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赤血球のすべて!形・寿命・はたらきをまとめて理解

看護師国家試験 第112回 午後 第13問 / 必修問題 / 人体の構造と機能

国試問題にチャレンジ

112回 午後 第13問

成人の正常な赤血球の説明で正しいのはどれか。

  1. 1.球状の細胞である。
  2. 2.腎臓で破壊される。
  3. 3.寿命は約60日である。
  4. 4.酸素の輸送を担っている。

対話形式の解説

博士 博士

今日は赤血球の基本を学ぶぞ。血液1μLに約450〜500万個も存在する、体内で最も数の多い細胞じゃ。

サクラ サクラ

赤血球って丸い粒のイメージですが、実際はどんな形なんですか?

博士 博士

中央がへこんだ両凹円盤状、ドーナツを潰したような形じゃな。この形には大きな意味がある。

サクラ サクラ

どんな意味ですか?

博士 博士

まず表面積が増えてガス交換が効率的になる。さらに柔軟に変形できるので、自分の直径より細い毛細血管もすり抜けられるのじゃ。

サクラ サクラ

なるほど!球状だと詰まっちゃいますもんね。

博士 博士

その通り。実際、遺伝性球状赤血球症という病気では赤血球が球状化して脾臓で壊されやすくなり、溶血性貧血になる。

サクラ サクラ

赤血球はどこで作られて、どこで壊されるんですか?

博士 博士

作られるのは骨髄。造血幹細胞から分化して、最後に核を捨てて血中に放出される。無核だから分裂はできない。

サクラ サクラ

核がないんですね。ミトコンドリアは?

博士 博士

ミトコンドリアも持たない。だから酸素を使わず嫌気的解糖でエネルギーを得ておる。酸素を運ぶ細胞自身が酸素を使わないのは面白いじゃろう。

サクラ サクラ

壊されるのは脾臓でしたね。

博士 博士

そう。寿命は約120日。古くなった赤血球は脾臓のマクロファージに貪食されて壊される。ここで出たヘモグロビンの鉄は再利用、ビリルビンは肝臓を経由して胆汁へ排泄される。

サクラ サクラ

腎臓は赤血球と関係ないんですか?

博士 博士

大ありじゃ。腎臓はエリスロポエチンというホルモンを分泌して骨髄の造血を刺激する。腎不全で腎性貧血になるのはこのホルモンが不足するからじゃな。

サクラ サクラ

だからエリスロポエチン製剤が使われるんですね。

博士 博士

よく繋がったぞ。そして主役のヘモグロビンは鉄を含むタンパク質で、1分子あたり4個の酸素と結合できる。これが酸素運搬の正体じゃ。

サクラ サクラ

酸素輸送が赤血球の一番の仕事、しっかり覚えます!

POINT

赤血球は直径約7〜8μmの両凹円盤状をした無核細胞で、中央のくぼみによってガス交換効率と変形能を高めています。骨髄で造血幹細胞から分化して産生され、約120日の寿命を経た後、主に脾臓のマクロファージによって貪食・破壊されます。内部に豊富に含まれるヘモグロビンが肺で酸素と結合し全身組織に運搬する、という酸素運搬こそが最重要の機能です。腎臓から分泌されるエリスロポエチンが赤血球産生を調節しているため、慢性腎臓病では腎性貧血が生じやすく、臨床ではヘモグロビン値・網赤血球数・血清鉄・フェリチンなどの検査値を総合的に評価して貧血のタイプを見極めます。基礎看護学から内科・腎臓・血液疾患まで横断する重要テーマなので、形態・寿命・産生と破壊・主機能の4点をセットで押さえておきましょう。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:成人の正常な赤血球の説明で正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。赤血球は中央がくぼんだ両凹円盤状の無核細胞で、内部に酸素運搬タンパク質であるヘモグロビンを大量に含みます。肺胞で酸素と結合し、動脈を通じて全身の組織に酸素を届け、組織から回収した二酸化炭素の一部も運搬します。つまり赤血球の主な役割は『酸素の輸送』です。

選択肢考察

  1. × 1.  球状の細胞である。

    赤血球は直径約7〜8μmの両凹円盤状。中央がへこんでいることで表面積が増し、酸素と結合しやすくなるうえ、細い毛細血管も変形して通過できる。球状化(球状赤血球症など)は溶血性貧血の原因となり異常所見。

  2. × 2.  腎臓で破壊される。

    老化赤血球は主に脾臓で、次いで肝臓・骨髄のマクロファージに貪食されて破壊される。腎臓は赤血球の破壊場所ではなく、むしろエリスロポエチンを分泌して赤血球産生を促す臓器。

  3. × 3.  寿命は約60日である。

    正常赤血球の寿命は約120日(およそ4か月)。60日は誤り。

  4. 4.  酸素の輸送を担っている。

    赤血球内のヘモグロビンが肺で酸素を結合し(HbO2)、組織で解離して酸素を供給する。二酸化炭素の一部運搬や酸塩基平衡の緩衝にも関与する。

赤血球は骨髄で造血幹細胞から分化・成熟し、核を失って血中に放出される。産生の調節は腎臓から分泌されるエリスロポエチンが担う。腎不全で貧血が起こりやすいのはこのためで、腎性貧血にはエリスロポエチン製剤やHIF-PH阻害薬が使われる。正常値はヘモグロビン値で男性13.5〜17.0g/dL、女性11.5〜15.0g/dL程度を目安に覚える。

赤血球の形態・寿命・産生と破壊の場所・主機能を整理する基本問題。『120日・脾臓で破壊・酸素運搬・両凹円盤』の4点セットで押さえる。