肝臓は500の仕事を抱える人体の大工場!機能を1問で総ざらい
看護師国家試験 第107回 午前 第11問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
肝臓の機能で正しいのはどれか。
- 1.胆汁の貯蔵
- 2.脂肪の吸収
- 3.ホルモンの代謝
- 4.血漿蛋白質の分解
対話形式の解説
博士
今日は人体最大の臓器、肝臓について学ぶぞ。なんと1.5kg近くある重量級の臓器じゃ。
サクラ
そんなに重いんですか!肝臓って何をしているんですか?
博士
肝臓の働きは大きく分けて3つ。栄養素の代謝、解毒、胆汁生成じゃ。ここに加えてホルモン代謝も重要な仕事じゃよ。
サクラ
ホルモン代謝ですか?ホルモンって内分泌腺から出るイメージでした。
博士
作るのは内分泌腺じゃが、役目を終えたホルモンを分解・不活化するのが肝臓の仕事じゃ。エストロゲンやインスリン、アルドステロンなど多くが肝臓で処理されるんじゃ。
サクラ
じゃあ肝硬変でホルモン代謝が落ちると、どうなるんですか?
博士
よい質問じゃ。エストロゲンの分解が進まず男性でも女性化乳房やクモ状血管腫、手掌紅斑が出るんじゃ。国試でも頻出じゃから覚えておくんじゃぞ。
サクラ
選択肢を見ると「胆汁の貯蔵」「脂肪の吸収」「血漿蛋白質の分解」もありますね。どう違うんでしょう?
博士
胆汁は肝臓で作られるが、貯蔵するのは胆嚢じゃ。脂肪の吸収は小腸で行われる。そして血漿蛋白質は肝臓で合成される側で、分解は肝臓の仕事ではない。
サクラ
なるほど、「合成」と「分解」を逆にしたひっかけなんですね。
博士
そのとおり。アルブミンや凝固因子は全て肝臓産じゃから、肝不全では低アルブミン血症や出血傾向が出るんじゃ。
サクラ
1問で肝臓の全体像が見えてきました。
博士
ビタミンA・D・B12の貯蔵、糖新生、尿素合成、解毒…とにかく肝臓は働き者。だから沈黙の臓器と呼ばれていても敬意を払うのじゃぞ。
POINT
肝臓は代謝・解毒・胆汁生成の三大機能に加え、ホルモンの代謝(不活化)も担う重要臓器。胆汁の貯蔵は胆嚢、脂肪の吸収は小腸、血漿蛋白質は肝臓で合成されるもので分解ではない。肝硬変で現れる女性化乳房やクモ状血管腫、低アルブミン血症、出血傾向はいずれも肝機能低下で説明できる。臓器の分担を正しく理解しておくことが必修突破の近道である。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:肝臓の機能で正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。肝臓は成人で約1,000〜1,500gにもなる人体最大の実質臓器であり、「代謝の中枢」として500以上の機能を担っている。その代表が、糖・脂質・蛋白質の三大栄養素代謝、アンモニアなどの解毒、胆汁の生成・分泌、そしてホルモンの代謝(不活化・分解)である。甲状腺ホルモン、性ホルモン(エストロゲン・アンドロゲン)、インスリン、アルドステロンなどは肝臓で代謝・分解されるため、肝硬変では女性化乳房や手掌紅斑といったホルモン代謝異常の症状がみられる。
選択肢考察
-
× 1. 胆汁の貯蔵
胆汁を産生・分泌するのは肝臓だが、貯蔵し濃縮するのは胆嚢である。肝臓で作られた胆汁は胆管を通って胆嚢に入り、約5〜10倍に濃縮されたうえで、食事の刺激によりコレシストキニンが分泌されると十二指腸に放出される。
-
× 2. 脂肪の吸収
脂肪の消化は胆汁酸とリパーゼによって行われるが、吸収は小腸(特に空腸)の腸上皮細胞で行われる。吸収された脂肪はカイロミクロンとしてリンパ管経由で全身に運ばれる。肝臓は脂肪酸のβ酸化や中性脂肪の合成・分解を担うが、吸収そのものは担当しない。
-
○ 3. ホルモンの代謝
正解。肝臓は酵素(チトクロームP450など)を介してステロイドホルモン、甲状腺ホルモン、インスリンなどを代謝・不活化する。肝機能が低下するとホルモンの分解が滞り、エストロゲン過剰によるクモ状血管腫や女性化乳房などが現れる。
-
× 4. 血漿蛋白質の分解
肝臓はアルブミンやフィブリノゲン、凝固因子などの血漿蛋白質を合成する器官であり、分解はしない。血漿蛋白質の分解は主に組織や細胞内リソソームで行われる。
肝臓の三大機能は「代謝」「解毒」「胆汁生成」。代謝にはグリコーゲン合成・糖新生、アルブミン・凝固因子・尿素の合成、ビタミン(A・D・B12)の貯蔵、ホルモンの不活化などが含まれる。肝硬変では合成能低下で低アルブミン血症や出血傾向、解毒能低下で肝性脳症、胆汁うっ滞で黄疸が生じる。
肝臓の主要な生理機能を問う基本問題。胆嚢・小腸との機能の違いを整理しておくことがポイント。
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