自己採血で測定できる項目はどれか
看護師国家試験 第105回 午前 第22問 / 必修問題 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
患者が自己採血で簡単に測定できるのはどれか。
- 1.血糖
- 2.カリウム
- 3.カルシウム
- 4.アルブミン
対話形式の解説
博士
今日は在宅で患者さん自身が測れる検査項目について考えてみよう。
アユム
自己採血といえば糖尿病の方が指先で血糖を測る場面を思い浮かべます。
博士
その通り!選択肢の中で患者が自分で簡単に測れるのは血糖だけ。これを自己血糖測定、SMBGというんだ。
アユム
なぜ血糖だけが自宅で測れるのでしょうか?
博士
血糖測定は微量の血液、1マイクロリットル以下で測れる小型電極を使った簡易測定器が普及しているからだよ。指先を専用ランセットでちょっと穿刺するだけで数秒で結果が出る。
アユム
カリウムやカルシウムはなぜ難しいのですか?
博士
電解質は溶血の影響を強く受けるし、電極法や炎光光度法など大がかりな分析装置が要る。採血管の置き方ひとつで値が変わるほどデリケートだから、家庭用機器では対応できないんだ。
アユム
アルブミンはどうでしょう?
博士
アルブミンは血清蛋白で、生化学自動分析装置が必要になる。比色法で測るから簡易化が難しい。
アユム
なるほど、血糖測定器がいかに画期的な発明かがわかります。
博士
インスリン療法中の患者さんにとって、血糖値を自分で把握できることは命綱だ。食前・食後の血糖値を踏まえてインスリン量を調整したり、低血糖を早期に察知できる。
アユム
最近はCGMという言葉もよく聞きます。
博士
CGMは持続血糖モニターで、皮下センサーで24時間グルコース変動を測定する。FGMは患者がスキャナをかざして読み取るタイプ。穿刺回数が減って患者負担が軽くなる。
アユム
看護師はどう関わるのですか?
博士
測定手技の指導が重要だよ。手洗い、アルコール消毒後の乾燥、第1血は拭き取る、穿刺部位をローテーションする、測定値を正しく記録するなど、一連の流れを丁寧に教える。
アユム
低血糖の対応も教えるべきですよね。
博士
その通り。70mg/dL未満で症状が出やすいので、ブドウ糖10gを速やかに摂取するよう指導する。運転前や就寝前の測定も重要だね。
アユム
生活に寄り添った検査なのですね。
博士
そう、自己測定は治療の自己管理の第一歩。患者さんの自立を支える看護師の関わりが大切だよ。
POINT
自己採血で患者が簡単に測定できるのは血糖です。指先から微量の血液を採り、簡易血糖測定器で数秒〜十数秒で結果が出るため、糖尿病患者の在宅自己管理に広く利用されています。カリウム・カルシウム・アルブミンは専用分析装置と血清分離が必要で自己測定には不向きです。看護師は穿刺手技や測定値の解釈、低血糖対応の指導を通して患者の自己管理を支援します。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:患者が自己採血で簡単に測定できるのはどれか。
解説:正解は1です。血糖は指先などの毛細血管から微量の血液を採取し、簡易血糖測定器(SMBG;Self-Monitoring of Blood Glucose)で数秒〜十数秒で測定できる項目です。糖尿病患者のインスリン量調整や低血糖の早期発見に不可欠で、在宅でも広く活用されています。他の選択肢は電解質や血清蛋白であり、遠心分離や大型分析装置が必要なため自己測定には不向きです。
選択肢考察
-
○ 1. 血糖
指先を専用ランセットで穿刺し、測定チップに微量の血液を吸わせるだけで数秒〜十数秒で結果が出る簡易血糖測定器が普及しており、在宅での自己測定が可能です。
-
× 2. カリウム
血清カリウムは溶血の影響を強く受け、電極法や炎光光度法など専用機器が必要なため、患者が自己採血で簡易に測定することはできません。
-
× 3. カルシウム
血清カルシウムは生化学分析装置で比色法などを用いて測定するため、医療機関での採血と検査室の設備が必要です。
-
× 4. アルブミン
アルブミンは血清蛋白成分であり、BCG法などの生化学検査が必要で、自己採血での簡易測定はできません。
自己血糖測定はインスリン療法中の患者で特に重要で、1型糖尿病や頻回注射療法では保険適用があります。最近はCGM(持続血糖モニター)やFGM(間欠スキャン式)も普及し、穿刺なしで24時間の血糖変動を把握できます。測定時は第1血を拭き取り、穿刺部を変える、手を清潔にしてから行うなど手技の指導も看護師の役割です。
在宅療養で患者自身が実施可能な簡易検査として自己血糖測定が確立していることを理解しているかを問う問題です。
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