股関節の内旋と外旋を「膝の振れ方」で見抜く!90/90肢位の回旋テスト
看護師国家試験 第115回 午前 第34問
国試問題にチャレンジ
臥床して右股関節と右膝関節を90度屈曲位にした図をAに示す。 Aの状態から右下肢を矢印の方向に動かしてBの状態になった。このときの股関節の運動はどれか。

- 1.外旋
- 2.外転
- 3.内旋
- 4.内転
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
股関節90度屈曲位における回旋運動の見分け方を問う問題。「膝(下腿)が外側へ振れる=股関節内旋」「膝(下腿)が内側へ振れる=股関節外旋」という対応関係を、運動軸(水平面・大腿骨長軸まわり)の概念とともに理解できているかが問われます。
解答・解説
正解は3です
問題文:臥床して右股関節と右膝関節を90度屈曲位にした図をAに示す。 Aの状態から右下肢を矢印の方向に動かしてBの状態になった。このときの股関節の運動はどれか。
解説:正解は 3 の「内旋」です。 股関節の回旋運動は、大腿骨が長軸(大腿の中心を縦に貫く軸)を中心に回る動きを指し、大腿前面が内側へ向く向きの回旋を「内旋」、外側へ向く向きの回旋を「外旋」と呼びます。 臥位で股関節と膝関節をともに90度屈曲した姿勢(図A)では、大腿は床に対してほぼ垂直方向に立ち上がり、下腿(脛とつま先)は床と水平方向に突き出した形になります。この姿勢では大腿骨を直接動かすよりも、下腿の振れ方を見るほうが回旋の向きが把握しやすくなります。具体的には、下腿(膝から下)が体の正中線から外側へ振れたとき、大腿骨頭は寛骨臼内で内側方向に回旋しているため、これが股関節の「内旋」にあたります。図Bでは下腿が外側へ振り出されているため、股関節は内旋しているという判断になります。
選択肢考察
- ×1. 外旋
外旋は、大腿前面(あるいは膝のお皿)が外側を向く向きへの回旋運動です。股関節90度屈曲位では、下腿が体の正中線へ近づく(内側へ倒れる)向きに動くと股関節は外旋となるため、本問とは逆方向の動きにあたります。
- ×2. 外転
外転は、下肢全体を正中線から遠ざける(横へ開く)運動で、回旋とはまったく別の動きです。股関節を伸展位で横に開く動作が典型例で、本問のような大腿骨長軸まわりの回転とは方向軸が異なります。
- ○3. 内旋
内旋は大腿前面が内側を向く向きへの回旋運動です。股・膝関節を90度屈曲した姿勢では、下腿が正中線から外側へ振れる動きが股関節の内旋に対応します。図Aから図Bの動きはまさにこのパターンであり、本問の正解となります。
- ×4. 内転
内転は、外転とは逆に、下肢全体を正中線に近づける運動です。これも前額面上での開閉運動であり、長軸まわりの回旋運動である内旋・外旋とは区別する必要があります。
股関節の運動は、屈曲・伸展(矢状面)、外転・内転(前額面)、内旋・外旋(水平面)の3軸6方向で整理されます。テストや臨床で回旋運動を評価する際は、本問のように仰臥位で股関節と膝関節をともに90度屈曲する「Thomas肢位に近い90/90肢位」がよく用いられます。この姿勢では下腿が回旋の目印(指示棒)として働くため、わずかな回旋の差や左右差を視覚的に捉えやすくなります。臨床的には、変形性股関節症や大腿骨頸部骨折後では内旋制限が早期から出やすいとされ、整形外科領域のフィジカルアセスメントで頻繁にチェックされるポイントです。なお、立位や伸展位での回旋評価では、つま先や膝蓋骨の向きを指標にすることが多く、姿勢によって観察するランドマークが変わる点も押さえておきましょう。
股関節90度屈曲位における回旋運動の見分け方を問う問題。「膝(下腿)が外側へ振れる=股関節内旋」「膝(下腿)が内側へ振れる=股関節外旋」という対応関係を、運動軸(水平面・大腿骨長軸まわり)の概念とともに理解できているかが問われます。
「体位・移動・活動」の関連問題
意識のない患者を寝かせるなら横向き!舌根沈下と回復体位のしくみ
意識低下時に上気道閉塞の原因となる「舌根沈下」を、どの体位が物理的に防げるかを問う問題。仰臥位では舌が後方へ落ち込みやすいのに対し、側臥位では重力で側方へ逃がせるという解剖学的・力学的な理由を押さえることがポイント。
115回
MMTは0〜5の6段階!「5が最強」を一発で覚える徒手筋力テスト攻略
徒手筋力テスト(MMT)の評価段階が0〜5の6段階であり、5が最強(正常筋力)であることを問う基本問題。数値が大きいほど筋力が強いという原則を覚えておけば解ける。
115回
なぜ膝の下に枕?ファウラー位の「ずれ落ち防止」を物理で理解する
ファウラー位で膝窩に枕を入れる目的を問う基本問題。半座位特有の「身体が足側にずり落ちる」という力学的特徴を理解しているかが解答の鍵。
115回
ノーリフトケアとスライディングシート ― 抱えない介助の基本
ノーリフトケアの定義(人力で持ち上げない介助)と、それを実現するための代表的福祉用具(スライディングシートなど)の関係を問う問題です。ボディメカニクスとの違いを区別できるかが鍵となります。
115回
尖足を防ぐポジショニング 足底クッションが守る将来の歩行
仰臥位での足底クッション挿入の目的を問う問題。長期臥床→足関節底屈位固定→尖足というメカニズムから、足関節90度保持の意義を導き出せるかが核心。
114回
