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全血の常温放置で何が変わる?

看護師国家試験 第104回 午後 第47問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

104回 午後 第47問

全血の検体を25℃の室内に放置すると低下するのはどれか。

  1. 1.血糖
  2. 2.乳酸
  3. 3.遊離脂肪酸
  4. 4.アンモニア

対話形式の解説

博士 博士

全血を25℃で放置するとどうなる?低下するのはどれかの?

サクラ サクラ

血糖でしょうか。

博士 博士

正解じゃ。血球が解糖系でグルコースを消費するから血糖は下がるんじゃ。

サクラ サクラ

どれくらい下がるのですか。

博士 博士

1時間で5〜7%ほど下がる。だから採血後は早めに測定するか、氷冷するのじゃ。

サクラ サクラ

採血管に灰色のキャップがありますよね。

博士 博士

あれはフッ化ナトリウム入りで解糖阻止剤の役目をしておるのじゃ。

サクラ サクラ

乳酸はどうなりますか。

博士 博士

解糖の産物だから上がる。グルコースが減れば乳酸が増えるという関係じゃな。

サクラ サクラ

遊離脂肪酸も上昇するのですか。

博士 博士

リパーゼがトリグリセリドを分解して上がっていくのじゃ。

サクラ サクラ

アンモニアは?

博士 博士

これも上がる。蛋白分解で発生するから、特に変動が早いんじゃ。

サクラ サクラ

アンモニア検査では氷冷が必要なんですね。

博士 博士

その通り。肝性脳症の評価に使うから精度が大事じゃ。

サクラ サクラ

検体管理は看護師の役割でもあるのですね。

博士 博士

採血して終わりではないぞ。検査値の信頼性は搬送時間や保存条件で左右されるのじゃ。

POINT

全血を常温に放置すると、血球の解糖系活動により血糖は低下し、副産物として乳酸が上昇します。リパーゼによる遊離脂肪酸増加、蛋白分解によるアンモニア上昇など、放置時間に応じた変化が起こります。正確な検査結果を得るには、適切な採血管の選択と早期測定、必要時の氷冷搬送が不可欠です。看護師も検体取り扱いの基本を理解しておく必要があります。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:全血の検体を25℃の室内に放置すると低下するのはどれか。

解説:正解は1の「血糖」です。常温で全血を放置すると、赤血球を中心とした血球が解糖系によりグルコースを消費し続けるため、血糖値は時間とともに低下します。

選択肢考察

  1. 1.  血糖

    血球(特に赤血球と白血球)が解糖によりグルコースを消費するため、常温放置で血糖値は1時間あたり約5〜7%低下します。早期の遠心分離や解糖阻止剤入り採血管の使用が必要です。

  2. × 2.  乳酸

    解糖系でグルコースが分解される過程で乳酸が産生されるため、放置時間が長いほど乳酸値は上昇します。

  3. × 3.  遊離脂肪酸

    血液中のリパーゼがトリグリセリドを分解するため、遊離脂肪酸は時間経過とともに上昇します。

  4. × 4.  アンモニア

    血漿中の蛋白質や赤血球内の物質が分解されアンモニアが産生されるため、常温放置でアンモニア濃度は急速に上昇します。

血糖測定用の採血管にはフッ化ナトリウム(NaF)が解糖阻止剤として添加されており、エノラーゼを阻害して血糖の低下を防ぎます。アンモニアは特に変動が早いため、採血後は氷冷し速やかに測定するのが原則です。検体保存条件と測定値の関係は、検査結果の精度管理上きわめて重要であり、看護師も検体取り扱いの基本を押さえる必要があります。

全血を常温保存した時の血液成分の変化、特に血糖低下の機序(解糖系による消費)を理解しているかを問う問題です。