「治る」を超えて「生き直す」へ。精神看護のキーワード、リカバリーとは
看護師国家試験 第114回 午後 第68問
国試問題にチャレンジ
精神障害のある人のリカバリーで正しいのはどれか。
- 1.症状の回復がゴールである。
- 2.直線的なプロセスをたどる。
- 3.主体的に人生を新たに生き直すことである。
- 4.ストレス脆弱性に焦点を当てた支援である。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
精神看護におけるリカバリーの本質(パーソナル・リカバリー)と、症状軽減中心の医学モデルとの違いを問う問題である。
解答・解説
正解は3です
問題文:精神障害のある人のリカバリーで正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。精神障害領域における「リカバリー」とは、症状の消失や機能の完全回復を意味する医学的回復(クリニカル・リカバリー)にとどまらず、障害や症状を抱えながらも自分らしく主体的に人生を生き直していくプロセス(パーソナル・リカバリー)を指す。Anthonyによる定義「人が病気や障害によって失ったものを取り戻し、新たな意味と目的を持って生き直していく深く個人的なプロセス」が代表的で、希望、責任、自己決定、つながり、アイデンティティが鍵となる。
選択肢考察
- ×1. 症状の回復がゴールである。
症状の改善は目標の一つではあるが、リカバリーのゴールではない。症状が残っていても自分らしい生き方を取り戻すこと自体がリカバリーである。
- ×2. 直線的なプロセスをたどる。
リカバリーは行きつ戻りつ揺れ動く非直線的なプロセスで、再発や挫折を経験しながら螺旋的に進んでいく。
- ○3. 主体的に人生を新たに生き直すことである。
本人が希望と自己決定を持ち、自分らしい人生を主体的に生き直していく過程こそパーソナル・リカバリーの本質である。
- ×4. ストレス脆弱性に焦点を当てた支援である。
リカバリー志向の支援は弱さや脆弱性ではなく、本人の強み(ストレングス)と希望に焦点を当てるストレングスモデルに基づく。
Leamyらが整理したパーソナル・リカバリーの構成要素「CHIME」は、Connectedness(つながり)、Hope(希望)、Identity(アイデンティティ)、Meaning(意味)、Empowerment(エンパワメント)の頭文字である。支援方法としてはストレングスモデル、WRAP(元気回復行動プラン)、ピアサポート、IPS就労支援、ACTなどがあり、地域生活への移行を支える基盤となる。リカバリーは「治る」より「生き直す」概念であり、看護師は本人の希望を中心に置く姿勢が求められる。
精神看護におけるリカバリーの本質(パーソナル・リカバリー)と、症状軽減中心の医学モデルとの違いを問う問題である。
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