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ブローカ失語の患者さんに寄り添う話し方

看護師国家試験 第113回 午後 第33問 / 基礎看護学 / 看護における基本技術

国試問題にチャレンジ

113回 午後 第33問

Broca<ブローカ>失語のある患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。

  1. 1.閉じた質問<closed qestion>を活用する。
  2. 2.大きな声で質問する。
  3. 3.単語で話しかける。
  4. 4.文字盤を用いる。

対話形式の解説

博士 博士

今回はブローカ失語の患者さんとの関わり方じゃ。

サクラ サクラ

ブローカ失語って、話すのが難しい方ですよね。

博士 博士

その通りじゃ。前頭葉下部のブローカ野が障害されて、発話が非流暢になる運動性失語じゃ。

サクラ サクラ

理解はできるんですか。

博士 博士

比較的保たれておる。だからこそ、患者さんは『言いたいことは分かっているのに言葉にならない』もどかしさを抱えやすいのじゃ。

サクラ サクラ

どうやって話しかけるといいんですか。

博士 博士

はい/いいえで答えられる閉じた質問がよいのじゃ。発語の負担が減るからのう。

サクラ サクラ

大きな声で話すのはどうですか。

博士 博士

失語症は聴力の問題ではないぞ。大声は威圧感を与えるだけで逆効果じゃ。

サクラ サクラ

単語で話しかけるのは。

博士 博士

ブローカ失語は理解が保たれておるから、短くても文のほうが自然に伝わる。細切れは誤解を招くこともある。

サクラ サクラ

文字盤は使わないんですか。

博士 博士

文字盤は気管切開後の構音障害に有効じゃが、失語症では書字も障害されることが多いので第一選択ではないのう。

サクラ サクラ

ウェルニッケ失語との違いも気になります。

博士 博士

ウェルニッケは流暢じゃが意味が通じず、理解も悪い。話し方の工夫は単語や短文、ジェスチャーが有効じゃ。

サクラ サクラ

ブローカとは真逆ですね。

博士 博士

そうじゃ。失語症のタイプを見極めてから関わるのが看護の基本じゃ。

サクラ サクラ

時間をかけてゆっくり関わる姿勢が大切なんですね。

博士 博士

うむ、焦らせず待つことが何より大事じゃぞ。

POINT

ブローカ失語は発話が非流暢で理解は保たれる運動性失語で、閉じた質問の活用が基本です。大声で話す・単語だけで話しかけるのは不適切で、文字盤は構音障害向けです。タイプに応じてジェスチャーや絵カードを併用し、落ち着いた環境でゆっくり待つ姿勢が看護のポイントです。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:Broca<ブローカ>失語のある患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。

解説:正解は 1 の「閉じた質問を活用する」です。ブローカ失語は左前頭葉下部のブローカ野の障害による運動性失語で、言語理解は比較的保たれている一方、発話が非流暢で努力性、喚語困難(言葉が出ない)や失文法が目立ちます。患者が言葉を発する負担を軽減するため、『はい/いいえ』で答えられるクローズドクエスチョンを用いると意思疎通がスムーズになります。

選択肢考察

  1. 1.  閉じた質問<closed qestion>を活用する。

    ブローカ失語では発話が困難な一方で聴覚的理解は保たれているため、『はい/いいえ』や簡単な選択で答えられる閉じた質問にすると、患者は少ない発語で意思を伝えられ疲労も軽減できます。

  2. × 2.  大きな声で質問する。

    失語症は聴力障害ではなく言語中枢の障害です。大声で話しかけても理解が改善するわけではなく、むしろ威圧感を与えて不安を高めるため不適切です。

  3. × 3.  単語で話しかける。

    ブローカ失語は理解が比較的保たれており、短くても文として話しかけるほうが自然に伝わります。断片的な単語のみの話しかけはむしろ意味理解を妨げることがあります。

  4. × 4.  文字盤を用いる。

    ブローカ失語では書字も障害されることが多く、文字盤は気管切開後などの構音障害には有効ですが、失語症には第一選択にはなりません。ジェスチャーや絵カードなど非言語的手段の方が活用しやすい場合があります。

失語症の代表的タイプを整理:(1)ブローカ失語(運動性失語):発話は非流暢、理解は比較的良好、復唱障害あり、書字も障害されやすい、(2)ウェルニッケ失語(感覚性失語):発話は流暢だが意味が通じない、錯語や新造語が多く、理解が著しく低下、(3)伝導失語:発話流暢で理解良好だが復唱が特に障害、(4)全失語:発話・理解ともに重度障害。看護では本人の残存機能を見極めて、絵カード、写真、ジェスチャー、イエス/ノー応答を組み合わせ、落ち着いた環境で時間をかけて関わることが大切です。

ブローカ失語の特徴(発話困難・理解保持)を踏まえ、患者の負担を減らすコミュニケーション技法として閉じた質問が適切であることを問うています。