飛沫感染・空気感染・接触感染を完全マスター!代表疾患で覚える感染経路
看護師国家試験 第106回 午後 第15問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術
国試問題にチャレンジ
飛沫感染するのはどれか。
- 1.疥癬( scabies )
- 2.コレラ( cholera )
- 3.A型肝炎( hepatitis A )
- 4.インフルエンザ( influenza )
対話形式の解説
博士
今日は感染経路を整理するぞ。飛沫、空気、接触、経口…似ているようで予防策が全く違うから、代表疾患とセットで覚えるのじゃ。
サクラ
飛沫感染と空気感染、違いがよくわからないんです。
博士
良い質問じゃ。飛沫は咳やくしゃみで飛び散る水分を含んだ粒子で、大きさは5μm以上。重いからすぐ床に落ちて、届く範囲は1〜2m程度じゃ。
サクラ
空気感染はどうですか?
博士
飛沫核感染とも呼ばれ、飛沫の水分が蒸発して小さくなった5μm未満の粒子が空気中を長く漂う。数メートル先まで届いてしまうのじゃ。
サクラ
だから予防策が違うんですね。
博士
そうじゃ。飛沫感染はサージカルマスクで十分じゃが、空気感染ではN95マスクと陰圧個室が必要になる。
サクラ
空気感染する病気は何がありますか?
博士
代表は「結核・麻疹・水痘」の3つじゃ。これだけは絶対に覚えておくのじゃ。
サクラ
飛沫感染の代表は?
博士
インフルエンザ、百日咳、マイコプラズマ肺炎、流行性耳下腺炎、風疹、髄膜炎菌感染症などじゃな。
サクラ
選択肢の疥癬は接触感染ですよね。
博士
正解!ヒゼンダニが皮膚に寄生するから、皮膚直接接触や衣類・寝具を介して感染する。
サクラ
コレラとA型肝炎は経口感染ですね。
博士
そう。汚染された水や食品から感染する。A型肝炎は糞口感染とも呼ばれ、衛生状態の悪い地域で集団発生しやすい。
サクラ
インフルエンザは飛沫感染の代表ということですね。
博士
正解!流行期にはマスク・手洗い・うがい・換気が基本じゃ。特に高齢者や免疫低下者では重症化リスクが高いから、予防接種も重要じゃ。
サクラ
マスクはサージカルマスクで大丈夫なんですか?
博士
飛沫感染ならサージカルマスクで十分じゃ。ただし医療者が気管吸引などエアロゾル発生手技を行うときはN95を使うべきじゃな。
サクラ
標準予防策(スタンダードプリコーション)との違いは?
博士
標準予防策は全ての患者に対して血液・体液・分泌物を感染源とみなして行う基本対策。それに加えて経路別予防策として飛沫・空気・接触の3つが使い分けられるのじゃ。
サクラ
感染経路を理解することで、適切な予防策が選べるんですね。
POINT
飛沫感染は咳・くしゃみで飛ぶ5μm以上の飛沫による感染で、インフルエンザ・百日咳・マイコプラズマ・風疹・流行性耳下腺炎が代表例です。対して空気感染は5μm未満の飛沫核による感染で、結核・麻疹・水痘の3疾患が代表で、N95マスクと陰圧個室が必要となります。接触感染の代表は疥癬やMRSA、経口感染はコレラ・A型肝炎・ノロウイルスなどが挙げられます。看護師は感染経路を正しく把握し、標準予防策に加えて経路別予防策(サージカルマスクかN95か等)を適切に選択することが院内感染予防の鍵となります。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:飛沫感染するのはどれか。
解説:正解は 4 です。飛沫感染とは、咳・くしゃみ・会話などで飛び散る直径5μm以上の飛沫に含まれる病原体が、至近距離(概ね1〜2m以内)で他者の粘膜に到達して感染する経路を指す。インフルエンザウイルスは飛沫感染と接触感染を主経路とし、流行期にはサージカルマスクの着用・手指衛生・患者の個室管理などの飛沫予防策が必要となる。
選択肢考察
-
× 1. 疥癬( scabies )
ヒゼンダニが皮膚角層に寄生する疾患で、皮膚直接接触や寝具・衣類を介した接触感染が主経路。飛沫感染は起こらない。
-
× 2. コレラ( cholera )
コレラ菌に汚染された水や食品を摂取する経口感染で発症する。激しい水様下痢と脱水が主症状。飛沫感染ではない。
-
× 3. A型肝炎( hepatitis A )
A型肝炎ウイルスに汚染された水・食品・糞便を介して感染する経口感染(糞口感染)が主経路。集団発生することがある。
-
○ 4. インフルエンザ( influenza )
インフルエンザウイルスは咳・くしゃみ・会話で飛散する飛沫を吸い込むことで感染する飛沫感染が主経路(接触感染もあり)。サージカルマスクが予防の基本。
感染経路は大きく接触感染・飛沫感染・空気感染(飛沫核感染)・経口感染・血液媒介感染に分類される。飛沫感染の代表はインフルエンザ・百日咳・マイコプラズマ肺炎・流行性耳下腺炎・風疹・髄膜炎菌感染症など。一方、空気感染は結核・麻疹・水痘の3疾患が代表で、N95マスクと陰圧個室が必要となる。「飛沫=サージカルマスク、空気=N95」の対比で覚えると現場で迷わない。
感染経路の分類と代表疾患を結びつけられるかを問う頻出問題。
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