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心音の聴取部位を理解しよう

看護師国家試験 第108回 午前 第16問 / 必修問題 / 看護の基本技術

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第16問

心音の聴取でI音がII音より大きく聴取されるのはどれか。 ただし、●は聴取部位を示す。

  1. 1. 選択肢1
  2. 2. 選択肢2
  3. 3. 選択肢3
  4. 4. 選択肢4

対話形式の解説

博士 博士

今日は心音I音とII音がどこで大きく聞こえるかを整理するぞ。フィジカルアセスメントの基本じゃ。

アユム アユム

I音とII音の違いがまだあやふやです。

博士 博士

I音は心室収縮の始まりに房室弁、つまり僧帽弁と三尖弁が閉じる音じゃ。II音は心室収縮が終わって拡張に移る瞬間に半月弁、大動脈弁と肺動脈弁が閉じる音じゃよ。

アユム アユム

ラブ・ダブのリズムのラブがI音ですね。

博士 博士

そのとおり。I音の直後が収縮期、II音の直後が拡張期と覚えるとよい。

アユム アユム

では聴取部位はどう決まるんですか。

博士 博士

閉じる弁に近い胸壁で大きく聞こえる。僧帽弁領域は心尖部、つまり左第5肋間と鎖骨中線の交点。三尖弁領域は第4肋間胸骨左縁じゃ。

アユム アユム

心基部側はどうですか。

博士 博士

第2肋間右縁が大動脈弁領域、第2肋間左縁が肺動脈弁領域じゃ。この2か所ではII音が優位に聞こえる。

アユム アユム

図1はどこですか。

博士 博士

左第5肋間鎖骨中線の交点、まさに僧帽弁領域で心尖部じゃ。ここはI音がII音より大きく聞こえる代表的部位で、正解は1じゃ。

アユム アユム

2はどう見ればよいですか。

博士 博士

2は心臓の投影外か、通常心音が明瞭に聞こえない位置と考えるとよい。3は肺動脈弁領域なのでII音優位、4は大動脈弁領域でやはりII音優位じゃ。

アユム アユム

III音やIV音について教えてください。

博士 博士

III音は拡張早期に急速な心室充満で生じ、心不全や左室機能低下の指標になる。IV音は拡張末期の心房収縮で出現し、心肥大や高血圧の所見として知られておる。

アユム アユム

聴診のコツはありますか。

博士 博士

膜面は高音(II音や雑音)、ベル面は低音(III音・IV音)に強い。心尖部ではベル面を軽く当てて低音成分を拾いつつ、患者を左側臥位にすると雑音が聴取しやすくなるのじゃ。

アユム アユム

心雑音と合わせて評価する視点が大事ですね。

博士 博士

そうじゃ。収縮期雑音か拡張期雑音か、聴取部位と放散を合わせて評価し、弁膜症の鑑別に活かすのじゃ。

POINT

I音は房室弁(僧帽弁・三尖弁)の閉鎖音で心尖部(左第5肋間鎖骨中線)で最も大きく、II音は半月弁の閉鎖音で心基部(第2肋間胸骨左右縁)で明瞭です。問題の図1は心尖部を示し、I音優位の正しい所見となります。聴診4領域を解剖学的に結び付け、III音・IV音や雑音の意味まで理解するとフィジカルアセスメントの精度が上がります。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:心音の聴取でI音がII音より大きく聴取されるのはどれか。 ただし、●は聴取部位を示す。

解説:正解は 1 です。I音は心室収縮開始時の房室弁(僧帽弁・三尖弁)閉鎖音で、心尖部(左第5肋間と鎖骨中線の交点)で最も大きく聴取されます。II音は拡張期開始時の半月弁(大動脈弁・肺動脈弁)閉鎖音で、第2肋間胸骨左縁や右縁の心基部で明瞭です。聴取部位が僧帽弁領域である図1では、I音が優位に聞こえるのが正常所見です。

選択肢考察

  1. 1.  
    選択肢1

    左第5肋間鎖骨中線の交点(僧帽弁領域・心尖部)で、I音がII音より大きく聴取されます。

  2. × 2.  
    選択肢2

    心臓の投影外または心音が明瞭でない部位で、I音優位の聴取部位としては不適切です。

  3. × 3.  
    選択肢3

    第2肋間胸骨左縁は肺動脈弁領域でII音(肺動脈成分)が最も大きく聞こえる部位です。

  4. × 4.  
    選択肢4

    第2肋間胸骨右縁は大動脈弁領域でII音(大動脈成分)が最も大きく聞こえる部位です。

心音の聴診部位は4つに分類されます。大動脈弁領域=第2肋間右縁、肺動脈弁領域=第2肋間左縁、三尖弁領域=第4肋間胸骨左縁、僧帽弁領域=第5肋間鎖骨中線(心尖部)です。I音はlub(ラブ)、II音はdub(ダブ)と表現され、心尖部ではI音優位、心基部ではII音優位となります。III音は拡張早期の心室充満音で心不全、IV音は心房収縮音で心肥大・高血圧の所見となることを押さえましょう。

I音とII音の発生機序と聴取部位の違いを理解し、心尖部でI音優位となる解剖学的理由を問う問題です。