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酸っぱさの正体は水素イオン!基本5味と受容のしくみを完全整理

看護師国家試験 第115午後27

国試問題にチャレンジ

115午後27

水素イオンが刺激となって感じる味覚はどれか。

  1. 1.塩味
  2. 2.甘味
  3. 3.酸味
  4. 4.うま味

対話形式の解説

博士博士
今日は味覚の話じゃ。「水素イオンが刺激になる味覚はどれか」という問題、何味だと思う?
サクラサクラ
水素イオンって、pHを下げる原因のイオンですよね…ということは、酸性のもの?酸っぱい味ですか?
博士博士
お見事!正解は「酸味」じゃ。レモンや酢を口にすると酸っぱいのは、酸性物質から離れた水素イオン(H+)が舌の味細胞を刺激しているからなのじゃよ。
サクラサクラ
そういえばpHが低いほど酸っぱく感じる気がします。じゃあ塩味は何が刺激しているんですか?
博士博士
塩味はナトリウムイオン(Na+)じゃ。食塩NaClが唾液で溶けて出てきたNa+が、味細胞のENaCというチャネルから入って電気的な信号を起こす仕組みじゃ。
サクラサクラ
イオンで感じる味と、分子で感じる味があるんですね。甘味はどうなんですか?
博士博士
甘味はショ糖やブドウ糖などの糖類、それから人工甘味料がT1R2/T1R3という受容体に結合して感知されるのじゃ。Gタンパク質共役型受容体という、ホルモンや薬の受容体と同じ仲間じゃよ。
サクラサクラ
じゃあ「うま味」は?昆布や鰹節のあの旨み成分ですよね。
博士博士
その通り。うま味はグルタミン酸(昆布)、イノシン酸(鰹節)、グアニル酸(椎茸)などのアミノ酸・核酸が、T1R1/T1R3受容体に結合して感じる。日本人の池田菊苗が1908年に発見した、世界に誇る第5の基本味じゃ。
サクラサクラ
甘味・塩味・酸味・苦味・うま味で5つですね。あれ、辛味は入らないんですか?
博士博士
鋭い質問!実は辛味は基本味覚に含まれないのじゃ。唐辛子のカプサイシンは味細胞ではなく、三叉神経のTRPV1という受容体を刺激する。これは熱さや痛みを感じる受容体と同じで、いわば「痛覚に近い感覚」なのじゃよ。
サクラサクラ
だから辛いものを食べると「痛い」って感じるんですね…!納得です。
博士博士
さらに国試で大事なのは、味覚を伝える神経じゃ。舌の前2/3は顔面神経の鼓索神経、後1/3は舌咽神経、咽頭・喉頭は迷走神経が担当する。脳神経の問題でもよく出るぞ。
サクラサクラ
味覚は神経分布まで覚える必要があるんですね。ところで、苦味と酸味って本能的にイヤな感じがしますけど、何か意味があるんですか?
博士博士
良いところに気づいたな。苦味は毒物、酸味は腐敗物のサインとして進化の過程で獲得された防御的な味覚と考えられておる。乳幼児がレモンや薬を嫌がるのは、生物としての自然な反応なのじゃ。
サクラサクラ
看護の現場でも、味覚が関わる場面ってありますか?
博士博士
もちろんじゃ。亜鉛欠乏や抗がん剤、放射線治療で味覚障害が起こることがある。高齢者では味蕾の減少で塩味を感じにくくなり、塩分過多になりやすい。服薬指導や食事指導でも大切な視点じゃよ。

POINT

5基本味と、それぞれを引き起こす化学物質(イオン・分子)の対応を問う問題。酸味=水素イオン(H+)、塩味=ナトリウムイオン(Na+)という基本対応をしっかり押さえておく。

解答・解説

正解は3です

問題文:水素イオンが刺激となって感じる味覚はどれか。

解説:正解は 3 の「酸味」です。ヒトの基本味覚は甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の5種類があり、それぞれ舌の味蕾(みらい)にある味細胞で異なる仕組みによって感知されます。酸味の受容は、酸性物質(酢酸・クエン酸・乳酸など)が口腔内で解離して生じる水素イオン(H+)が、味細胞のイオンチャネル(PKD2L1など酸感受性チャネル)を介して細胞内に流入し、脱分極を引き起こすことで生じます。つまり「酸っぱさ」の本体は水素イオンであり、レモンや酢が酸っぱく感じられるのはこのためです。

選択肢考察

  1. ×1.  塩味

    塩味の主な刺激物質はナトリウムイオン(Na+)である。食塩(NaCl)が水に溶けて生じたNa+が味細胞の上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)を通って細胞内に流入し、脱分極を引き起こすことで塩味として感知される。水素イオンが主役ではない。

  2. ×2.  甘味

    甘味はショ糖・果糖・ブドウ糖などの糖類や一部のアミノ酸、人工甘味料などがT1R2/T1R3というGタンパク質共役型受容体に結合することで感知される。水素イオンとは関係しない。

  3. 3.  酸味

    正解。酸味は酸性物質から遊離する水素イオン(H+)が味細胞の酸感受性チャネルに作用し、細胞内のpH低下や脱分極を引き起こすことで生じる。クエン酸・酢酸・乳酸などのpHが低い物質ほど強い酸味として感じられる。

  4. ×4.  うま味

    うま味の主な刺激物質はL-グルタミン酸(昆布)、イノシン酸(鰹節)、グアニル酸(干し椎茸)などのアミノ酸・核酸関連物質である。T1R1/T1R3受容体に結合して感知され、水素イオンが直接の刺激ではない。

基本5味とその主な刺激物質を整理すると、甘味=糖類(T1R2/T1R3受容体)、塩味=Na+(ENaC)、酸味=H+(PKD2L1など)、苦味=アルカロイドや毒物(T2R受容体)、うま味=グルタミン酸・イノシン酸(T1R1/T1R3受容体)となる。苦味と酸味は本来「毒物・腐敗物のサイン」として進化的に獲得された防御的味覚と考えられている。なお、辛味は基本味覚ではなく、温度や痛みを感じる三叉神経系(TRPV1受容体など)で受容される「痛覚に近い感覚」である。味覚は舌の前2/3が顔面神経(鼓索神経)、後1/3が舌咽神経、咽頭・喉頭が迷走神経で中枢に伝えられる点も国試頻出。

5基本味と、それぞれを引き起こす化学物質(イオン・分子)の対応を問う問題。酸味=水素イオン(H+)、塩味=ナトリウムイオン(Na+)という基本対応をしっかり押さえておく。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。