脈拍測定はどこで触れる?橈骨動脈が基本じゃ
看護師国家試験 第110回 午前 第81問 / 必修問題 / 看護の基本技術
国試問題にチャレンジ
成人の人体図を別に示す。 意識清明で不整脈( arrhythmia )のある成人の脈拍測定時に一般的に使われる部位はどれか。
- 1.A
- 2.B
- 3.C
- 4.D
- 5.E
対話形式の解説
博士
今日は脈拍測定の部位について学ぶぞ。意識のはっきりした成人で不整脈がある人、どこで脈を測るのが基本じゃろうか
サクラ
手首のところ…橈骨動脈ですか?
博士
その通りじゃ。図のCが橈骨動脈、手関節の親指側を走っておる。皮膚のすぐ下にあって触知しやすいからのう
サクラ
なぜ他の動脈ではだめなのでしょうか
博士
よい質問じゃ。Aの総頸動脈は心停止時の確認に使う部位じゃ。意識清明の人に日常的に使うことはないぞ
サクラ
なるほど、緊急時専用なのですね
博士
Bの上腕動脈は血圧測定で聴診器を当てる場所じゃな。Dの尺骨動脈は触れにくい
サクラ
Eの大腿動脈は?
博士
鼠径部じゃから、服を脱いでもらう必要があって羞恥心を伴う。だから普段の測定には使わんのじゃ
サクラ
不整脈があるときは測り方に注意が要りますか?
博士
そうじゃ、1分間しっかり測る。15秒測って4倍する簡易法では欠滞を見逃すぞ
サクラ
心尖拍動と同時に測ると脈拍欠損も分かるんでしたよね
博士
その通り、二人一組で測れば心拍数と脈拍数の差がはっきり出る。血圧の推定も覚えておくとよい、橈骨で触れれば80mmHg以上が目安じゃ
サクラ
動脈ごとの意味を理解して使い分けるのですね
POINT
脈拍測定の第一選択は橈骨動脈で、意識清明の成人にはこの部位を用います。総頸動脈は意識消失時、上腕動脈は血圧測定、大腿動脈はショック時の評価など、各動脈には使い分けがあります。不整脈がある場合は必ず1分間測定し、リズムや脈拍欠損を評価します。触知できる動脈から収縮期血圧をおおまかに推定できる知識も臨床で活用できます。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:成人の人体図を別に示す。 意識清明で不整脈( arrhythmia )のある成人の脈拍測定時に一般的に使われる部位はどれか。
解説:正解は3です。人体図のCは手関節橈側にある橈骨動脈で、意識が保たれている成人の脈拍測定では最も一般的に選択される部位です。不整脈がある場合でも1分間しっかり計測すれば拍動のリズムや欠損を評価でき、羞恥心を伴わず皮膚表面に近く触知しやすい利点があります。
選択肢考察
-
× 1. A
Aは総頸動脈で、心停止や意識消失時に循環の有無を確認する部位です。収縮期血圧がおよそ60mmHg以上で触知できますが、意識清明の日常的な脈拍測定には用いません。
-
× 2. B
Bは上腕動脈で、主に血圧測定時にマンシェットを装着しコロトコフ音を聴取する部位です。通常の脈拍測定でルーチンには使用されません。
-
○ 3. C
Cは橈骨動脈で、意識清明な成人の脈拍測定で最初に選択される標準部位です。不整脈があるときは示指・中指・薬指を軽く当てて1分間測定し、欠滞の有無まで評価します。
-
× 4. D
Dは尺骨動脈で、手関節尺側を走行しますが脂肪組織に覆われ触知が難しく、通常の脈拍測定には適しません。アレンテストなど血流評価の補助に用いられます。
-
× 5. E
Eは大腿動脈で、鼠径部を露出する必要があり羞恥心を伴います。収縮期血圧70mmHg以上で触知でき、ショック時などの緊急評価に用いる部位で、日常的な測定には使いません。
触知可能な動脈と推定される収縮期血圧の目安を覚えておくと臨床で役立ちます。橈骨動脈で触れれば約80mmHg以上、大腿動脈なら約70mmHg以上、総頸動脈なら約60mmHg以上が目安です。不整脈のある患者では必ず60秒間計測し、可能なら心尖拍動と同時に測って脈拍欠損を確認します。
意識清明な成人における標準的な脈拍測定部位を解剖図から特定し、他動脈の臨床的役割と区別できるかを問う問題です。
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