嚥下は迷走神経の仕事!12対の脳神経を整理
看護師国家試験 第107回 午前 第10問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
嚥下に関わる脳神経はどれか。
- 1.嗅神経
- 2.外転神経
- 3.滑車神経
- 4.迷走神経
対話形式の解説
博士
今日は嚥下に関わる脳神経について学ぶぞ。誤嚥性肺炎予防にも直結する重要知識じゃ。
アユム
脳神経って12対ありますよね。どれが嚥下に関わるんですか?
博士
正解は迷走神経じゃ。第X脳神経で、咽頭・喉頭・食道の運動と感覚を支配する。
アユム
嚥下反射の中心なんですね!
博士
そうじゃ。嚥下運動は延髄にある嚥下中枢によって制御されており、迷走神経と舌咽神経が中核を担う。
アユム
他にも嚥下に関わる神経はあるんですか?
博士
あるとも。嚥下は複数の神経が協調する複雑な運動じゃ。①三叉神経(V):咀嚼と口腔の感覚、②顔面神経(VII):唾液分泌と表情筋、③舌咽神経(IX):咽頭感覚と嚥下反射、④迷走神経(X):咽頭・喉頭・食道の運動、⑤舌下神経(XII):舌の運動、じゃ。
アユム
こんなにたくさんの神経が協力しているんですね!
博士
うむ。嚥下には5つの時期がある。①先行期(食物を見て認識)、②準備期(咀嚼して食塊形成)、③口腔期(舌で咽頭へ送る)、④咽頭期(嚥下反射で食道へ)、⑤食道期(蠕動で胃へ)じゃ。
アユム
段階ごとに違う神経が働くんですね。
博士
その通り。準備期は三叉神経、口腔期は舌下神経、咽頭期は舌咽神経と迷走神経、食道期は迷走神経が中心じゃ。
アユム
脳卒中の患者さんで嚥下障害があるのは、これらの神経や延髄の障害なんですね。
博士
鋭い!延髄に梗塞があると嚥下中枢が障害され、『球麻痺』として飲み込みができなくなる。
アユム
誤嚥予防がなぜ大事なのか分かってきました。
博士
誤嚥性肺炎は高齢者の主要な死因の一つじゃ。嚥下機能評価と適切な食形態、体位(30度ギャッジアップ)、口腔ケアが看護の柱じゃよ。
アユム
他の選択肢も整理しましょう。嗅神経は?
博士
第I脳神経で、嗅覚の純粋な感覚神経じゃ。運動機能はなく嚥下には関与しない。ただし、先行期で食物のにおいを感じ取ることで食欲を刺激する意味はあるがの。
アユム
外転神経と滑車神経は?
博士
どちらも眼球運動に関わる神経じゃ。外転神経(VI)は外側直筋を支配し眼球を外に動かす。滑車神経(IV)は上斜筋を支配し眼球を下内方に動かす。嚥下とは無関係じゃな。
アユム
12対の脳神経、覚えるの大変です…。
博士
覚え方の定番は『嗅いで視る、動く車の三外、顔内、舌迷うも副舌』じゃ!I嗅・II視・III動眼・IV滑車・V三叉・VI外転・VII顔面・VIII内耳・IX舌咽・X迷走・XI副・XII舌下の頭文字を取った語呂合わせじゃよ。
アユム
語呂合わせで覚えます!嚥下にはVの三叉、VII顔面、IX舌咽、X迷走、XII舌下が関わると。
博士
完璧じゃ。看護師として嚥下のメカニズムを理解することは、誤嚥予防と嚥下リハビリに直結する重要な知識じゃ。
アユム
もう迷走神経は忘れません!
POINT
嚥下は複数の脳神経が協調する複雑な運動で、特に咽頭期・食道期では迷走神経(第X脳神経)が中心的役割を担う。ほかに三叉神経(咀嚼)、顔面神経(唾液分泌)、舌咽神経(咽頭感覚・嚥下反射)、舌下神経(舌運動)も関与し、延髄の嚥下中枢で統合される。脳卒中などによる延髄障害では球麻痺が生じ嚥下障害をきたす。誤嚥性肺炎は高齢者の主要死因の一つであり、嚥下機能評価・食形態調整・体位管理・口腔ケアが看護の要となる。12対の脳神経の機能整理は国試頻出であり、語呂合わせで確実に押さえておきたい。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:嚥下に関わる脳神経はどれか。
解説:正解は 4 です。嚥下運動は複数の脳神経が協調して成立する複雑な運動である。食塊を咽頭から食道へ送り込む咽頭期・食道期では、特に第IX脳神経(舌咽神経)と第X脳神経(迷走神経)が中心的役割を果たす。迷走神経は、咽頭・喉頭・食道の運動と感覚、嚥下反射・咳反射、声帯運動などを支配し、嚥下に不可欠である。選択肢の中では迷走神経が嚥下に関わる神経として該当する。なお、嚥下には他に三叉神経(咀嚼・口腔の感覚)、顔面神経(唾液分泌・表情筋)、舌下神経(舌の運動)も関わる。
選択肢考察
-
× 1. 嗅神経
第I脳神経。嗅覚を司る純粋な感覚神経で、運動機能はなく嚥下には直接関与しない。
-
× 2. 外転神経
第VI脳神経。外側直筋を支配し眼球を外転させる運動神経で、嚥下とは無関係。
-
× 3. 滑車神経
第IV脳神経。上斜筋を支配し眼球の下内方運動を司る。嚥下には関与しない。
-
○ 4. 迷走神経
第X脳神経。咽頭・喉頭・食道の運動と感覚を支配し、嚥下反射の中心的な神経。
12対の脳神経:I嗅神経、II視神経、III動眼神経、IV滑車神経、V三叉神経、VI外転神経、VII顔面神経、VIII内耳神経、IX舌咽神経、X迷走神経、XI副神経、XII舌下神経。嚥下には主にV(咀嚼)、VII(唾液)、IX・X(咽頭・喉頭)、XII(舌運動)が関与する。嚥下の5期モデル:①先行期(認識)②準備期(咀嚼)③口腔期(送り込み)④咽頭期(嚥下反射)⑤食道期(胃へ)。嚥下反射の中枢は延髄にあり、迷走神経が中核を担う。
12対の脳神経の機能と、嚥下に関わる神経を区別できるかを問う問題。
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