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肉芽組織はいつできる?創傷治癒4段階を完全マスター

看護師国家試験 第115午後79

国試問題にチャレンジ

115午後79

創傷の治癒過程において肉芽組織が形成されるのはどれか。

  1. 1.炎症期
  2. 2.止血期
  3. 3.出血期
  4. 4.成熟期
  5. 5.増殖期

対話形式の解説

博士博士
今日は創傷治癒の段階についてだ。看護師として褥瘡や術後創を観察するうえで、絶対に外せない基礎知識じゃぞ。
サクラサクラ
はい博士!問題は「肉芽組織が形成されるのはどれか」で、選択肢は炎症期、止血期、出血期、成熟期、増殖期の5つです。
博士博士
さて、まず創傷治癒の流れを言えるかな?
サクラサクラ
えーっと…止血期、炎症期、増殖期、成熟期の順番だったと思います。
博士博士
その通り!「シ・エン・ゾウ・セイ」と覚えるとよい。出血期というのは国試的にはダミー選択肢で、正規の分類には含まれないんじゃ。
サクラサクラ
なるほど、出血期は引っ掛けなんですね。じゃあ肉芽はどこで作られるんですか?
博士博士
肉芽組織は線維芽細胞と新生血管で構成される赤い顆粒状の組織で、これが盛んに作られるのが「増殖期」じゃ。よって答えは5番じゃな。
サクラサクラ
やった、5番で正解です!増殖期では具体的に何が起きているんですか?
博士博士
マクロファージが出すVEGFやPDGFといった成長因子の作用で、線維芽細胞がコラーゲンを産生し、毛細血管が新しく伸びてくる。同時に創縁から表皮細胞が遊走して上皮化が進むんじゃ。
サクラサクラ
炎症期との違いがちょっと混乱します…。
博士博士
炎症期は好中球やマクロファージが「掃除」をしている段階。壊死組織や細菌を貪食して創をきれいにする時期で、まだ修復の土台はできていないんじゃ。
サクラサクラ
なるほど、掃除が終わってから建設が始まるイメージですね。臨床ではどう観察すればいいですか?
博士博士
褥瘡ケアでは創底の色を見るんじゃ。健常な肉芽は鮮紅色で湿潤しておる。逆に浮腫状で暗赤色や白色の不良肉芽は感染を疑うサインじゃ。
サクラサクラ
湿潤環境がいいって聞いたことがあります。
博士博士
その通り。モイストウンドヒーリングといって、適度な湿潤環境を保つと肉芽形成と上皮化が促進される。昔のように消毒してガーゼで乾かす方法はもう推奨されておらん。
サクラサクラ
肉芽がなかなかできない患者さんもいますよね。
博士博士
糖尿病、低栄養、ステロイド使用、喫煙、循環不全などが治癒遅延因子じゃ。特にアルブミン、ビタミンC、亜鉛の不足は要注意。栄養評価とケアもセットで考えるんじゃぞ。
サクラサクラ
最後の成熟期はどんな段階ですか?
博士博士
増殖期で作られた肉芽のコラーゲンが、Ⅲ型からより強靭なⅠ型に置換されていく時期じゃ。瘢痕として落ち着くまで数か月〜数年かかることもある。
サクラサクラ
4段階それぞれに役割があって、つながっているんですね。よく理解できました!

POINT

創傷治癒の4段階(止血期→炎症期→増殖期→成熟期)のうち、肉芽組織が形成されるのは増殖期であることを理解しているかを問う問題です。

解答・解説

正解は5です

問題文:創傷の治癒過程において肉芽組織が形成されるのはどれか。

解説:正解は5の「増殖期」です。創傷治癒は通常、止血期、炎症期、増殖期(肉芽形成期)、成熟期(リモデリング期)の4段階で進行します。受傷直後の止血期では血小板凝集とフィブリン形成による血栓により出血が止まり、続く炎症期(受傷後数日)では好中球やマクロファージが集まり壊死組織や細菌を貪食して創部を清浄化します。その後の増殖期(受傷後数日〜2〜3週間)では、マクロファージから分泌されるサイトカインや成長因子(VEGF、PDGF、TGF-βなど)の作用により、線維芽細胞がコラーゲンを産生しつつ毛細血管が新生され、赤色顆粒状の肉芽組織が創底を埋めていきます。同時に創縁から表皮細胞が遊走して上皮化が進み、創収縮も起こります。最後の成熟期(数週〜数か月〜数年)ではⅢ型コラーゲンがⅠ型コラーゲンに置き換わり、瘢痕組織として再構築されて創傷治癒が完了します。

選択肢考察

  1. ×1.  炎症期

    炎症期は受傷後数日間続く時期で、好中球やマクロファージが浸潤して壊死組織や異物・細菌を貪食除去し創を清浄化する段階です。発赤・腫脹・熱感・疼痛といった炎症の四徴がみられますが、まだ肉芽組織は形成されません。

  2. ×2.  止血期

    止血期は受傷直後に起こる段階で、血管収縮、血小板凝集、フィブリン血栓の形成により出血を止めます。数分〜数時間で完了する初期の反応で、肉芽形成はまだ起こりません。

  3. ×3.  出血期

    「出血期」は創傷治癒過程の標準的な分類には含まれません。出血そのものは止血期の前段階の現象として扱われ、独立した治癒過程の区分とはしません。

  4. ×4.  成熟期

    成熟期(リモデリング期)は増殖期の後に続く時期で、Ⅲ型コラーゲンがより強靭なⅠ型コラーゲンに置換され、瘢痕組織が再構築されます。肉芽組織は形成済みであり、ここで新たに作られるわけではありません。

  5. 5.  増殖期

    増殖期は炎症期に続く段階で、線維芽細胞の増殖とコラーゲン産生、毛細血管の新生(血管新生)、表皮細胞の遊走による上皮化が同時に進みます。新生血管と線維芽細胞からなる赤色で顆粒状の肉芽組織が創底に形成され、創を埋めて修復していきます。

肉芽組織は鮮紅色で湿潤しており、表面が顆粒状にみえることが名称の由来です。健常な肉芽は鮮やかな赤色をしていますが、感染を伴う不良肉芽は浮腫状で暗赤色や白色を呈し、易出血性となります。湿潤環境では肉芽形成と上皮化が促進されるため、近年は乾燥させない「モイストウンドヒーリング(湿潤療法)」が標準的な創傷ケアとして広まりました。また、糖尿病、低栄養(特に低アルブミン血症やビタミンC・亜鉛不足)、ステロイド使用、喫煙、循環不全などは肉芽形成を遅らせる因子として国試でも頻出です。覚え方は「シ(止血)・エン(炎症)・ゾウ(増殖=肉芽)・セイ(成熟)」と順番で押さえると忘れにくくなります。

創傷治癒の4段階(止血期→炎症期→増殖期→成熟期)のうち、肉芽組織が形成されるのは増殖期であることを理解しているかを問う問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。