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小児の身体発育と評価

小児看護学 / 小児の成長・身体発達

解説

小児の身体発育とは、身長・体重・頭囲などの形態的・量的な増大のことをいいます。今回は、看護師国家試験で頻出となる小児の身体発育の標準値と、その評価方法について解説します。

成長と発達の基本概念

まず用語の整理から始めます。成長とは身長や体重のように測定可能な量的・形態的な変化を指し、発達とは運動・言語・社会性など機能的・質的な変化を指します。両者を合わせて「発育」と呼ぶこともあります。

小児の成長・発達には一定の原則があります。第一に、頭部から尾側へ(頭尾方向)、また中枢から末梢へ進むという方向性があり、首がすわってから座位、立位へと進みます。第二に、粗大運動から微細運動へ、全体運動から分化した運動へと進みます。第三に、発達には個人差があるものの順序性は普遍的であり、段階を飛び越えることはありません。さらに、特定の機能の発達が最も効率よく進む限られた時期を**臨界期(敏感期)**と呼び、視覚や言語など部位・機能によって時期が異なります。新生児期は胎内で形成された遺伝的プログラムに従う段階であり、環境よりも遺伝の影響が優位です。

身長・体重・頭囲の標準値

出生時の身長は平均約50cm、体重は平均約3kg(3000g)、頭囲は約33cmが標準です。出生時体重2500g未満を低出生体重児、1500g未満を極低出生体重児、1000g未満を超低出生体重児と分類します。

体重増加の目安は極めて頻出で、生後3〜4か月で出生時の約2倍1歳で約3倍、2歳で約4倍、4歳で約5倍、5歳で約6倍となります。乳児期前半は1日約25〜30gのペースで増加します。

身長の目安は、1歳で出生時の約1.5倍(約75cm)4歳で約2倍(約100cm)、12歳で約3倍です。したがって1歳児の標準は身長75cm前後、体重9kg前後となります。頭囲も1歳で約1.5倍に達します。

身体発育曲線とパーセンタイル

小児の発育評価には、厚生労働省が10年ごとに実施する乳幼児身体発育調査に基づいて作成された**身体発育曲線(パーセンタイル曲線)**を用います。母子健康手帳にも掲載されており、3・10・25・50・75・90・97の7本の基準線が引かれています。パーセンタイル値とは集団における順位を示す統計指標で、3パーセンタイルとは下から3%の位置を表します。

評価のポイントは2つあります。1つ目は、3パーセンタイル未満または97パーセンタイル超は正常範囲を逸脱したと判断され、精密検査の対象となることです。2つ目は、1回の計測値だけで判断せず、曲線に沿ったカーブの推移を重視することで、パーセンタイルラインを2本以上クロスダウンする場合は成長障害(Failure to Thrive)を疑い、栄養不足、慢性疾患、虐待などの背景を検索します。

一時的に成長が抑制されていた小児が、原因の改善後に通常以上の速度で標準曲線に追いつく現象をキャッチアップ現象といい、先天性心疾患の術後や栄養改善後、成長ホルモン補充後などにみられます。乳幼児の肥満度評価にはカウプ指数、学童期にはローレル指数を用います。

基本的生活習慣の発達目安

身体発育の評価と並んで、看護師国家試験では基本的生活習慣(食事・排泄・睡眠・清潔・衣服の着脱)が何歳頃に自立するかが頻出です。基本的生活習慣の獲得は微細運動や認知の発達と並行して進み、おおむね幼児期(1〜6歳)の間に身につきます。

清潔習慣のうち手洗いは2〜3歳頃から自分で行えるようになり、洗顔の自立は4歳頃が目安です。歯磨きは3歳頃から自分で行えるようになりますが、仕上げ磨きは学童期前半まで保護者が行います。

排泄については、昼間の排尿の自立は2〜3歳頃にトイレットトレーニングを通じて獲得され、夜間のおむつが外れるのは4歳頃です。排便後の始末(拭く動作)の自立は4〜5歳頃で、手指の巧緻性や肩関節の可動性が必要なため、清潔の自立より遅れて完成します。

衣服の着脱は、2歳頃から自分で脱ごうとする動作がみられ、3歳頃には簡単な衣服であれば着衣が可能となります。ボタンの掛け外しを含む着脱衣の完全な自立は4〜5歳頃が目安で、ひもを結ぶ動作はさらに遅れて5〜6歳頃に獲得されます。

これらの自立年齢はあくまで標準的な目安であり、個人差や生活環境による違いがあるため、達成時期が前後しても直ちに発達遅滞とは判断しません。

まとめ

小児の身体発育では、体重は3〜4か月で2倍・1歳で3倍、身長は1歳で1.5倍・4歳で2倍という標準値を確実に押さえることが重要です。評価には身体発育曲線(パーセンタイル曲線)を用い、3および97パーセンタイルを逸脱した場合や、カーブから外れる軌道の変化があれば精査につなげます。また、基本的生活習慣では洗顔の自立が4歳頃、排便後の始末および着脱衣の自立が4〜5歳頃という代表的な目安を覚えておきましょう。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    出生時の体重は約3kgであり、生後3〜4か月で出生時の約倍、1歳で出生時の約倍となる。

  2. 2.

    出生時の身長は約50cmであり、1歳で出生時の約倍、4歳で出生時の約倍となる。

  3. 3.

    出生時体重がg未満の児を低出生体重児という。

  4. 4.

    身体発育曲線(パーセンタイル曲線)は、3・10・25・50・75・90・の7本の基準線で示され、パーセンタイル未満または97パーセンタイル超は正常範囲を逸脱したと判断される。

  5. 5.

    疾患や栄養障害により一時的に成長が抑制されていた小児が、原因の改善後に標準的な成長曲線に追いつく現象を現象という。

  6. 6.

    小児の運動発達は、頭部から尾側へ、またからへと進むという方向性をもつ。

  7. 7.

    身長や体重など測定可能な量的変化をといい、運動や言語など機能的・質的な変化をという。

  8. 8.

    乳幼児身体発育曲線は、厚生労働省が年ごとに実施する乳幼児身体発育調査をもとに作成されている。

  9. 9.

    基本的生活習慣のうち、洗顔を自分で行えるようになる目安は歳頃である。

  10. 10.

    排便後の始末(拭く動作)が自立する目安は歳頃であり、ボタンの掛け外しを含む着脱衣の完全な自立も歳頃である。

小児の身体発育と評価」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。