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日本の医療保険、誰がどこに入っている?人口比で見る3つの柱

看護師国家試験 第115午前30

国試問題にチャレンジ

115午前30

令和3年(2021年)の日本の医療保険制度で正しいのはどれか。

  1. 1.先進医療は保険診療が適用される。
  2. 2.自己負担の割合は一律で3割である。
  3. 3.国民健康保険加入者は75歳以上である。
  4. 4.被用者保険加入者は人口の約6割である。

対話形式の解説

博士博士
今日は日本の医療保険制度の「加入者の内訳」について学ぶぞ。国試では数字の細かさで惑わされやすいテーマじゃ。
サクラサクラ
医療保険って、なんとなく会社員は健康保険、自営業は国民健康保険、というイメージしかないです…。
博士博士
良いスタートじゃ。日本の公的医療保険は大きく3つに分けられる。「被用者保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」の3本柱じゃよ。
サクラサクラ
被用者保険というのは、会社員や公務員が入る保険のことですよね?
博士博士
その通り。健康保険(協会けんぽ・組合健保)、共済組合、船員保険などが含まれる。労使で保険料を折半するのが特徴じゃ。令和3年時点で加入者は約7,800万人、総人口の約6割を占めておる。
サクラサクラ
え、6割もいるんですか!? なんとなく国民健康保険のほうが多いイメージでした。
博士博士
ふむ、ここが国試で狙われやすいポイントじゃ。実は被用者保険が最大勢力で、国民健康保険は約3割、後期高齢者医療制度は約1割強という構成じゃ。
サクラサクラ
じゃあ、選択肢の「被用者保険加入者は人口の約6割」が正解なんですね。他の選択肢はどうしてダメなんでしょう?
博士博士
順に見ていこう。「先進医療は保険診療が適用される」は誤り。先進医療は保険外併用療養費制度のうちの評価療養に分類され、先進医療部分は全額自己負担じゃ。ただし通常の診察や入院費は保険が効く混合運用になっておる。
サクラサクラ
全部自費というわけではないんですね。次の「自己負担一律3割」も明らかに違いそうですね。
博士博士
その通り。就学前は2割、就学後から69歳までが3割、70〜74歳は原則2割、75歳以上は原則1割で、一定以上所得者は2割、現役並み所得者は3割と細かく分かれておる。
サクラサクラ
年齢と所得で何段階にも分かれているんですね…。覚えるのが大変そうです。
博士博士
「子どもと高齢者は軽め、現役世代は3割」が大枠じゃ。3つ目の「国民健康保険加入者は75歳以上」も誤りで、これは後期高齢者医療制度の説明と混同させる罠じゃな。
サクラサクラ
75歳になると後期高齢者医療制度に自動で移るんでしたよね。国民健康保険は年齢で区切られているわけじゃないと。
博士博士
その理解で正しい。国民健康保険は自営業者・農林漁業者・無職の人など、被用者保険にも後期高齢者医療制度にも入っていない人の受け皿じゃ。市町村と都道府県が運営しておる。
サクラサクラ
看護師としては、患者さんがどの保険に入っているかで受けられる給付や手続きが変わってきそうですね。
博士博士
鋭いのう。例えば被用者保険なら傷病手当金や出産手当金といった現金給付があるが、国民健康保険には原則ない。退院支援や社会資源の調整で大事な視点じゃ。
サクラサクラ
制度を知っていることが、患者さんの生活を支えることにつながるんですね。

POINT

日本の医療保険制度における加入者構成の比率を問う問題。被用者保険・国民健康保険・後期高齢者医療制度の3つの区分と、それぞれのおおよその加入者割合を把握しているかがカギとなる。

解答・解説

正解は4です

問題文:令和3年(2021年)の日本の医療保険制度で正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。日本の医療保険制度は大きく「被用者保険(職域保険)」「国民健康保険(地域保険)」「後期高齢者医療制度」の3本柱で構成されている。このうち被用者保険は、企業・官公庁などに雇用されて働く人とその被扶養者が加入する制度で、健康保険(協会けんぽ・組合健保)、共済組合、船員保険などが含まれる。厚生労働省の統計によれば、令和3年(2021年)時点で被用者保険の加入者は約7,800万人前後であり、日本の総人口(約1億2,500万人)に対しておよそ6割を占めている。残りの約3割が国民健康保険、約1割強が後期高齢者医療制度の加入者という構成になっている。

選択肢考察

  1. ×1.  先進医療は保険診療が適用される。

    先進医療は「保険外併用療養費制度(評価療養)」に位置づけられ、先進医療に該当する技術料部分は全額自己負担となる。ただし、診察・検査・投薬・入院など通常の診療と共通する部分には保険が適用されるため、混合診療の例外として認められている仕組みである。

  2. ×2.  自己負担の割合は一律で3割である。

    自己負担割合は年齢や所得によって異なる。義務教育就学前は2割、義務教育就学後から69歳までが3割、70歳から74歳は原則2割(現役並み所得者は3割)、75歳以上は原則1割(一定以上所得者は2割、現役並み所得者は3割)と段階的に設定されている。

  3. ×3.  国民健康保険加入者は75歳以上である。

    国民健康保険は、被用者保険にも後期高齢者医療制度にも加入していない人(自営業者・農林漁業者・無職の人・退職者など)が加入する地域保険で、年齢要件で加入が決まる制度ではない。75歳以上は原則として後期高齢者医療制度に移行する。

  4. 4.  被用者保険加入者は人口の約6割である。

    令和3年時点で被用者保険(健康保険・共済組合など)の加入者は約7,800万人で、日本の総人口の約6割にあたる。会社員・公務員とその扶養家族がこの制度に該当し、医療保険制度の中で最も加入者数が多い区分である。

日本の医療保険制度は「国民皆保険」を基本理念とし、全ての国民が何らかの公的医療保険に加入する仕組みになっている。被用者保険は事業主と被保険者が保険料を労使折半で負担する点が特徴で、傷病手当金や出産手当金といった現金給付があるのも国民健康保険との大きな違いである。一方、国民健康保険は市町村(および都道府県)が運営主体で、保険料は世帯単位で計算される。75歳になると、それまでの加入保険から自動的に「後期高齢者医療制度」に移行し、運営主体は都道府県単位の広域連合となる。看護師国家試験では、各制度の対象者・運営主体・自己負担割合の3点セットで問われることが多い。

日本の医療保険制度における加入者構成の比率を問う問題。被用者保険・国民健康保険・後期高齢者医療制度の3つの区分と、それぞれのおおよその加入者割合を把握しているかがカギとなる。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。