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脳性麻痺・重症心身障害児

小児看護学 / 小児神経・運動器・発達障害

解説

今回は脳性麻痺と重症心身障害児について解説します。

脳性麻痺とは

脳性麻痺(cerebral palsy:CP)とは、受胎から新生児期(生後4週間以内)までに生じた脳の非進行性病変によって引き起こされる、運動および姿勢の異常を主症状とする症候群です。原因病変は進行しませんが、成長に伴って二次障害が出現することが特徴です。原因は出生前(胎内感染、低酸素)、周産期(新生児仮死、低出生体重児)、新生児期(核黄疸、頭蓋内出血)などさまざまです。

脳性麻痺の病型

脳性麻痺は運動障害のタイプにより分類され、最も多いのが痙直型で全体の70〜80%を占めます。痙直型では筋緊張亢進(痙性)と原始反射の残存が特徴で、四肢が屈曲・交差し、体幹を反らせるような全身性の緊張がみられます。ほかにアテトーゼ型、失調型、混合型があります。

痙直型では筋緊張が持続することで、関節拘縮、股関節脱臼、脊柱側弯、胸郭変形、摂食嚥下障害、呼吸機能低下といった二次障害が進行するため、その予防が長期QOLの鍵となります。家族指導ではリラクセーションポジション、ストレッチ、抱き方の工夫、補装具の活用などを段階的に伝えます。

摂食嚥下と栄養の支援

脳性麻痺児では口唇閉鎖不全、舌運動制限、咀嚼力低下、嚥下反射遅延などが複合して摂食嚥下障害が生じます。食事形態はペーストやムース食から始め、ゼリー・ソフト食、きざみ食、常食へと段階的にステップアップします。きざみ食は唾液とまとまりにくく口腔内で散らばりやすいため、必ずしも易しい形態ではないことに注意が必要です。食事姿勢は頸部前屈、体幹安定、足底接地を意識します。

重症心身障害児とは

重症心身障害児とは、重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複している児を指します。障害程度の判定には大島分類が用いられ、縦軸に知能指数(IQ)、横軸に運動機能(走れる・歩ける・歩行障害・座位・寝たきり)をとって25区分に分類します。このうちIQ35以下かつ運動機能が座位までの1〜4群を重症心身障害と定義し、医療・福祉サービスの対象基準として用いられます。横地分類はさらに詳細な活動自立度で分類するものです。

重症児の在宅ケア

重症児では誤嚥性肺炎を繰り返しやすく、経鼻経管栄養や気管切開などの医療的ケアを要することが多くあります。経管栄養では注入前のチューブ位置確認、上半身30〜60度挙上の体位、ゆっくりとした注入、注入後30分〜1時間の体位保持が原則です。固定テープは同一部位への連日貼付を避け、皮膚障害(MDRPU)予防のため定期的に貼付位置を変更します。

誤嚥性肺炎予防では、口腔ケア、体位ドレナージ、胸郭可動域訓練(介助者が他動的に胸郭を動かす)、分泌物吸引、予防接種が柱です。指示に応じられない児には自発的協力を要する呼吸訓練は不可能なため、他動的な介入が中心となります。

家族支援と社会資源

在宅で重症児を介護する家族には、一時的に介護から離れて休息できるレスパイトケアが重要です。出産・冠婚葬祭・家族の疾病など介護困難時に、医療機関や障害児入所施設が短期入所・短期入院で受け入れます。就学に際しては、2013年改正の学校教育法施行令に基づき、市町村教育委員会が本人・保護者の意見と専門家意見を総合して通常学級・通級指導教室・特別支援学級・特別支援学校のいずれかを決定します。

まとめ

脳性麻痺は新生児期までの非進行性脳病変による運動・姿勢障害で、痙直型が最多です。二次障害予防と摂食支援が看護の柱となります。重症心身障害児は大島分類のIQと運動機能の二軸で定義され、医療的ケアと家族支援、社会資源の活用が重要です。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    脳性麻痺は受胎から期までに生じた脳の非進行性病変による運動・姿勢の障害である。

  2. 2.

    脳性麻痺の病型のうち最も頻度が高いのは型で、全体の70〜80%を占める。

  3. 3.

    重症心身障害児の障害程度を、知能指数と運動機能の二軸で25区分に分類する方法をという。

  4. 4.

    大島分類では知能指数(IQ)が以下かつ運動機能が座位までの群を重症心身障害と定義する。

  5. 5.

    在宅介護を行う家族が一時的に介護から離れて休息できるよう、施設や医療機関で短期間受け入れるサービスをという。

  6. 6.

    脳性麻痺児の食べこぼしが多い場合、食事形態をきざみ食から状に変更することで食塊形成が容易となる。

  7. 7.

    障害のある児童の就学先は、本人・保護者の意見と専門家意見を踏まえ、市町村が総合的に判断して決定する。

  8. 8.

    経鼻経管栄養チューブの固定テープは、皮膚障害を予防するため貼付を毎日少しずつ変える必要がある。

  9. 9.

    指示に応じることができない重症心身障害児の誤嚥性肺炎予防として、介助者が他動的に行う訓練が有効である。

脳性麻痺・重症心身障害児」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。