子どもの成長と発達はどう違う?臨界期と運動発達の方向性
看護師国家試験 第114回 午後 第89問
国試問題にチャレンジ
子どもの成長・発達で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1.基本的な運動発達は末から中枢へ向かう。
- 2.発達の臨界期は身体の各部位によって異なる。
- 3.成長とは身体の機能が質的に変化することである。
- 4.新生児期の成長・発達は環境よりも遺伝の影響が大きい。
- 5.乳幼児期の脳神経系の発達は学童期と比べゆるやかである。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
成長・発達の用語定義(成長=量的、発達=質的)、運動発達の方向性、臨界期、遺伝と環境の影響、脳神経系の発達時期など、小児看護の基本原理を多角的に問う問題。
解答・解説
正解は2です
問題文:子どもの成長・発達で正しいのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は 2 の「発達の臨界期は身体の各部位によって異なる。」と 4 の「新生児期の成長・発達は環境よりも遺伝の影響が大きい。」です。臨界期(敏感期)とは、特定の機能や器官の発達が最も効率よく進む限られた時期で、視覚は生後数か月、言語は1歳前後など、機能や部位ごとにピークの時期が異なります。また、新生児期は胎内で形成された遺伝的プログラムに従って身体や臓器が成熟していく段階で、環境要因よりも遺伝の影響が優位です。環境の影響は離乳・運動・社会的刺激が増える乳児期以降に大きくなっていきます。
選択肢考察
- ×1. 基本的な運動発達は末から中枢へ向かう。
運動発達は「中枢から末梢へ」「頭部から下部へ」「粗大運動から微細運動へ」進む。首がすわる→寝返り→お座り→ハイハイ→立つ→歩く、その後に手指の細かい動作という順序になる。
- ○2. 発達の臨界期は身体の各部位によって異なる。
視覚・聴覚・言語・運動など、機能や器官ごとに最も発達が進みやすい敏感期が異なる。この時期を逃すと同じ刺激でも十分な発達が得られにくくなるため、早期発見・早期療育が重要となる。
- ×3. 成長とは身体の機能が質的に変化することである。
成長は身長・体重・臓器の大きさなどの「量的変化」を指す。機能の「質的変化」を表すのは発達である。両者は連続的に進むが定義は異なる。
- ○4. 新生児期の成長・発達は環境よりも遺伝の影響が大きい。
新生児期は胎内で決定された遺伝的プログラムに沿って臓器や神経系が成熟する段階で、遺伝要因が優位。環境要因の比重が高まるのは離乳食や運動、社会的刺激が増える乳児期以降である。
- ×5. 乳幼児期の脳神経系の発達は学童期と比べゆるやかである。
脳神経系は乳幼児期に最も急速に発達する。0〜3歳でシナプスが急増し、脳重量は3歳までに成人の約80〜90%に達する。学童期はむしろシナプスの整理(刈り込み)が進む時期である。
成長と発達の関連法則として、「頭尾方向性(頭部から下部へ)」「中枢→末梢方向性」「粗大運動→微細運動」「全体運動→分化運動」「個人差はあるが順序性は普遍」の5つを押さえておきたい。スキャモンの発育曲線では、神経型は乳幼児期に急速発達して4〜6歳で成人の約80〜90%に達し、リンパ型は学童期にピークを迎え、生殖型は思春期に急速発達、一般型(身長・体重・内臓)はS字状カーブを描くという4つのパターンに分類される。これらは小児の年齢ごとの看護の重点を考えるうえで重要な視点となる。
成長・発達の用語定義(成長=量的、発達=質的)、運動発達の方向性、臨界期、遺伝と環境の影響、脳神経系の発達時期など、小児看護の基本原理を多角的に問う問題。
「小児の成長・身体発達」の関連問題
乳児から学童へ!バイタルと臓器容量はどう変わる?
乳児期から学童期にかけての成長に伴う身体生理機能の変化(バイタルサインや臓器容量の方向性)を問う基本問題です。
115回
なぜ赤ちゃんはお腹で息をする?乳児の呼吸器ここが違う4つのポイント
乳児の呼吸器系における成人との解剖生理学的な相違点を問う問題。肋骨の走行・肺胞数・胸郭形状・気道径という4つの観点で発達段階を整理できているかが問われる。
115回
幼児の生活習慣マイルストーン完全攻略 〜「いつできる?」を年齢で覚える〜
幼児期における基本的生活習慣(食事・排泄・睡眠・清潔・着脱衣)の自立時期の目安を年齢と照らし合わせて判断する問題。各動作が「いつ頃」できるようになるかの標準的なマイルストーンを正確に押さえているかが問われます。
115回
幼児期の形態的・生理的特徴を整理しよう(第115回看護師国家試験 午後88)
幼児期(1〜6歳未満)の形態的・生理的特徴を乳児期と比較して理解しているかを問う問題。頭囲と胸囲の逆転時期、大泉門閉鎖時期、乳歯萌出完了時期、心拍数・必要水分量の年齢変化など、小児看護の基本データを正確に把握することが求められる。
115回
6歳臼歯ってなに?永久歯が生える順序を整理
小児の発達マイルストーンとして『永久歯の萌出開始=6歳』という基本事項を押さえる問題。
114回
