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グルタラールはなぜ人体に使えないのか―消毒薬の使い分け

看護師国家試験 第114回 午前 第36問 / 基礎看護学 / 看護における基本技術

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第36問

人体には使用しない消毒薬はどれか。

  1. 1.グルタラール
  2. 2.ポビドンヨード
  3. 3.塩化ベンザルコニウム
  4. 4.クロルヘキシジングルコン酸塩

対話形式の解説

博士 博士

今日は消毒薬の整理じゃ。看護師にとって感染対策は基本中の基本、消毒薬の特徴を押さえておく必要があるぞ。

アユム アユム

選択肢にグルタラール、ポビドンヨード、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジングルコン酸塩…どれも病棟で見たことがある気がします。

博士 博士

では一つずつ。グルタラールはどんな消毒薬かの?

アユム アユム

商品名はステリハイドでしたよね。たしか内視鏡の消毒に使うと…。

博士 博士

その通りじゃ。グルタラールは高水準消毒薬で、芽胞・結核菌・ウイルスまで殺せる強力な薬剤じゃ。だが皮膚や粘膜、呼吸器への刺激が強くて人体には使えん。これが正解じゃよ。

アユム アユム

残りの3つは人体に使うんですね。

博士 博士

ポビドンヨードはイソジンの名で有名じゃ。手術部位、創傷、含嗽薬まで幅広く使える中水準消毒薬じゃよ。

アユム アユム

ヨードアレルギーの人には注意ですよね。

博士 博士

その通り、甲状腺機能異常がある患者にも要注意じゃ。塩化ベンザルコニウムは知っておるかの?

アユム アユム

オスバンですよね。逆性石けんとも呼ばれて、皮膚や粘膜の消毒に使えると習いました。

博士 博士

うむ、低水準消毒薬で結核菌や多くのウイルスには効かんが、皮膚・手指消毒には便利じゃ。クロルヘキシジングルコン酸塩はヒビテンじゃな。

アユム アユム

これは粘膜には禁忌でしたよね。

博士 博士

その通り。粘膜に使うとアナフィラキシーショックを起こす危険があるから絶対禁忌じゃ。手術野や手指消毒には広く使われとる。

アユム アユム

商品名と一般名がバラバラで覚えにくいです。

博士 博士

イソジン=ポビドンヨード、ヒビテン=クロルヘキシジン、オスバン=塩化ベンザルコニウム、ステリハイド=グルタラール、と一対で覚えるのがコツじゃ。

アユム アユム

作用レベルで分類するのも大事ですね。

博士 博士

高水準(芽胞まで殺せる)、中水準(結核菌・ウイルスまで)、低水準(一般細菌・真菌のみ)の3段階で覚えるんじゃ。器具にしか使えないものと人体に使えるものをきちんと区別すること。

アユム アユム

グルタラールを取り扱うときは換気と防護具が必要なんですよね。

博士 博士

その通り。職員の健康を守る視点も看護師の役割じゃよ。

POINT

消毒薬は作用レベルにより高水準・中水準・低水準に分類され、高水準消毒薬であるグルタラール(商品名ステリハイドなど)は芽胞を含むほぼすべての微生物に有効ですが、皮膚・粘膜への強い刺激性のため人体には使用できず、内視鏡など非耐熱性医療器具の消毒に用います。一方ポビドンヨード(イソジン)は中水準消毒薬で創傷・含嗽に、塩化ベンザルコニウム(オスバン)は低水準消毒薬で皮膚・粘膜に、クロルヘキシジングルコン酸塩(ヒビテン)は皮膚・手指消毒に使用しますが粘膜には禁忌です。商品名と一般名、作用レベル、使用対象をセットで整理しておくことが実務でも国家試験でも有用です。さらにグルタラールの取り扱いでは換気と防護具着用により職員の暴露を防ぐ視点も重要で、感染対策と労働安全衛生の両面から消毒薬を理解することが求められます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:人体には使用しない消毒薬はどれか。

解説:正解は 1 のグルタラールである。グルタラール(グルタルアルデヒド)は芽胞・結核菌・ウイルスを含むほぼすべての微生物に有効な高水準消毒薬で、内視鏡・気管支鏡・透析装置などの非耐熱性医療器具の消毒に用いられる。一方で皮膚・粘膜・呼吸器に対する刺激性が強く、人体への使用は禁忌である。取り扱いの際は換気・防護具(手袋・マスク・ゴーグル)の着用が必須となる。

選択肢考察

  1. 1.  グルタラール

    高水準消毒薬で芽胞にも有効。商品名はステリハイドなど。皮膚・粘膜への強い刺激性のため人体には使用せず、内視鏡など医療器具の消毒に用いる。

  2. × 2.  ポビドンヨード

    中水準消毒薬で商品名はイソジンなど。手術部位や創傷の消毒、含嗽薬として人体に広く用いられる。ヨードアレルギーがある患者には禁忌。

  3. × 3.  塩化ベンザルコニウム

    低水準消毒薬で逆性石けんとも呼ばれる。商品名はオスバン、ザルコニンなど。皮膚・粘膜・創傷の消毒に使用できるが、結核菌や多くのウイルスには無効。

  4. × 4.  クロルヘキシジングルコン酸塩

    低〜中水準消毒薬で商品名はヒビテンなど。手指・皮膚・術野の消毒に用いる。粘膜への使用はショックの危険があるため禁忌である。

消毒薬は作用レベルにより高水準・中水準・低水準に分類される。高水準消毒薬(グルタラール、フタラール、過酢酸)は芽胞まで殺滅可能だが人体には使えず、医療器具用である。中水準(次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨード、消毒用エタノールなど)は結核菌・ウイルスに有効で人体や環境に使用できる。低水準(クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウムなど)は一般細菌・真菌に有効で、皮膚・手指消毒に用いる。商品名と一般名が一致しないことが多いため、ステリハイド=グルタラール、イソジン=ポビドンヨード、ヒビテン=クロルヘキシジン、オスバン=塩化ベンザルコニウムのようにセットで覚えると実務で役立つ。

消毒薬の使用対象(人体か器具か)と作用レベルを問う基本問題。グルタラールは高水準消毒薬で人体禁忌である点を押さえる。