白血球分画の王者は誰だ?好中球が最多を占める理由
看護師国家試験 第112回 午前 第11問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
健康な成人の白血球の中に占める割合が高いのはどれか。
- 1.単球
- 2.好酸球
- 3.好中球
- 4.リンパ球
対話形式の解説
博士
今日は白血球の分画について整理するぞ。健康な成人で一番多いのはどれか、わかるかの?
サクラ
えーっと、免疫の主役ってリンパ球のイメージがあるので、リンパ球ですか?
博士
惜しい!実はリンパ球は2番手なんじゃ。最多は好中球で、白血球全体の約40〜70%を占めるんじゃよ。
サクラ
そんなに多いんですね。でもなぜ好中球がそんなに多く必要なんですか?
博士
好中球は自然免疫の最前線兵じゃ。細菌が体に侵入すると、真っ先に血管から組織に遊走して貪食と殺菌を行う。常に大量のストックがないと急な感染に間に合わんのじゃ。
サクラ
なるほど、即応部隊なんですね。ちなみに他の白血球はどんな割合なんですか?
博士
好中球約40〜70%、リンパ球約20〜40%、単球約2〜8%、好酸球約2〜5%、好塩基球0〜1%じゃ。語呂で覚えると「こうちゅうりんたんさんえんき」なんて工夫もある。
サクラ
白血球は顆粒球と無顆粒球に分かれるんですよね?
博士
その通り。顆粒球は好中球・好酸球・好塩基球の3種、無顆粒球は単球とリンパ球の2種じゃ。細胞質内の染色顆粒の有無で区別される。
サクラ
感染症のときはどう変化するんですか?
博士
細菌感染では好中球が増え、若い桿状核球が増える『左方移動』が起こる。ウイルス感染ではリンパ球が相対的に増加し、異型リンパ球が出ることもある。寄生虫やアレルギーでは好酸球が増えるぞ。
サクラ
臨床ではどんな場面で白血球分画を見ますか?
博士
抗癌剤治療中の好中球減少は重要じゃ。好中球数500/μL未満で発熱があるとfebrile neutropeniaと呼び、早急な広域抗菌薬投与が必要になる。看護師は体温・感染徴候の観察と逆隔離が腕の見せどころじゃ。
サクラ
割合だけでなく絶対数も大切なんですね。勉強になりました。
POINT
健康な成人末梢血の白血球分画では好中球が約40〜70%と最多を占め、リンパ球20〜40%、単球2〜8%、好酸球2〜5%、好塩基球0〜1%が続きます。好中球は自然免疫の要として細菌感染時に最も早く動員され、貪食・殺菌・NETs形成などで病原体を排除します。感染症の種類によって白血球分画は特徴的に変動するため、血算と分画は診断や治療方針決定の重要な基礎データとなります。看護実践では好中球数の絶対値に注目し、500/μL未満の発熱性好中球減少症では感染対策の強化が求められます。白血球の種類と割合を正しく理解することは、血液検査の解釈と感染管理の両面で看護師に必須の知識です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:健康な成人の白血球の中に占める割合が高いのはどれか。
解説:正解は 3 の好中球である。白血球は顆粒球(好中球・好酸球・好塩基球)と無顆粒球(単球・リンパ球)に大別される。健康な成人末梢血では好中球が白血球全体の約40〜70%を占め最も多く、次いでリンパ球が約20〜40%、単球が約2〜8%、好酸球が約2〜5%、好塩基球が0〜1%と続く。好中球は細菌やウイルスが侵入した際に真っ先に血流に乗って炎症部位に到達し、貪食・殺菌を行う自然免疫の主力である。
選択肢考察
-
× 1. 単球
単球は無顆粒球に分類され、白血球全体の約2〜8%程度を占めるにすぎない。組織に遊走してマクロファージや樹状細胞へ分化し、貪食と抗原提示を担う。
-
× 2. 好酸球
好酸球は顆粒球の一種で白血球全体の約2〜5%を占める。アレルギー反応や寄生虫感染で増加するが、平常時の割合は少ない。
-
○ 3. 好中球
好中球は白血球の約40〜70%を占め最大勢力である。細菌感染時に最も早く動員され、貪食・脱顆粒・NETs形成などで殺菌する。
-
× 4. リンパ球
リンパ球は無顆粒球で白血球の約20〜40%を占める。T細胞・B細胞・NK細胞からなり獲得免疫の中心を担うが、好中球より割合は低い。
白血球分画は感染症の種類を推察する手がかりになる。細菌感染では好中球増多(左方移動を伴う核の桿状核優位)、ウイルス感染ではリンパ球優位、寄生虫やアトピーでは好酸球増多、結核や慢性骨髄性白血病では好塩基球の増加がみられることがある。好中球の正常値下限を下回ると易感染状態となり、特に好中球数500/μL未満は重症感染リスクが高く、発熱性好中球減少症としてfebrile neutropeniaの管理対象となる。
末梢血の白血球分画で最も多い成分を問う基本問題。好中球>リンパ球>単球>好酸球>好塩基球という順序を押さえる。
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