指鼻試験は何を見ているのか
看護師国家試験 第113回 午後 第34問 / 基礎看護学 / 看護における基本技術
国試問題にチャレンジ
指鼻試験で評価するのはどれか。
- 1.視野
- 2.小脳機能
- 3.表在反射
- 4.複合知覚
対話形式の解説
博士
今日は神経診察の基本、指鼻試験じゃ。
アユム
指で自分の鼻と検者の指を交互に触る検査ですね。
博士
そうじゃ。これは上肢の協調運動を見るテストで、小脳機能の評価になる。
アユム
小脳が障害されるとどうなるんですか。
博士
距離感がずれる測定障害や、目標に近づくと手が震える企図振戦、動作が分解されてぎこちなくなる現象が出るんじゃ。
アユム
下肢の協調運動も調べる方法があるんですか。
博士
膝踵試験じゃな。かかとを反対の膝に当てて脛をすべらせるテストじゃ。
アユム
他にも小脳のテストがあれば教えてください。
博士
回内回外を繰り返す反復拮抗運動(ジアドコキネーシス)、Romberg試験、継ぎ足歩行などじゃ。
アユム
Romberg試験は脊髄性失調を見るんでしたっけ。
博士
よく覚えておるのう。閉眼で大きくふらつけば脊髄後索系の障害を疑う。小脳性は開眼でもふらつく。
アユム
視野や表在反射は別の検査ですよね。
博士
視野は対座法や視野計、表在反射は腹壁反射やバビンスキー反射などで見るのじゃ。複合知覚は二点識別覚や立体認知じゃな。
アユム
小脳障害の看護はどうすればいいんですか。
博士
転倒予防が最優先じゃ。環境整備、歩行介助、段差の除去が基本じゃぞ。
アユム
食事や更衣の介助も工夫が要りそうですね。
博士
うむ、動作を細分化して支援する発想が大事じゃ。
POINT
指鼻試験は上肢の協調運動を評価し、小脳性運動失調の有無を判定します。視野は視野検査、表在反射は腹壁反射等、複合知覚は二点識別覚等で評価します。小脳障害では転倒リスクが高まるため、環境整備と歩行介助、動作細分化による支援が看護の中心です。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:指鼻試験で評価するのはどれか。
解説:正解は 2 の「小脳機能」です。指鼻試験(finger-to-nose test)は、患者に自分の指先と検者の指先を交互に触れさせるなどして、上肢の協調運動(coordination)を評価する神経学的診察法です。小脳が障害されると、距離感のずれ(測定障害:dysmetria)や動作の分解、企図振戦などが観察され、運動失調の有無の判定に用いられます。
選択肢考察
-
× 1. 視野
視野は対座法やGoldmann視野計、Humphrey自動視野計、アムスラーチャートで評価します。指鼻試験では視野障害の検出はできません。
-
○ 2. 小脳機能
指鼻試験は小脳性運動失調の有無を判定する代表的な協調運動テストです。測定障害、企図振戦、運動の分解などが観察されれば小脳障害を疑います。膝踵試験や回内回外試験と組合せて評価します。
-
× 3. 表在反射
表在反射は皮膚をこすって誘発する腹壁反射や足底反射(バビンスキー反射)などで、皮膚刺激に対する筋収縮を確認します。指鼻試験では評価できません。
-
× 4. 複合知覚
複合知覚は二点識別覚、立体認知(ステレオグノーシス)、皮膚書字覚など大脳皮質で統合される感覚で、閉眼下の触覚刺激で評価します。指鼻試験では評価できません。
小脳機能評価の代表的テストは、(1)指鼻試験(上肢の協調運動)、(2)膝踵試験(下肢の協調運動)、(3)回内回外試験・指タップ試験(反復拮抗運動=diadochokinesis)、(4)Romberg試験(閉眼時悪化は脊髄性失調、小脳性失調では開閉眼差が少ない)、(5)継ぎ足歩行。小脳障害では運動失調、構音障害(断綴性言語)、眼振、筋緊張低下などが出現します。看護では転倒予防と安全な移動介助、ADL動作の細分化支援が重要です。
神経学的診察の基本手技である指鼻試験が何を評価するのかを問う問題で、小脳機能(協調運動)と確実に結び付けられるかが鍵です。
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