筋収縮は滑り説で起こる
看護師国家試験 第103回 午前 第27問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
骨格筋の収縮について正しいのはどれか。
- 1.筋収縮のエネルギー源はADPである。
- 2.収縮力は関節が伸展した状態で最大となる。
- 3.骨格筋は副交感神経の指令を受けて収縮する。
- 4.アクチンがミオシン上を滑走して筋収縮が起こる。
対話形式の解説
博士
今日は骨格筋の収縮メカニズムじゃ。
サクラ
正しいのはどれですか。
博士
正解は4のアクチンがミオシン上を滑走するじゃ。
サクラ
これは滑り説ですね。
博士
そうじゃ。ミオシン頭部がアクチンを引き寄せ、サルコメアが短くなる。
サクラ
1のADPはどうですか。
博士
エネルギー源はATPで、ADPは分解後の産物じゃ。
サクラ
2の関節伸展時最大は。
博士
筋長が長すぎるとフィラメントの重なりが減り、張力は中間長で最大になる。
サクラ
3の副交感神経は。
博士
骨格筋は随意筋で、運動神経が支配する。副交感神経は平滑筋や腺じゃ。
サクラ
収縮の引き金はなんですか。
博士
運動神経からアセチルコリンが放出され、筋小胞体からCa2+が出るのじゃ。
サクラ
Ca2+が何をするんですか。
博士
トロポニンに結合してトロポミオシンを動かし、アクチンとミオシンを結合させるのじゃ。
サクラ
きれいな仕組みですね。
博士
ATPとCa2+とアセチルコリン、この3つを軸に覚えるとよい。
POINT
骨格筋の収縮はアクチンがミオシン上を滑走する滑り説で説明されます。エネルギー源はATPで、運動神経から放出されたアセチルコリンが活動電位を起こし、筋小胞体からのCa2+放出が滑走の引き金となります。骨格筋は随意筋で副交感神経支配ではありません。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:骨格筋の収縮について正しいのはどれか。
解説:正解は 4 です。骨格筋は太いミオシンフィラメントと細いアクチンフィラメントが交互に配列したサルコメア構造をもち、Ca2+の作用によりミオシン頭部がアクチンに結合し、ATPを分解しながらアクチンをミオシン間に滑り込ませることで筋収縮が起こります。これを滑り説(滑走説)と呼びます。
選択肢考察
-
× 1. 筋収縮のエネルギー源はADPである。
筋収縮の直接のエネルギー源はATPであり、ATPがADPと無機リン酸に分解される際の化学エネルギーで滑走が起こります。ADPは分解後の産物です。
-
× 2. 収縮力は関節が伸展した状態で最大となる。
筋の発生張力は筋長と関係し、過度な伸展では太いフィラメントと細いフィラメントの重なりが減って張力は低下します。最大張力は中間長付近で得られます。
-
× 3. 骨格筋は副交感神経の指令を受けて収縮する。
骨格筋は随意筋であり、運動神経(α運動ニューロン)の指令を受けて収縮します。副交感神経は内臓の平滑筋や腺の支配が中心です。
-
○ 4. アクチンがミオシン上を滑走して筋収縮が起こる。
滑り説の説明そのもので、ミオシン頭部がATPを分解しながらアクチンを引き寄せ、サルコメアが短縮することで筋収縮が起こります。
運動神経終末から放出されたアセチルコリンが筋膜の受容体に結合し、活動電位が筋小胞体からのCa2+放出を引き起こします。Ca2+がトロポニンに結合してトロポミオシンが移動し、アクチンとミオシンの結合が可能となります。
筋収縮の分子メカニズム(滑り説)と支配神経・エネルギー源を問う問題です。
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