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MRI室に何を持ち込める?強磁場下の安全ルール

看護師国家試験 第112回 午前 第43問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

112回 午前 第43問

MRI検査室に持ち込んでよいのはどれか。

  1. 1.耳栓
  2. 2.携帯電話
  3. 3.使い捨てカイロ
  4. 4.キャッシュカード

対話形式の解説

博士 博士

今日はMRI検査室への持ち込み物品について学ぶぞ。臨床では看護師が必ずチェックする項目じゃ。

サクラ サクラ

MRIって大きな音のするあの検査ですよね。金属がダメなのは聞いたことがあります。

博士 博士

その通り、MRIは強力な磁場を利用する検査じゃ。1.5テスラや3テスラといった、地磁気の数万倍の強さの磁場が発生しておる。

サクラ サクラ

数万倍ですか!それはヤバいですね…。

博士 博士

磁性体、つまり鉄やニッケル、コバルトなどを含むものは吸引されて凶器になる。小さな物でも弾丸のように飛ぶ事故が実際に起きておる。

サクラ サクラ

怖い…。では携帯電話はどうですか?

博士 博士

携帯電話は当然ダメじゃ。金属部品や電池を含むから故障もするし、電波が画像にノイズを生じる。

サクラ サクラ

使い捨てカイロは?ただの紙の袋に見えますが。

博士 博士

カイロの中身は鉄粉じゃぞ。鉄が酸化するときの熱で温まる仕組みじゃから、まさに強磁性体そのもの。吸引事故や発熱トラブルのリスクがある。

サクラ サクラ

ええっ、知らなかったです!キャッシュカードは?

博士 博士

磁気ストライプやICチップに情報が記録されておる。強磁場にさらされると磁気情報が消えて使えなくなるのじゃ。

サクラ サクラ

じゃあ耳栓が正解ですね。なぜ耳栓を使うんですか?

博士 博士

MRI検査中は傾斜磁場コイルが激しく振動して、100dBを超える大きな打撃音が出る。長時間さらされると聴覚に影響する可能性があるから、耳栓やヘッドホンの装着が推奨されておるのじゃ。

サクラ サクラ

騒音対策なんですね。他に検査前に気をつけることはありますか?

博士 博士

体内の金属デバイスも重要じゃ。心臓ペースメーカー、人工内耳、古い脳動脈瘤クリップ、場合によっては入れ墨や貼付薬(アルミ箔付き)も問題になる。

サクラ サクラ

入れ墨もですか!?

博士 博士

顔料に金属が含まれていると発熱することがあるのじゃ。だからMRI検査前の問診チェックリストは非常に詳細になっておる。

サクラ サクラ

看護師の確認業務は本当に責任重大ですね。

POINT

MRI検査室は強力な磁場環境のため、磁性体・電子機器・磁気記録媒体は持ち込み厳禁です。携帯電話、使い捨てカイロ(鉄粉)、キャッシュカード(磁気情報)はいずれも不可であり、持ち込み可能なのは非磁性体かつ騒音対策に有用な耳栓です。検査前には体内の金属デバイス、ピアス、時計、貼付薬、入れ墨まで詳細に確認する必要があり、特にペースメーカーや古い動脈瘤クリップは重大事故に直結します。看護師は患者の安全を守る最後の砦として、チェックリストに沿った徹底した確認を行うことが求められます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:MRI検査室に持ち込んでよいのはどれか。

解説:正解は1の『耳栓』です。MRI(磁気共鳴画像検査)は極めて強力な磁場を発生させる装置を用いるため、検査室には磁性体(鉄・ニッケル・コバルトなどを含む金属)、磁気記録媒体、電子機器を持ち込むことはできません。耳栓は通常スポンジやシリコン素材でできており非磁性体であるため、検査中の大きな騒音(100dBを超えることもある)から聴覚を保護する目的で持ち込み可能です。

選択肢考察

  1. 1.  耳栓

    耳栓はスポンジやシリコン製で磁性体を含まないため持ち込み可能。MRI装置は検査中に大きな打音を発生するため、難聴予防として耳栓やヘッドホンの装着が推奨される。

  2. × 2.  携帯電話

    携帯電話は金属部品や電池、電子回路を含み磁場で故障する。また電波が画像にアーチファクトを生じさせる可能性もあるため、検査室内への持ち込みは厳禁である。

  3. × 3.  使い捨てカイロ

    使い捨てカイロは鉄粉を主成分とするため強磁性体である。吸着事故や発熱による熱傷の恐れがあり、持ち込んではならない。

  4. × 4.  キャッシュカード

    キャッシュカードやクレジットカード、交通系ICカードは磁気ストライプやICチップを有するため、強磁場にさらされると記録が消失・破損する。持ち込み不可である。

MRI検査前には金属類・電子機器・磁気カード・入れ墨(顔料に金属含有)・貼付薬(アルミ蒸着製剤)などの有無を詳しく問診する。心臓ペースメーカーや人工内耳、古い脳動脈瘤クリップなどの体内金属デバイスは重大な合併症につながるため必ず確認する。ボディピアス、ヘアピン、時計、鍵、補聴器なども全て外す必要がある。また造影剤のガドリニウムを使用する場合は腎機能(eGFR)の確認も重要である。

MRI室への持ち込み可否の判断は『磁性体かどうか』が基本。耳栓は非磁性体かつ騒音対策として積極的に推奨される点がポイント。