対の態度・行動をとることで葛藤を回避する防衛機制。憎んでいる相手に過度に親切にするなどが典型例。
- ○4. 陽性転移
幼少期に親などの重要他者に向けた愛情や信頼を、治療関係のなかで治療者に向ける現象が陽性転移である。
転移はフロイト派精神分析で重要な概念で、治療を進める手がかりとなる一方、過度な依存や恋愛感情、敵意の置き換えなど治療関係を歪める要因にもなる。逆に治療者側が患者に対して個人的感情を抱く現象を「逆転移」という。看護では転移・逆転移を意識し、自己覚知とスーパービジョンを通じて治療的距離を保つことが重要である。
転移(陽性・陰性)と防衛機制(投影・反動形成)、関係性病理(共依存)の概念を区別できるかを問う問題である。
「精神看護総論・その他」の関連問題
リエゾン精神看護専門看護師の役割を完全マスター
リエゾン精神看護専門看護師の役割(実践としての直接ケアと、多職種へのコンサルテーション)を理解しているかを問う問題です。処方変更や人事異動指示、身体拘束の判断などは役割外であることを区別できるかがポイントです。
115回
当事者が当事者を支える「セルフヘルプグループ」の力
セルフヘルプグループの運営主体・目的・関係性の対等性・心理的効果という基本特性を正しく理解しているかを問う問題。
114回
「治る」を超えて「生き直す」へ。精神看護のキーワード、リカバリーとは
精神看護におけるリカバリーの本質(パーソナル・リカバリー)と、症状軽減中心の医学モデルとの違いを問う問題である。
114回
医療者と患者は「ともに作る」仲間。共同創造(コプロダクション)とは何か
共同創造(コプロダクション)の定義と、パターナリズム・インフォームド・コンセント・アウトリーチとの違いを区別できるかを問う問題である。
114回
対人援助職に多い燃え尽き症候群を理解しよう
対人援助職に特有の心理的消耗症候群であるバーンアウトの概念を正確に識別できるかを問う問題です。
113回
