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鎖骨下CV穿刺の合併症は気胸

看護師国家試験 第103回 午後 第20問 / 必修問題 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

103回 午後 第20問

鎖骨下静脈へ中心静脈カテーテルを挿入する際に起こりやすい合併症はどれか。

  1. 1.肺炎(pneumonia)
  2. 2.気胸(pneumothorax)
  3. 3.嗄声
  4. 4.無気肺(atelectasis)

対話形式の解説

博士 博士

中心静脈カテーテル、いわゆるCVカテーテルの挿入経路にはどんなものがあったかのう?

アユム アユム

鎖骨下静脈、内頸静脈、大腿静脈の3つですね。

博士 博士

その通り。今回は鎖骨下アプローチに特異的な合併症が問われておる。何だと思う?

アユム アユム

鎖骨の下で胸膜が近いから…気胸ですか?

博士 博士

その通りじゃ!正解は2の気胸じゃ。穿刺針が胸膜を貫くと胸腔内に空気が入って肺が虚脱する。

アユム アユム

どうして鎖骨下で起こりやすいんですか?

博士 博士

鎖骨下静脈は鎖骨の直下で胸膜の頂部に近接して走行しているからじゃ。針の角度や深さを誤ると簡単に胸膜を破ってしまう。

アユム アユム

他の選択肢はどう違うんですか?

博士 博士

1の肺炎は感染症じゃ。CV関連ではカテーテル関連血流感染症があるが、挿入操作で直ちに起こる合併症ではない。

アユム アユム

3の嗄声は?

博士 博士

反回神経麻痺で起こる症状で、甲状腺手術後の合併症として有名じゃ。鎖骨下穿刺では通常起こらない。

アユム アユム

4の無気肺は?

博士 博士

気道閉塞や換気不全で肺胞が虚脱する状態じゃ。CV挿入の直接的合併症ではない。

アユム アユム

鎖骨下以外のアプローチのリスクは?

博士 博士

内頸静脈は動脈誤穿刺と血腫、大腿静脈は感染と深部静脈血栓症のリスクが高い。経路ごとに合併症の傾向が違うのじゃ。

アユム アユム

挿入後の確認は何をしますか?

博士 博士

必ず胸部X線で気胸の有無とカテーテル先端位置を確認する。最近は超音波ガイド下穿刺が推奨され、合併症は大幅に減ったのう。

アユム アユム

看護では呼吸状態の観察も重要ですね。

博士 博士

挿入後数時間は呼吸数、SpO2、胸痛、呼吸音の左右差をしっかり観察するのじゃぞ。

POINT

鎖骨下静脈への中心静脈カテーテル挿入で最も起こりやすい合併症は気胸で、胸膜の近接が原因です。胸部X線による気胸の有無とカテーテル先端位置の確認が必須で、近年は超音波ガイド下穿刺で合併症が低減しています。経路ごとに気胸(鎖骨下)、動脈誤穿刺(内頸)、感染・血栓(大腿)とリスクが異なることも押さえておきましょう。挿入後は呼吸状態の継続観察が看護の要となります。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:鎖骨下静脈へ中心静脈カテーテルを挿入する際に起こりやすい合併症はどれか。

解説:正解は 2 です。鎖骨下静脈は鎖骨の直下で胸膜に近接して走行するため、穿刺針が胸膜を誤穿刺すると気胸を起こしやすい部位です。気胸は鎖骨下アプローチに特異的な合併症で、ほかにも動脈誤穿刺による血胸・血腫、胸管損傷による乳び胸、カテーテル位置異常などが起こり得ます。挿入後は胸部X線で気胸の有無とカテーテル先端位置を必ず確認します。

選択肢考察

  1. × 1.  肺炎(pneumonia)

    中心静脈カテーテル関連の感染症としてカテーテル関連血流感染症(CRBSI)はありますが、挿入操作で直ちに起こる合併症ではありません。

  2. 2.  気胸(pneumothorax)

    穿刺針が胸膜を貫くと胸腔内に空気が入り気胸となります。鎖骨下静脈アプローチでは胸膜が近いため最も起こりやすい合併症です。

  3. × 3.  嗄声

    嗄声は反回神経麻痺で起こりますが、中心静脈カテーテルの鎖骨下穿刺では通常起こりません。甲状腺手術後の合併症として有名です。

  4. × 4.  無気肺(atelectasis)

    無気肺は気道閉塞や換気不全で肺胞が虚脱する状態で、中心静脈穿刺の直接的合併症ではありません。

中心静脈カテーテル挿入経路には鎖骨下静脈・内頸静脈・大腿静脈の3つがあり、それぞれリスクが異なります。鎖骨下は気胸・血胸、内頸は動脈誤穿刺・血腫、大腿は感染・深部静脈血栓症のリスクが相対的に高くなります。近年は超音波ガイド下穿刺が推奨され、合併症発生率は大幅に低下しました。挿入後の胸部X線確認は必須です。

中心静脈カテーテルの鎖骨下静脈アプローチに特有の合併症として気胸を理解しているかを問う問題です。