下垂足の正体!腓骨神経麻痺を見抜くアセスメントのコツ
看護師国家試験 第115回 午前 第54問
国試問題にチャレンジ
腓骨神経麻痺のアセスメントで観察するのはどれか。
- 1.膝関節の屈曲
- 2.足関節の背屈
- 3.膝窩の知覚鈍麻
- 4.足底の知覚鈍麻
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
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博士
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サクラPOINT
腓骨神経の運動・感覚支配領域を理解しているかを問う問題。腓骨神経麻痺=下垂足(足関節背屈障害)+足背の感覚障害、というキーワードを押さえれば確実に解答できる。
解答・解説
正解は2です
問題文:腓骨神経麻痺のアセスメントで観察するのはどれか。
解説:正解は 2 です。腓骨神経(総腓骨神経)は坐骨神経から分岐し、膝のやや外側下方で腓骨頭の周囲を回り込むように走行します。この部位は皮膚直下に骨があるため圧迫を受けやすく、長時間の同一体位(側臥位での下肢の圧迫、ギプス固定、下肢交差位など)で容易に神経麻痺をきたします。腓骨神経は前脛骨筋・長母趾伸筋・長趾伸筋・腓骨筋群など、足関節の背屈と足趾の伸展、足の外反を担う筋群を支配し、感覚は下腿外側および足背を支配しています。腓骨神経麻痺が起こると、これらの筋が機能不全に陥り、足関節背屈が困難となる「下垂足(drop foot)」が出現します。歩行時にはつま先が引っかかり、代償的に膝を高く上げる鶏歩(けいほ:steppage gait)がみられます。したがってアセスメントでは「足関節の背屈」を観察することが最も適切です。
選択肢考察
- ×1. 膝関節の屈曲
膝関節の屈曲はハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)の働きであり、これらは主に坐骨神経の本幹(脛骨神経枝を含む)に支配されている。腓骨神経麻痺では膝屈曲は通常保たれる。
- ○2. 足関節の背屈
前脛骨筋などの足関節背屈筋群は腓骨神経(深腓骨神経)支配であり、麻痺すると背屈不能となって下垂足を呈する。腓骨神経麻痺の最も典型的かつ早期に把握できる運動障害であり、アセスメントの第一選択となる。
- ×3. 膝窩の知覚鈍麻
膝窩部(膝の裏側)の感覚は脛骨神経や大腿後皮神経などが関与しており、腓骨神経の支配領域ではない。腓骨神経の感覚障害は下腿外側〜足背に出現するため、膝窩の知覚を評価しても腓骨神経麻痺の所見は得られない。
- ×4. 足底の知覚鈍麻
足底の感覚は脛骨神経(およびその枝である内側・外側足底神経)が支配している。腓骨神経の感覚領域は足背であり、足底の感覚評価では腓骨神経麻痺を捉えることはできない。
腓骨神経麻痺は臨床で頻度の高い末梢神経障害であり、看護師にとって予防と早期発見が重要なテーマである。原因としては、(1)長時間の側臥位による腓骨頭部の圧迫、(2)下肢交差位での圧迫、(3)ギプス・弾性ストッキング・下肢牽引などによる外的圧迫、(4)膝関節周辺の外傷・手術後、などが挙げられる。観察ポイントは「運動:足関節背屈・足趾伸展・足の外反ができるか」「感覚:下腿外側〜足背のしびれ・知覚鈍麻の有無」の2点。覚え方は「腓骨神経=『ヒッ』とつま先が上がらない+足背しびれ」。脛骨神経麻痺との対比で押さえると整理しやすく、脛骨神経麻痺では足底屈・足趾屈曲が障害され、足底の感覚が低下する。長期臥床患者では、踵や下肢の体位を1〜2時間ごとに変え、腓骨頭の圧迫を避けるよう枕やクッションを工夫することが予防の基本となる。
腓骨神経の運動・感覚支配領域を理解しているかを問う問題。腓骨神経麻痺=下垂足(足関節背屈障害)+足背の感覚障害、というキーワードを押さえれば確実に解答できる。
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