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血圧測定の正しい手技!心臓の高さを守る理由を理解しよう

看護師国家試験 第112回 午後 第17問 / 必修問題 / 看護の基本技術

国試問題にチャレンジ

112回 午後 第17問

上腕動脈で行う聴診法による血圧測定で適切なのはどれか。

  1. 1.成人では9〜10cm幅のマンシェットを用いる。
  2. 2.マンシェットの下端と肘窩が重なるように巻く。
  3. 3.マンシェットの装着部位と心臓が同じ高さになるようにする。
  4. 4.マンシェットと腕の間に指が3、4本入る程度の強さで巻く。

対話形式の解説

博士 博士

今日は聴診法による血圧測定のポイントを学ぶぞい。看護師の基本中の基本じゃ。

サクラ サクラ

マンシェットの幅って大事ですよね。

博士 博士

そうじゃ。成人の上腕用は14cm(JIS規格)、小児用は9〜10cm。大腿用は18cmが目安じゃ。

サクラ サクラ

幅を間違えるとどうなるんですか?

博士 博士

幅が細すぎると血圧が高く、幅が広すぎると低く測定される。体格に合わせた選択が精度を左右する。

サクラ サクラ

巻き方のコツは?

博士 博士

肘窩の2〜3cm上に下端を合わせる。肘窩と重ねると聴診器が置きにくくなるし、関節を動かすとマンシェットがずれてしまう。

サクラ サクラ

締め具合はどうですか?

博士 博士

指1〜2本が入る程度じゃ。緩すぎると加圧効率が悪くて血圧が高めに出る、きつすぎると測定前から血流を妨げて低めに出る。

サクラ サクラ

そしていよいよ今回の正解、『心臓と同じ高さ』ですね。

博士 博士

これが最重要ポイントじゃ。血圧は血液にかかる重力、つまり静水圧の影響を受ける。腕の位置が心臓より10cm低ければ、約7mmHg血圧が高く測定されてしまう。

サクラ サクラ

すごい誤差ですね。

博士 博士

逆に腕を挙げて心臓より高い位置にすると低く出る。測定時は肘関節を右心房レベル(大体第4肋間)に合わせ、机や枕で腕を支えて筋緊張を抜くのじゃ。

サクラ サクラ

測定時の姿勢も大事なんですね。

博士 博士

背もたれのある椅子に座って足を組まず、5分以上安静後に測る。会話しながらの測定もNGじゃ。

サクラ サクラ

聴診器はどこに当てるんですか?

博士 博士

肘窩の上腕動脈触知部位に当てる。ゴム嚢の中央を上腕動脈の真上に合わせるのがコツじゃ。

サクラ サクラ

加圧と減圧のタイミングは?

博士 博士

触診で消えた点から30mmHgさらに加圧し、毎秒2〜3mmHgでゆっくり減圧する。最初に聞こえる音がコロトコフ音第Ⅰ相で収縮期血圧、音が完全に消える第Ⅴ相が拡張期血圧じゃ。

サクラ サクラ

最近は自動血圧計が多いですが、手技を知っておく意義は?

博士 博士

自動計の不調や異常値の検証、さらに片麻痺患者などで左右差を確認する時に触診+聴診が必要になる。基本手技はどんな時代でも廃れないのじゃ。

サクラ サクラ

『心臓の高さ』を絶対守ります!

POINT

聴診法による血圧測定の最重要原則は、マンシェット装着部位と心臓(右心房レベル)を同じ高さに保つことです。血圧は重力(静水圧)の影響を受けるため、腕の位置が心臓より低いと血圧は高く、高いと低く測定され、約10cmの高低差で7mmHg程度の誤差が生じます。そのほか、成人では14cmの標準幅マンシェット使用、下端は肘窩から2〜3cm中枢側、装着の強さは指1〜2本が入る程度、触診で最大収縮期血圧+30mmHgまで加圧し毎秒2〜3mmHgで減圧、背もたれ椅子で5分以上安静後に測定といった一連の手技が精度を担保します。聴診法ではコロトコフ音第Ⅰ相を収縮期血圧、第Ⅴ相(消失点)を拡張期血圧と判定し、不整脈患者や左右差の評価では触診併用が推奨されます。自動血圧計が主流となった現在でも、異常値の検証や片麻痺患者への対応で手技の理解は欠かせません。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:上腕動脈で行う聴診法による血圧測定で適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。血圧は重力(静水圧)の影響を受けるため、マンシェット装着部位を心臓(右心房レベル)と同じ高さに保って測定することが必須です。上腕動脈で測定する場合、座位では肘関節を心臓の高さに合わせ、腕を机や枕で支えて筋緊張を解いた状態で行います。高さがずれると測定値に誤差(腕が下がると高く、上がると低く表示)が生じます。

選択肢考察

  1. × 1.  成人では9〜10cm幅のマンシェットを用いる。

    成人用標準マンシェット幅は約14cm(JIS規格)。9〜10cmは小児用サイズ。幅が細すぎると血圧が実際より高く表示される誤差要因になる。

  2. × 2.  マンシェットの下端と肘窩が重なるように巻く。

    肘窩から2〜3cm中枢側(上方)にマンシェット下端がくるように巻く。肘窩と重ねると聴診器を当てる位置が潰れ、上腕動脈の聴診が困難になる。

  3. 3.  マンシェットの装着部位と心臓が同じ高さになるようにする。

    静水圧の影響を避けるため必須。腕が心臓より低ければ血圧は高く、高ければ低く測定される。測定時は腕を机や枕で支え、右心房高にそろえる。

  4. × 4.  マンシェットと腕の間に指が3、4本入る程度の強さで巻く。

    適切な強さは指1〜2本が入る程度。緩すぎると加圧不足で血圧が高めに出てしまう。逆に締めすぎると加圧前から血流が妨げられ低めになる。

血圧測定の技術的ポイントは、(1)成人14cm・小児9〜10cm・大腿18cmなど対象に合ったマンシェット幅、(2)肘窩の2〜3cm中枢側に下端、(3)上腕動脈の真上にゴム嚢の中央、(4)指1〜2本が入る緩さ、(5)心臓の高さ、(6)カフ圧は触診最大収縮期血圧+30mmHgまで加圧し毎秒2〜3mmHgで減圧、(7)背もたれあり座位で5分以上安静後に測定、の7点が基本。聴診法ではコロトコフ音の第Ⅰ相が収縮期血圧、第Ⅴ相(消失)が拡張期血圧とされる。

血圧測定手技の基本原則を問う問題。静水圧の影響を排除する『心臓の高さ』原則を確実に押さえる。