胆道の合流と開口部を整理
看護師国家試験 第113回 午後 第12問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
膵管と合流して大十二指腸乳頭(Vater<ファーター>乳頭)に開口するのはどれか。
- 1.肝管
- 2.総肝管
- 3.総胆管
- 4.胆囊管
対話形式の解説
博士
今回は胆道系の解剖じゃ。まず肝臓から出た胆汁がどうVater乳頭まで流れるか追ってみよう。
アユム
はい、まず右肝管と左肝管が合流して総肝管になります。
博士
そのとおり。その次はどうなる。
アユム
総肝管に胆嚢管が合流して総胆管になります。
博士
よし、そこからが重要じゃぞ。
アユム
総胆管が膵頭部で主膵管と合流して、Vater乳頭に開口するんですよね。
博士
完璧じゃ。だから答えは総胆管になる。
アユム
肝管や総肝管は合流過程の途中なので違うんですね。
博士
そうじゃ。肝管は葉ごとの胆管で、総肝管も胆嚢管合流前の段階。まだVater乳頭までは到達しておらん。
アユム
胆嚢管は胆嚢の出入口ですね。
博士
そのとおり。食事を感知して胆嚢が収縮すると、胆嚢管を通って総胆管に胆汁が送られる。
アユム
Vater乳頭にはオッディ括約筋がありますよね。
博士
よく知っておる。その筋肉が緩むと胆汁と膵液が同時に十二指腸へ流出するのじゃ。
アユム
副膵管はどこに開口するんでしたか。
博士
副膵管は小十二指腸乳頭に別開口する。ここも頻出ポイントじゃから覚えておこう。
アユム
ERCPや膵頭十二指腸切除で重要な解剖ですね。
博士
そのとおり。臨床で応用される解剖知識として確実に押さえておくのじゃ。
POINT
肝臓で作られた胆汁は、左右の肝管→総肝管→胆嚢管との合流で総胆管となり、膵頭部で主膵管と合流してVater乳頭に開口します。選択肢の総胆管が正解で、他は合流経路の途中段階にあたります。Vater乳頭にはオッディ括約筋があり胆汁・膵液の排出を調節しているほか、副膵管は小十二指腸乳頭に別開口する点も併せて押さえておきましょう。胆道系の解剖は胆石症やERCPなど臨床場面でも重要です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:膵管と合流して大十二指腸乳頭(Vater<ファーター>乳頭)に開口するのはどれか。
解説:正解は 3 です。肝臓で産生された胆汁は、左右の肝管が合流して総肝管となり、胆嚢管と合流して総胆管となります。総胆管は膵頭部で主膵管と合流し、大十二指腸乳頭(Vater乳頭)に開口して胆汁と膵液を十二指腸内腔へ排出します。開口部にはオッディ括約筋があり、排出を調節しています。
選択肢考察
-
× 1. 肝管
肝管は肝臓から出る左右の胆管で、合流して総肝管となります。主膵管との合流や大十二指腸乳頭への開口には直接関与しません。
-
× 2. 総肝管
総肝管は左右の肝管が合流したもので、その後胆嚢管と合流して総胆管となります。Vater乳頭へ開口するのは総胆管の段階です。
-
○ 3. 総胆管
総胆管は膵頭部内で主膵管と合流し、大十二指腸乳頭に開口します。ここから胆汁と膵液が十二指腸へ排出されます。
-
× 4. 胆囊管
胆嚢管は胆嚢と総肝管をつなぐ管で、総胆管へ合流する手前の構造物です。大十二指腸乳頭へは直接開口しません。
大十二指腸乳頭(Vater乳頭)の直下にはオッディ括約筋があり、胆汁・膵液の流入を調節しています。副膵管は小十二指腸乳頭に開口することも合わせて覚えましょう。胆道系の解剖はERCPやEST、胆石症、膵頭十二指腸切除術などの臨床で頻出です。
胆道系の解剖と胆汁・膵液の流出経路を理解しているかを問う必修問題です。
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