肺の音は4種類で判別!副雑音マトリックスを制覇せよ
看護師国家試験 第107回 午前 第19問 / 必修問題 / 看護の基本技術
国試問題にチャレンジ
異常な呼吸音のうち高調性連続性副雑音はどれか。
- 1.笛のような音< 笛音 >
- 2.いびきのような音< 類鼾音 >
- 3.耳元で髪をねじるような音< 捻髪音 >
- 4.ストローで水に空気を吹き込むような音< 水泡音 >
対話形式の解説
博士
今日は聴診で聴かれる異常な呼吸音、副雑音について学ぶぞ。4種類の整理が命じゃ。
サクラ
副雑音、苦手なんです…どれも似た名前で。
博士
大丈夫、マトリックスで考えれば簡単じゃ。縦軸に高調/低調、横軸に連続性/断続性、この2×2で4つに分類できる。
サクラ
2×2!
博士
連続性かつ高調=笛音(wheeze)。細い気管支の狭窄、つまり気管支喘息で「ヒューヒュー」鳴るやつじゃ。
サクラ
連続性かつ低調は?
博士
類鼾音(rhonchi)。太い気管支に痰がたまったり腫瘍があったりするときの「ボーボー」「グーグー」じゃ。いびきのような音じゃな。
サクラ
断続性の方は?
博士
断続性で高調なのが捻髪音(fine crackles)。髪の毛をねじる「パリパリ」という音で、間質性肺炎の吸気終末期に聴かれる。特徴的じゃ。
サクラ
断続性で低調なのが水泡音ですね?
博士
その通り。coarse crackles、「ブクブク」「ポコポコ」と湿った粗い音。肺炎、肺水腫、気管支拡張症などで聴かれる。
サクラ
連続性と断続性の違いって、タイミングですか?
博士
そうじゃ。連続性は呼気時に長く続く音、断続性は吸気時に短くぷちぷち途切れる音じゃ。
サクラ
気管支喘息の発作を想像すると、たしかにヒューヒュー連続してますね。
博士
その通り。気道が狭くて空気が通りにくいから笛のように鳴るんじゃ。呼気に強いのも特徴じゃよ。
サクラ
疾患ごとに特徴的な音があるんですね!
博士
そうじゃ。間質性肺炎では捻髪音、肺炎や肺水腫では水泡音、喘息では笛音、太い気管支狭窄では類鼾音、と代表疾患と結びつけて覚えるんじゃ。
サクラ
胸膜摩擦音というのも聞いたことがあります。
博士
それはpleural rubじゃ。胸膜炎で乾いた革を擦るような音が吸気呼気両方で聴かれる。副雑音とは独立した分類じゃな。
サクラ
高調か低調かは、どう聞き分けるんですか?
博士
高調は高い音、低調は低い音じゃ。wheezeはソプラノ、rhonchiはバスと覚えるとよい。
サクラ
マトリックスで覚えると頭に入りますね!
博士
そうじゃ。これを身につければ呼吸音の問題は怖くない。
POINT
副雑音は高調/低調×連続性/断続性の2×2マトリックスで4種類に分類される。高調性連続性=笛音(wheeze/気管支喘息)、低調性連続性=類鼾音(rhonchi/太い気管支狭窄)、高調性断続性=捻髪音(fine crackles/間質性肺炎)、低調性断続性=水泡音(coarse crackles/肺炎・肺水腫)。代表疾患とセットで暗記すれば聴診所見の問題は確実に得点できる。胸膜摩擦音など副雑音以外の異常音も併せて整理しておくと応用問題にも対応できる。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:異常な呼吸音のうち高調性連続性副雑音はどれか。
解説:正解は 1 です。副雑音(ラ音)は、連続性副雑音と断続性副雑音に大別される。連続性副雑音は気道狭窄で空気が通りにくいときに生じる「ヒューヒュー」「ボーボー」という音で、主に呼気相で聴取される。このうち高調性連続性副雑音=wheeze(笛音)は、「ヒューヒュー」「ピーピー」という高い音で、細い気管支の狭窄で生じる。気管支喘息発作、COPD、うっ血性心不全(心臓喘息)などが代表的な原因疾患である。
選択肢考察
-
○ 1. 笛のような音< 笛音 >
正解。wheezeと呼ばれ、細い気管支の狭窄による高調性連続性副雑音。気管支喘息やCOPDで呼気時に聴かれる。
-
× 2. いびきのような音< 類鼾音 >
rhonchiと呼ばれ、「ボーボー」「グーグー」といった低調性連続性副雑音。太い気管支の狭窄(分泌物貯留、腫瘍、浮腫など)で生じる。
-
× 3. 耳元で髪をねじるような音< 捻髪音 >
fine cracklesと呼ばれ、高調性断続性副雑音。「パリパリ」「バリバリ」と細かく短い音で、吸気終末期に聴取される。間質性肺炎で特徴的。
-
× 4. ストローで水に空気を吹き込むような音< 水泡音 >
coarse cracklesと呼ばれ、低調性断続性副雑音。「ブクブク」「ポコポコ」という粗く湿った音で、吸気初期から中期に聴取。肺炎、肺水腫、気管支拡張症で聴かれる。
副雑音の4分類(マトリックスで覚える):連続性×高調=wheeze(笛音/喘息)、連続性×低調=rhonchi(類鼾音/太い気管支狭窄)、断続性×高調=fine crackles(捻髪音/間質性肺炎)、断続性×低調=coarse crackles(水泡音/肺炎・肺水腫)。連続性=呼気時主体、断続性=吸気時主体、が基本。ほかに胸膜摩擦音(pleural rub)は胸膜炎で聴かれる独立した雑音。
副雑音の4分類と代表疾患を問う定番問題。高調/低調×連続/断続のマトリックスで理解できているかがポイント。
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