がん告知後の防衛機制を見極めよう
看護師国家試験 第103回 午後 第39問 / 基礎看護学 / 看護の基本となる概念
国試問題にチャレンジ
がんの告知を受けた患者の態度と防衛機制の組合せで正しいのはどれか。
- 1.がんのことは考えないようにする ――――――――――― 投射
- 2.がんになったのは家族のせいだと言う ――――――――― 抑圧
- 3.親ががんで亡くなったので自分も同じだと話す ――――― 代償
- 4.通院日に来院せず、家でゲームをしていたと話す ―――― 逃避
対話形式の解説
博士
今日は防衛機制についての問題じゃ。防衛機制とは何か説明できるかな?
サクラ
えーと、心を守るための無意識の働きですよね?
博士
その通りじゃ。受け入れがたい状況や不安に対して、自我を守るために無意識に働く心理的メカニズムじゃ。
サクラ
選択肢を見ると色々な防衛機制が出てきますね。
博士
では1から見ていこう。『がんのことは考えないようにする』は何の防衛機制かな?
サクラ
考えないようにする…投射ですか?
博士
いいえ、これは『否認』じゃ。投射は自分の受け入れがたい感情を他人のものとして転嫁することじゃ。
サクラ
2の『がんになったのは家族のせい』は?
博士
他人のせいにするのは『合理化』や『投射』に近い。抑圧は不快な感情を無意識に押し込めることなので、これも誤りじゃ。
サクラ
3の『親ががんで亡くなったので自分も同じ』は同一化ですか?
博士
正解じゃ。他者と自分を重ね合わせるのは『同一化(同一視)』じゃ。代償は満たされない欲求を別の対象で満たすことなので異なる。
サクラ
4は『逃避』で正しそうですね。
博士
その通りじゃ。通院という現実に向き合うことを避け、ゲームという別の行動に逃げ込む典型的な『逃避』じゃ。だから正解は4じゃ。
サクラ
他にどんな防衛機制がありますか?
博士
昇華(社会的に望ましい形への転換)、反動形成(正反対の態度)、退行(幼い行動に戻る)などもある。
サクラ
看護で防衛機制を理解する意義は何ですか?
博士
患者の心理状態を理解し、無理に直面化させず受容的に関わることが大切じゃ。防衛機制は心を守る大切な機能じゃからな。
サクラ
患者の心理過程を尊重することが看護の基本ですね!
POINT
防衛機制は受け入れがたい状況や不安から自我を守るために働く無意識の心理メカニズムです。逃避は困難な現実に向き合うことを避け別の行動に逃げ込むことで、通院せずゲームをする行動が典型例です。否認・抑圧・投射・合理化・同一化・代償・逃避など各防衛機制の特徴を理解し、看護では患者の心理を尊重し受容的に関わることが重要です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:がんの告知を受けた患者の態度と防衛機制の組合せで正しいのはどれか。
解説:正解は 4 です。防衛機制とは、受け入れがたい状況や不安に対して自我を守るために無意識に働く心理的メカニズムです。逃避は困難な状況に直面することを避け、別の行動や空想・病気などに逃げ込むことをいいます。通院日に来院せず家でゲームをする行動は、がんという現実に向き合うことから逃げているため『逃避』に該当します。
選択肢考察
-
× 1. がんのことは考えないようにする ――――――――――― 投射
考えないようにするのは『否認』です。投射は自分の受け入れがたい感情や欲求を他人のものとして転嫁することです。
-
× 2. がんになったのは家族のせいだと言う ――――――――― 抑圧
他人のせいにするのは『合理化』または『投射』です。抑圧は不快な感情や記憶を無意識に押し込めることです。
-
× 3. 親ががんで亡くなったので自分も同じだと話す ――――― 代償
他者と自分を重ね合わせるのは『同一化(同一視)』です。代償は満たされない欲求を別の対象で満たすことです。
-
○ 4. 通院日に来院せず、家でゲームをしていたと話す ―――― 逃避
通院という現実に向き合うことを避け、ゲームという別の行動に逃げ込む典型的な『逃避』です。
主な防衛機制には、否認(事実を認めない)、抑圧(無意識に押し込める)、投射(他人に転嫁)、合理化(理由付けで正当化)、同一化(他者と自己を重ねる)、代償(別の対象で満たす)、逃避(現実から逃げる)、昇華(社会的に望ましい形に転換)、反動形成(正反対の態度をとる)、退行(幼い行動に戻る)などがあります。看護では患者の防衛機制を理解し、無理に直面化させず受容的に関わることが重要です。
防衛機制の種類と具体例の組合せを問う問題です。各防衛機制の定義と典型的な行動を理解しているかがポイントです。
「看護の基本となる概念」の関連記事
-
フィンクの危機モデル4段階を一気に整理 ―最終段階「適応」までの心の旅路
フィンクの危機モデルが「衝撃→防御的退行→承認→適応」の4段階で構成され、最終段階が「適応」であることを覚えてい…
114回
-
ダイバーシティとは何か―個別性のある看護に欠かせない視点
看護におけるカタカナ用語の定義理解を問う問題。多様性を尊重するダイバーシティが個別性理解の基盤概念であること…
114回
-
腹式呼吸でなぜリラックスできる?副交感神経を味方につける
リラクセーションを目的とした腹式呼吸の正しい実施方法を問う問題。深くゆっくり、呼気を長く、呼吸への意識集中が…
114回
-
ICFの生活機能3要素をマスターしよう
ICFの生活機能が『心身機能・身体構造/活動/参加』の3要素で構成されることを知っているかを問う基本問題です。
113回
-
病棟への電話対応とプライバシー保護
電話応対における患者の個人情報保護と、看護師の守秘義務の原則を理解しているかを問う問題です。
113回