口腔内吸引の鉄則!挿入時に「吸引圧をかけない」のはなぜ?
看護師国家試験 第115回 午後 第22問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
成人の口腔内吸引で正しいのはどれか。
- 1.吸引は無菌操作で行う。
- 2.吸引時間は25秒以上で行う。
- 3.挿入時は吸引圧をかけない。
- 4.吸引圧は100kPaを目安とする。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
成人の口腔内吸引における手技の基本(清潔操作の範囲、吸引時間、挿入時の吸引圧、適切な吸引圧の数値)を問う問題。粘膜損傷と低酸素血症を防ぐためのポイントを正確に押さえているかが鍵となる。
解答・解説
正解は3です
問題文:成人の口腔内吸引で正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。口腔内吸引では、カテーテルを挿入する時点で吸引圧をかけてしまうと、咽頭粘膜や口腔粘膜を強く吸い付けて出血や損傷を引き起こす危険があります。そのため、挿入時は吸引圧を解放(折り曲げる、または分岐管の側孔を開放するなど)して陰圧をかけず、目的の深さに達してから吸引圧を作用させ、ゆっくり回旋させながら引き抜いて分泌物を取り除くのが基本手技です。これにより粘膜損傷と低酸素血症のリスクを最小限に抑えることができます。
選択肢考察
- ×1. 吸引は無菌操作で行う。
口腔内は常在菌が多く存在する不潔域であるため、口腔内吸引は「清潔操作」で行うのが原則です。無菌操作(滅菌手袋・滅菌カテーテル・滅菌水の使用)が求められるのは気管内吸引や気管切開部の吸引など、本来無菌である下気道へのアプローチの場合です。口腔内吸引ではディスポーザブル手袋と単回使用カテーテル、洗浄用の水道水で対応するのが一般的です。
- ×2. 吸引時間は25秒以上で行う。
吸引中は気道から空気と一緒に酸素も吸い出されるため、長時間の吸引は低酸素血症や徐脈、不整脈、頭蓋内圧亢進などを招きます。1回の吸引時間は10〜15秒以内(カテーテル挿入から抜去までを含めて15秒程度)に留めるのが標準で、25秒以上は明らかに長すぎます。分泌物が残っている場合は患者の呼吸状態を整えてから再度吸引を行います。
- ○3. 挿入時は吸引圧をかけない。
正解です。挿入時に陰圧がかかっていると、カテーテル先端の側孔が粘膜を吸着し、出血・浮腫・潰瘍の原因となります。挿入時はチューブを折る、または分岐管の指当て孔を開放して吸引圧を解除し、目的の部位に到達してから圧をかけ、回旋させながら引き抜くのが安全な手技です。
- ×4. 吸引圧は100kPaを目安とする。
成人の口腔・気管内吸引の吸引圧は、一般に20〜26kPa(およそ150〜200mmHg、−0.02〜−0.026MPa)が目安とされます。100kPa(およそ750mmHg)は大気圧に近い極めて強い陰圧で、粘膜損傷や肺胞虚脱を起こす危険があり不適切です。施設マニュアルで具体的な数値は確認しますが、桁を意識して覚えておくことが重要です。
口腔内吸引の基本原則は「清潔操作・短時間(10〜15秒以内)・必要最小限の回数・挿入時は陰圧をかけない・適切な吸引圧」です。実施前には患者にこれから吸引することを説明し、SpO2やバイタルサインをモニターしながら行います。吸引前後で十分な酸素化を確保し、必要に応じて100%酸素投与を併用します。カテーテルのサイズは成人で12〜14Fr程度が用いられ、挿入の深さは口腔内であれば咽頭手前まで(おおむね7〜10cm程度)です。気管内吸引(無菌操作・吸引圧20〜26kPa・1回15秒以内)との手技の違いを整理して覚えておくと国試・臨床ともに役立ちます。
成人の口腔内吸引における手技の基本(清潔操作の範囲、吸引時間、挿入時の吸引圧、適切な吸引圧の数値)を問う問題。粘膜損傷と低酸素血症を防ぐためのポイントを正確に押さえているかが鍵となる。
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