胎児循環の不思議!卵円孔はどこにある?三大短絡路を完全マスター
看護師国家試験 第115回 午後 第6問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
胎児の卵円孔の位置で正しいのはどれか。
- 1.右心房と左心室の間
- 2.右心房と左心房の間
- 3.肺動脈と大動脈の間
- 4.臍静脈と下大静脈の間
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
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博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
胎児期にのみ存在する循環短絡路である卵円孔の解剖学的位置(心房中隔上)を問う問題。動脈管・静脈管との区別が鍵となる。
解答・解説
正解は2です
問題文:胎児の卵円孔の位置で正しいのはどれか。
解説:正解は2の「右心房と左心房の間」である。卵円孔(foramen ovale)は、胎児期にのみ機能する心房中隔上の生理的な短絡(シャント)であり、右心房から左心房へ直接血液を流すための穴である。胎児は肺呼吸を行っておらず、ガス交換は胎盤で行われるため、血液を肺循環に大量に送る必要がない。そこで、臍静脈→静脈管(アランチウス管)→下大静脈を経て右心房に戻った酸素飽和度の高い血液は、卵円孔を通って左心房に流れ、さらに左心室→大動脈を経て上半身(特に脳・心臓)に優先的に送られる。出生後は肺呼吸の開始により左心房圧が上昇し、右心房圧との圧較差で卵円孔は機能的に閉鎖し、その後数か月から1年程度で解剖学的にも閉鎖して卵円窩となる。約20〜25%の成人では完全には閉鎖せず、卵円孔開存(PFO)として残存することが知られている。
選択肢考察
- ×1. 右心房と左心室の間
右心房と左心室の間にあるのは三尖弁ではなく、解剖学的に独立した房室間の連絡路は存在しない。三尖弁は右心房と右心室の間に位置する。卵円孔は心房間中隔上にあり、心房と心室をつなぐ構造ではない。
- ○2. 右心房と左心房の間
正解。卵円孔は心房中隔(左右の心房を隔てる壁)に存在する開口部で、胎児期に右心房から左心房へ血液を直接流すための短絡路である。これにより肺を経由せずに酸素化された血液を全身に効率的に届けることができる。
- ×3. 肺動脈と大動脈の間
肺動脈と大動脈の間を結ぶ胎児循環の短絡は「動脈管(ボタロー管)」であり、卵円孔ではない。動脈管は右心室から肺動脈に拍出された血液の大部分を大動脈に流すことで肺循環をバイパスする役割を持つ。混同しやすいので区別が重要である。
- ×4. 臍静脈と下大静脈の間
臍静脈と下大静脈の間を結ぶのは「静脈管(アランチウス管)」であり、卵円孔ではない。胎盤から戻ってきた酸素豊富な血液を肝臓を経由せずに下大静脈へ流すバイパスとして機能する。これも胎児循環の特徴的短絡路の一つである。
胎児循環の三大短絡路は「卵円孔」「動脈管」「静脈管」であり、それぞれの位置と役割を整理して覚えることが国試頻出ポイントである。卵円孔=右心房と左心房の間(心房中隔)、動脈管(ボタロー管)=肺動脈と大動脈の間、静脈管(アランチウス管)=臍静脈と下大静脈の間と覚える。出生後はそれぞれ卵円窩、動脈管索、静脈管索として遺残する。動脈管は通常生後24〜72時間で機能的閉鎖し、2〜3週間で解剖学的閉鎖する。動脈管が閉じないと動脈管開存症(PDA)となり、未熟児に多い。卵円孔開存(PFO)は奇異性脳塞栓症の原因となることがあり、若年性脳梗塞の鑑別で重要である。
胎児期にのみ存在する循環短絡路である卵円孔の解剖学的位置(心房中隔上)を問う問題。動脈管・静脈管との区別が鍵となる。
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