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解毒の要、肝臓の働きを理解しよう

看護師国家試験 第111回 午前 第12問 / 必修問題 / 人体の構造と機能

国試問題にチャレンジ

111回 午前 第12問

有害物質を無毒化し排泄する臓器はどれか。

  1. 1.
  2. 2.肝臓
  3. 3.膵臓
  4. 4.大腸

対話形式の解説

博士 博士

今日は『有害物質を無毒化し排泄する臓器』についてじゃ。人体には解毒工場と呼ばれる臓器があるのじゃが、どれか分かるかの?

アユム アユム

お酒を飲むと分解してくれるのは肝臓だと聞いたことがあります。

博士 博士

その通り、正解は2の肝臓じゃ。肝臓は薬物・アルコール・アンモニアなど体に害のある物質を代謝して、水に溶けやすい形に変えて胆汁や尿として排泄するのじゃ。

アユム アユム

具体的にはどんな仕組みで解毒するのですか?

博士 博士

第I相反応でシトクロムP450という酵素が酸化・還元を行い、第II相反応でグルクロン酸や硫酸と結合させて無毒化するのじゃ。アンモニアは尿素回路で尿素に変えて腎臓から捨てる。

アユム アユム

なるほど。では1の胃はどうでしょうか?

博士 博士

胃は塩酸とペプシンでタンパク質を消化する臓器じゃ。胃酸には殺菌作用はあるが、薬物の酵素的な無毒化はできない。

アユム アユム

3の膵臓は?

博士 博士

膵臓は消化酵素を含む膵液を分泌する外分泌と、インスリンやグルカゴンを出す内分泌の二つを担っておる。解毒はしないのじゃ。

アユム アユム

4の大腸は水分吸収ですよね。

博士 博士

その通り。大腸は水と電解質を吸収して糞便を形成し、腸内細菌がビタミンKなどを作る。解毒臓器ではない。

アユム アユム

肝臓の機能が落ちるとどうなるのですか?

博士 博士

アンモニアを処理できなくなって高アンモニア血症となり、肝性脳症で意識障害を起こすのじゃ。肝硬変末期の患者さんで見られる重要な病態じゃよ。

アユム アユム

解毒は生命維持に不可欠な機能なんですね。肝臓の多彩な役割がよくわかりました。

POINT

有害物質を無毒化し排泄する臓器は肝臓です。肝臓はシトクロムP450や抱合反応で薬物を代謝し、尿素回路でアンモニアを処理します。胃は消化、膵臓は消化酵素とホルモン分泌、大腸は水分吸収が主な役割です。肝機能障害では肝性脳症をきたすため、解毒機能は生命維持に直結する重要な働きです。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:有害物質を無毒化し排泄する臓器はどれか。

解説:正解は 2 です。肝臓は、体内に取り込まれた薬物・アルコール・アンモニアなどの有害物質を代謝・無毒化し、水溶性の形にして胆汁や腎臓経由で排泄する主要な解毒臓器です。肝細胞内のシトクロムP450やグルクロン酸抱合などの酵素系により第I相・第II相反応を経て毒性を低減します。

選択肢考察

  1. × 1.  胃

    胃は塩酸とペプシンによるタンパク質の消化や、胃酸による殺菌作用を担います。有害物質を酵素的に無毒化する機能はありません。

  2. 2.  肝臓

    肝臓は解毒(薬物代謝・アンモニアの尿素化)、三大栄養素の代謝、胆汁生成、グリコーゲン貯蔵、血漿タンパク合成など多彩な機能を持ちます。有害物質の無毒化と排泄の中心臓器です。

  3. × 3.  膵臓

    膵臓は外分泌として消化酵素を含む膵液を分泌し、内分泌としてインスリン・グルカゴンなどを分泌します。解毒機能はありません。

  4. × 4.  大腸

    大腸は水分と電解質の吸収、糞便形成、腸内細菌によるビタミンK産生などを行います。有害物質の無毒化作用はありません。

肝臓の解毒は、第I相反応(シトクロムP450による酸化・還元)と第II相反応(グルクロン酸・硫酸抱合など)の二段階で進みます。タンパク代謝で生じたアンモニアは肝臓の尿素回路で尿素に変換され、腎臓から排泄されます。肝機能が低下すると高アンモニア血症から肝性脳症をきたすため、肝臓の解毒機能は生命維持に不可欠です。

各消化器系臓器の主な機能を区別し、解毒と排泄を担う臓器が肝臓であることを問う基本問題です。