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酸素投与器具4種を完全整理!「最も高濃度」はどれ?FiO₂で覚える低流量システムの王様

看護師国家試験 第115午前22 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

115午前22

酸素投与器具を図に示す。 最も高濃度の酸素を吸入できるのはどれか。

問題画像
  1. 1.鼻カニューレ
  2. 2.簡易酸素マスク
  3. 3.ベンチュリーマスク
  4. 4.リザーバー付きマスク

対話形式の解説

博士博士
今回のテーマは酸素投与器具じゃ。鼻カニューレ・簡易酸素マスク・ベンチュリーマスク・リザーバー付きマスクの4つ、それぞれの特徴を整理しておこう。
サクラサクラ
えーっと、なんとなく「マスクのほうが鼻カニューレより高濃度」くらいしかわからないです…。
博士博士
では、まず吸入気酸素濃度(FiO₂)という用語を押さえるのじゃ。FiO₂は患者が吸い込む空気のうち酸素が占める割合のことで、室内気は約21%。器具によってこの値の上限が大きく違うのじゃよ。
サクラサクラ
なるほど。器具ごとにどれくらい違うんですか?
博士博士
鼻カニューレは1〜6L/分で約24〜44%、簡易酸素マスクは5〜8L/分で約40〜60%、ベンチュリーマスクは最大でも約50%、リザーバー付きマスクは10〜15L/分で約60〜90%にもなるのじゃ。
サクラサクラ
わ、リザーバー付きマスクが圧倒的ですね!どうしてそんなに高濃度を出せるんですか?
博士博士
秘密はマスクの下にぶら下がっている袋、リザーバーバッグじゃ。吸気の直前にバッグの中に純酸素をためておくから、患者は外気を巻き込まずに高純度の酸素を吸えるのじゃよ。
サクラサクラ
袋に貯金しておくイメージですね。じゃあベンチュリーマスクの「ベンチュリー」って何ですか?
博士博士
ベンチュリー効果といって、酸素を勢いよく噴き出すと周囲の空気を巻き込む現象のことじゃ。マスクの根元にあるコマ(ダイリューター)の色を変えると、24・28・31・35・40・50%と決まった濃度に正確に調整できるのじゃ。
サクラサクラ
へえ、便利そう。でも最大50%どまりなんですね。じゃあどんな患者さんに使うんですか?
博士博士
代表的なのはCOPDの患者じゃ。COPDでは漫然と高濃度酸素を投与するとCO₂ナルコーシスを起こす危険がある。だから「24%でぴったり」のように細かく管理したいときにベンチュリーマスクが活躍するのじゃ。
サクラサクラ
CO₂ナルコーシスって、二酸化炭素が体にたまって意識障害が起きるあれですよね。
博士博士
その通りじゃ。逆に、重度の低酸素血症やショック、急変時の初期対応など「とにかく今すぐ高濃度の酸素を入れたい!」というときはリザーバー付きマスクの出番じゃ。
サクラサクラ
場面によって使い分けが大事なんですね。リザーバー付きマスクを使うときの注意点はありますか?
博士博士
良いところに気づいたな。流量が少ないとバッグが完全にしぼんでしまい、空気を巻き込んで濃度が下がる。だから10L/分以上を確保し、装着前にバッグを膨らませておくのが鉄則じゃ。また、一方向弁がある「非再呼吸式」のほうが高濃度を得られるぞ。
サクラサクラ
なるほど、「リザーバーがしぼまない流量」がポイントなんですね。整理すると、高濃度=リザーバー付き、濃度の正確さ=ベンチュリー、低流量で手軽=鼻カニューレ、中等度=簡易マスク、という感じですか?
博士博士
完璧じゃ!その対応関係を頭に入れておけば、国試でも臨床でも迷わないぞ。

POINT

代表的な酸素投与器具のFiO₂(吸入気酸素濃度)の上限を比較し、最も高濃度を供給できるものを選ぶ問題。「高濃度=リザーバー付き」「濃度を正確に=ベンチュリー」とセットで覚えておくとよい。

解答・解説

正解は4です

問題文:酸素投与器具を図に示す。 最も高濃度の酸素を吸入できるのはどれか。

解説:正解は 4 のリザーバー付きマスクです。リザーバー付きマスクは、マスク本体の下に酸素をためておくための袋(リザーバーバッグ)が取り付けられた酸素投与器具で、患者が吸気する直前にバッグ内に蓄積された純度の高い酸素を吸入できる仕組みになっています。一方向弁付きの「非再呼吸式マスク(ノンリブリーザーマスク)」では酸素流量10〜15L/分で吸入気酸素濃度(FiO₂)が約60〜90%に達し、低流量システムの中で最も高い酸素濃度を供給できる器具とされています。重度の低酸素血症や急性呼吸不全、ショック時の初期対応など、迅速に高濃度酸素が必要な場面で第一選択となります。

選択肢考察

  1. ×1.  鼻カニューレ

    両側の鼻孔に細いプロングを挿入して酸素を供給する最も簡便な器具。酸素流量は通常1〜6L/分までで、FiO₂は約24〜44%程度にとどまる。会話・食事・口腔ケアがしやすいというメリットがあるが、高濃度酸素投与には不向き。

  2. ×2.  簡易酸素マスク

    鼻と口を覆うシンプルな酸素マスク。酸素流量5〜8L/分でFiO₂は約40〜60%。5L/分未満では呼気のCO₂がマスク内に貯留して再呼吸となるリスクがあるため、最低でも5L/分以上で使用する。リザーバー付きマスクほどの高濃度は得られない。

  3. ×3.  ベンチュリーマスク

    ベンチュリー効果(噴流による周囲空気の巻き込み)を利用して、患者の呼吸パターンに左右されず正確かつ一定のFiO₂を供給できる器具。ダイリューター(コマ)の色で24・28・31・35・40・50%などに調整可能。COPD患者など正確な酸素濃度管理が必要な場合に有用だが、最高濃度はおおむね50%程度にとどまる。

  4. 4.  リザーバー付きマスク

    マスク下部に酸素を貯留するリザーバーバッグを備えた器具。一方向弁により呼気の混入を防ぐ非再呼吸式マスクでは、酸素流量10〜15L/分でFiO₂約60〜90%という、低流量システムの中で最も高い酸素濃度を供給できる。重度の低酸素血症や緊急時の初期対応に用いられる。

酸素投与器具は「低流量システム」と「高流量システム」に大別される。低流量システム(鼻カニューレ、簡易酸素マスク、リザーバー付きマスク)は患者の換気量に応じてFiO₂が変動するのに対し、高流量システム(ベンチュリーマスク、ネブライザー式酸素吸入器など)は患者の呼吸パターンに依存せず一定のFiO₂を供給できる。リザーバー付きマスクには一方向弁の有無により「非再呼吸式(ノンリブリーザー)」と「部分再呼吸式(パーシャルリブリーザー)」があり、より高濃度を得たい場合は非再呼吸式を選択する。また、リザーバーバッグは吸気時にしぼみすぎないよう、必ず流量を十分に確保し、使用前にバッグを膨らませてから装着することが重要である。COPD患者ではCO₂ナルコーシスのリスクがあるため、漫然と高濃度酸素を投与せずSpO₂目標値(88〜92%程度)を設定して管理する。

代表的な酸素投与器具のFiO₂(吸入気酸素濃度)の上限を比較し、最も高濃度を供給できるものを選ぶ問題。「高濃度=リザーバー付き」「濃度を正確に=ベンチュリー」とセットで覚えておくとよい。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。