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介護保険は誰が支える?「共助」のしくみと市町村・都道府県の役割を整理

看護師国家試験 第115午前57

国試問題にチャレンジ

115午前57

介護保険制度の説明で正しいのはどれか。

  1. 1.措置制度である。
  2. 2.共助を実現する仕組みである。
  3. 3.介護保険料は65歳から徴収される。
  4. 4.地域密着型サービスの指定・監督は都道府県が行う。

対話形式の解説

博士博士
今日は介護保険制度の基本について学ぶぞ。国試では毎年のように出題される超頻出テーマじゃ。
サクラサクラ
介護保険って2000年からですよね。それまでは介護サービスはなかったんですか?
博士博士
良い質問じゃ。それ以前は老人福祉法に基づく「措置制度」で、市町村が必要性を判断してサービス内容を一方的に決めておったのじゃ。利用者が事業者を選ぶことはできなかった。
サクラサクラ
えっ、自分で選べなかったんですか。今とずいぶん違うんですね。
博士博士
そう、介護保険制度の最大の革新は「措置から契約へ」の転換じゃ。利用者がサービスを選び、事業者と契約を結ぶ仕組みになったのじゃよ。
サクラサクラ
なるほど。ところで「共助」ってよく聞きますが、何のことですか?
博士博士
社会保障は4つに分類される。「自助」は自分で備えること、「互助」はご近所さんやボランティアの助け合い、「共助」は保険料を出し合って支える社会保険、「公助」は税金で支える生活保護などじゃ。介護保険はこの「共助」に当たる。
サクラサクラ
じゃあ介護保険料は65歳から払うんですか?
博士博士
ここが間違えやすいポイントじゃ!保険料の徴収は40歳から始まる。40〜64歳が第2号被保険者、65歳以上が第1号被保険者と区分される。
サクラサクラ
40歳からなんですね…!じゃあ40歳になったらサービスも使えるんですか?
博士博士
いやいや、第2号被保険者は「特定疾病」(末期がんや若年性認知症、関節リウマチなど16疾病)による要介護状態の場合のみ給付対象になるのじゃ。原則として65歳以上の第1号被保険者が主な利用者じゃな。
サクラサクラ
サービスの種類もいろいろあるんですよね。
博士博士
大きく分けて、居宅サービス(訪問介護、デイサービスなど)、施設サービス(特養、老健など)、そして地域密着型サービスじゃ。指定権者がそれぞれ違うのがポイントじゃぞ。
サクラサクラ
どう違うんですか?
博士博士
居宅と施設は都道府県が指定・監督するが、地域密着型サービスは市町村が指定・監督するのじゃ。グループホームや小規模多機能型居宅介護がこれに当たる。地域住民が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、市町村が責任を持つわけじゃな。
サクラサクラ
財源はどうなっているんですか?
博士博士
保険料が50%、公費が50%の折半じゃ。公費の内訳は国25%、都道府県12.5%、市町村12.5%。利用者は原則1割負担(所得により2〜3割)でサービスを受けられる。
サクラサクラ
社会全体で高齢者の介護を支える仕組みなんですね。看護師としても、退院支援や地域連携でこの制度を理解しておく必要がありそうです。

POINT

介護保険制度の基本構造(社会保険=共助、被保険者区分、サービス指定主体)を問う問題。「保険料は40歳から」「地域密着型は市町村」がよく問われる頻出ポイント。

解答・解説

正解は2です

問題文:介護保険制度の説明で正しいのはどれか。

解説:正解は 2 です。介護保険制度は2000年4月に施行された社会保険制度で、高齢化に伴う介護需要の増大に対し、社会全体で支え合う「共助」の仕組みとして創設された。財源は被保険者から徴収する介護保険料(約50%)と国・都道府県・市町村が拠出する公費(約50%)で構成され、要介護・要支援認定を受けた被保険者が自ら必要なサービスを選択して利用できる契約方式となっている。措置制度から保険制度への転換、すなわち「行政が決める」から「利用者が選ぶ」への大転換が制度の核心である。

選択肢考察

  1. ×1.  措置制度である。

    介護保険制度は措置制度ではなく、利用者がサービス事業者と契約を結んで利用する保険制度である。措置制度は行政(市町村)が必要性を判断してサービス内容を決定する仕組みで、介護分野では2000年の介護保険制度施行以前の老人福祉制度がこれにあたる。現在も虐待など緊急時の対応では措置制度が残されているが、原則は契約による利用である。

  2. 2.  共助を実現する仕組みである。

    社会保障は「自助・互助・共助・公助」の4つに分類され、介護保険のような社会保険制度はリスクを社会全体で分散する「共助」に位置づけられる。被保険者が拠出する保険料を主な財源とし、要介護状態という生活上のリスクに対して給付を行うことで、相互に支え合う仕組みとなっている。

  3. ×3.  介護保険料は65歳から徴収される。

    介護保険の被保険者は、65歳以上の第1号被保険者と、40〜64歳で医療保険に加入している第2号被保険者に区分される。保険料は第2号被保険者の40歳から徴収が始まる。第1号被保険者の保険料は原則年金から特別徴収(天引き)、第2号被保険者は医療保険料に上乗せして徴収される。

  4. ×4.  地域密着型サービスの指定・監督は都道府県が行う。

    地域密着型サービス(小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護=グループホーム、定期巡回・随時対応型訪問介護看護など)の指定・監督は市町村が行う。地域住民が住み慣れた地域で生活を継続できるよう、市町村が主体的に整備・管理する点が特徴。なお、居宅サービスや施設サービスの指定・監督は都道府県(指定都市・中核市を含む)が担う。

介護保険制度のポイントを整理する。①被保険者:第1号(65歳以上)と第2号(40〜64歳の医療保険加入者)。第2号は16の特定疾病による要介護状態のみが給付対象。②財源:保険料50%+公費50%(国25%、都道府県12.5%、市町村12.5%)。③保険者:市町村および特別区。④サービスの種類:居宅サービス・施設サービス(都道府県指定)と地域密着型サービス(市町村指定)に大別。⑤利用者負担:原則1割(所得に応じて2〜3割)。社会保障の枠組みでは、自助=自分の健康管理、互助=ボランティアや地域住民の助け合い、共助=社会保険、公助=生活保護や公費による福祉、と整理される。

介護保険制度の基本構造(社会保険=共助、被保険者区分、サービス指定主体)を問う問題。「保険料は40歳から」「地域密着型は市町村」がよく問われる頻出ポイント。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。