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震度6強!多職種が集結した救急病棟でリーダー看護師は何を指揮する?

看護師国家試験 第115午前118(状況設定問題)

国試問題にチャレンジ

115午前118

状況設定

午前9時、震度6強の大地震が発生した。発災直後、A病院では傷病者への対応として救急病棟に8床確保した。その応援のために各部署から看護師3名、医師2名、臨床工学技士1名、臨床検査技師1名、理学療法士1名が救急病棟に集まった。救急病棟のリーダー看護師は他部署から集まったスタッフとカンファレンスを行った。

リーダー看護師が指揮する内容で適切なのはどれか。

  1. 1.理学療法士に傷病者の採血を依頼する。
  2. 2.看護師に自己判断で輸液を実施するよう伝える。
  3. 3.臨床工学技士に医療機器の動作確認を依頼する。
  4. 4.傷病者本人が名前を名乗る行為は省くよう医療スタッフに伝える。

対話形式の解説

博士博士
今日は災害看護の問題じゃ。震度6強の大地震が起きて、A病院の救急病棟に各部署から看護師3名、医師2名、臨床工学技士1名、臨床検査技師1名、理学療法士1名が応援に集まった。リーダー看護師としてどう指揮するかが問われておる。
サクラサクラ
いろんな職種が一気に集まったんですね…。混乱しそうです。リーダーは何から考えればいいんでしょう?
博士博士
ポイントは2つじゃ。1つ目は「各職種の業務範囲(できること)を踏まえて役割分担すること」、2つ目は「災害時でも医療安全の基本を崩さないこと」じゃな。
サクラサクラ
なるほど。災害だからといって何でもありにはならないんですね。
博士博士
その通り。たとえば選択肢1の「理学療法士に採血を依頼する」はどうかな?
サクラサクラ
えっと…理学療法士さんって、リハビリの専門ですよね。採血ってできましたっけ?
博士博士
できない。採血は診療の補助で、医師の指示のもと看護師か臨床検査技師が行う。理学療法士の業務範囲外じゃから、災害時でも依頼してはならんのじゃ。
サクラサクラ
じゃあ選択肢2の「看護師が自己判断で輸液する」は?緊急時だからアリな気もしますが…。
博士博士
これも×じゃ。輸液は医師の指示が必要な診療の補助行為。災害時こそ指示系統を明確にせんと、過量投与や誤薬で二次被害が出る。むしろ平時より慎重にいくべきじゃ。
サクラサクラ
選択肢4の「本人が名前を名乗る行為を省く」はどうですか?効率化のためにありそうですが。
博士博士
絶対にダメじゃ。本人確認は医療安全の要中の要。誤認による誤薬・誤輸血は命に直結する。災害時は患者が多数で混乱しやすいからこそ、フルネーム確認やトリアージタグでの識別がより大事になるのじゃ。
サクラサクラ
ということは正解は選択肢3の「臨床工学技士に医療機器の動作確認を依頼する」ですね!
博士博士
その通り!臨床工学技士、略してCEは人工呼吸器・輸液ポンプ・モニタ・除細動器などの医療機器を専門に扱う職種じゃ。地震で機器が損傷したり停電でバッテリー駆動になっていたりするから、まず動作確認をすることが患者の安全につながる。
サクラサクラ
各職種の専門性を活かす指揮、というのが大事なんですね。
博士博士
うむ。災害医療ではCSCATTTという原則があってな、指揮命令(Command)、安全(Safety)、情報伝達(Communication)、評価(Assessment)、トリアージ(Triage)、治療(Treatment)、搬送(Transport)の頭文字じゃ。リーダー看護師はまさにこの最初のCommandを担う立場なんじゃよ。
サクラサクラ
覚えておきます!災害時こそ役割分担と安全確認を徹底するんですね。

POINT

災害発生直後に集まった多職種スタッフに対して、リーダー看護師がどのように指揮するかを問う問題。各職種の業務範囲を踏まえた役割分担と、災害時にも医療安全の原則(本人確認・指示系統の遵守)を維持する視点が問われている。

解答・解説

正解は3です

問題文:リーダー看護師が指揮する内容で適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。震度6強の大地震が発生した直後の院内対応では、ライフラインの不安定化や設備の損傷によって医療機器が正常に稼働しない可能性が高まる。人工呼吸器、輸液ポンプ、シリンジポンプ、心電図モニタ、除細動器、医療ガス配管などが平時どおりに使えるかは、傷病者の生命予後に直結するため、発災直後にいち早く点検する必要がある。臨床工学技士(CE)は医療機器の保守・点検・操作を法的にも担う専門職であり、災害時に集合した多職種チームの中でこの役割を最も適切に果たせる。リーダー看護師がCEに医療機器の動作確認を依頼することは、各職種の専門性と業務範囲(スコープ・オブ・プラクティス)に基づいた合理的な指揮であり、適切である。

選択肢考察

  1. ×1.  理学療法士に傷病者の採血を依頼する。

    採血は診療の補助行為であり、医師の指示のもと看護師や臨床検査技師が実施する。理学療法士の業務範囲(運動療法、物理療法、ADL指導など)には含まれず、災害時であっても職種の法的業務範囲を逸脱する指示は不適切である。

  2. ×2.  看護師に自己判断で輸液を実施するよう伝える。

    輸液は医師の指示に基づく診療の補助行為であり、看護師が自己判断で開始することは認められない。災害時こそ指示系統の明確化と記録が重要で、自己判断での投薬・輸液は医療事故や薬剤過量投与のリスクを高めるため不適切である。

  3. 3.  臨床工学技士に医療機器の動作確認を依頼する。

    災害時は停電・断水・揺れによる機器破損などで医療機器が正常に動作しない恐れがある。臨床工学技士は人工呼吸器・輸液ポンプ・モニタ類などの保守点検を専門とする職種であり、その専門性を活かして動作確認を依頼することは、傷病者の安全を守るうえで最も適切な指揮内容である。

  4. ×4.  傷病者本人が名前を名乗る行為は省くよう医療スタッフに伝える。

    本人確認は医療安全の根幹であり、誤認による誤薬・誤処置・誤輸血を防ぐために省略してはならない。災害時は多数の傷病者が混在し、混乱しやすいからこそフルネーム確認やリストバンド、トリアージタグなどを用いた確実な患者識別が一層重要となる。

災害時の院内対応では、CSCATTT(Command and Control、Safety、Communication、Assessment、Triage、Treatment、Transport)の原則に沿って動くことが求められる。リーダー看護師の役割は指揮命令系統を明確にし、集まったスタッフの職種・能力を把握して適切に役割分担することである。具体的には、医師は診療判断と指示、看護師はトリアージ・処置・記録、臨床工学技士は医療機器とライフラインの確認、臨床検査技師は検体検査と血液製剤管理、理学療法士は搬送介助や体位管理など、それぞれの専門性を生かしたタスクシフティングを行う。また、災害時でも医療安全の基本(本人確認、指示の口頭復唱、ダブルチェック、記録)は省略せず、むしろ徹底することが重要である。

災害発生直後に集まった多職種スタッフに対して、リーダー看護師がどのように指揮するかを問う問題。各職種の業務範囲を踏まえた役割分担と、災害時にも医療安全の原則(本人確認・指示系統の遵守)を維持する視点が問われている。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。