StudyNurse

三角巾の正しい当て方―底辺と頂点の位置がカギ

看護師国家試験 第114回 午前 第39問 / 基礎看護学 / 看護における基本技術

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第39問

左肘を固定するために三角巾を置く位置を図に示す。 適切なのはどれか。

  1. 1. 選択肢1
  2. 2. 選択肢2
  3. 3. 選択肢3
  4. 4. 選択肢4

対話形式の解説

博士 博士

今日は三角巾の話じゃ。応急処置や脱臼・骨折時に使う基本的な看護技術じゃよ。

サクラ サクラ

三角形の布で腕を吊るやつですよね。実習で習いましたが、置く向きで悩みました。

博士 博士

悩むのも当然じゃ。三角巾には底辺(長辺)と頂点(直角の角)がある。これをどう配置するかが大事じゃよ。

サクラ サクラ

どう置くのが正解ですか?

博士 博士

基本は底辺が体幹側に縦になるよう垂らし、頂点を患側肘の外側に向ける。前腕を三角巾の中央に乗せて、両端を首の後ろで結ぶんじゃ。

サクラ サクラ

図1がそのような配置になっていますね。

博士 博士

その通り。底辺が患者の体幹に沿うように縦に置かれ、頂点が肘の外側にくる、これが基本じゃ。

サクラ サクラ

残りの選択肢はどこが違うんですか?

博士 博士

2、3、4はそれぞれ底辺と頂点の位置関係が逆だったり、向きが斜めだったりして、前腕全体を支持できない配置になっておる。

サクラ サクラ

三角巾を使うときの注意点は何ですか?

博士 博士

まず肘関節は約90度屈曲位、前腕は水平かやや挙上気味にする。腕が下がりすぎると静脈還流が悪くなり浮腫が出るからな。

サクラ サクラ

頸部の結び目はどうしますか?

博士 博士

頸椎の真上に結ぶと圧迫で痛みが出るから、一方の肩寄りに結ぶのがコツじゃ。長時間使う場合はガーゼやタオルを挟んで皮膚を保護することもある。

サクラ サクラ

手指は出すと習いました。

博士 博士

そう、手指は必ず露出させる。色調・冷感・しびれ・腫脹を観察するためじゃ。爪床の色や毛細血管再充満時間(CRT)で循環をチェックする。

サクラ サクラ

片麻痺患者の三角巾固定は、なぜ必要なんですか?

博士 博士

脳卒中後の麻痺側上肢は筋緊張が低下しておる。腕の重みで肩関節が亜脱臼を起こしやすいから、三角巾で支えて予防するんじゃ。

サクラ サクラ

看護師として、固定後の観察も大事ですね。

博士 博士

その通り、ずれや結び目のゆるみ、患部の循環、皮膚障害など継続的にチェックすることじゃ。

サクラ サクラ

ただ吊るすだけでなく、観察と調整まで含めて看護なんですね。

POINT

三角巾による上肢固定は応急処置・骨折や脱臼の安静保持・片麻痺患者の肩関節亜脱臼予防など幅広い場面で用いられる基本看護技術です。基本配置は底辺(長辺)が体幹側に縦になるよう垂らし、頂点を患側肘の外側に向け、前腕を中央に乗せて両端を頸部で結びます。実施時のポイントは肘関節を約90度屈曲、前腕を水平かやや挙上気味に保つこと、頸部の結び目は一方の肩寄りにずらすか保護材を挟むこと、手指を露出させて循環状態を観察できるようにすることです。固定中は患部の色調・冷感・しびれ・腫脹・痛み、結び目のずれや皮膚障害の有無を継続的に観察し、必要に応じて調整します。三角巾は道具がシンプルだからこそ正しい配置と観察が看護の質を左右する技術であり、解剖学的な姿勢理解と循環評価をセットで身につけることが重要です。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:左肘を固定するために三角巾を置く位置を図に示す。 適切なのはどれか。

解説:正解は 1 である。三角巾で前腕を吊って肘関節を固定する場合、三角巾は底辺(長辺)が体幹側に縦になるよう配置し、頂点が肘関節側にくるように置く。具体的には、健側の肩から斜めに底辺を垂らし、患側肘の下に頂点が来るように広げる。前腕を中央に乗せ、両端を首の後ろで結び、頂点側は肘の位置で結んで前腕全体を包み込む。手指は循環観察のため露出させておく。

選択肢考察

  1. 1.  
    選択肢1

    三角巾の底辺が体幹側に縦に配置され、頂点が患側肘の外側に向くように置かれている。この位置から前腕を中央に乗せて両端を頸部で結べば、肘関節を中立位で安全に固定できる。

  2. × 2.  
    選択肢2

    三角巾の向きが不適切で、前腕全体を支持できない配置になっている。このまま結ぶと肘や手首が垂れ下がり、固定として機能しない。

  3. × 3.  
    選択肢3

    三角巾の頂点と底辺の位置関係が誤っており、肘関節をしっかり包み込めず患部の安静を保てない。

  4. × 4.  
    選択肢4

    配置の方向が逆で、三角巾本来の形状を活かせない置き方となっている。患肢の重みを支えきれず、結紮位置も不自然になる。

三角巾固定法は応急処置や脱臼・骨折・術後の安静保持、片麻痺患者の患側上肢保護などに用いられる。実施時のポイントは、肘関節を約90度屈曲位に保ち、前腕がやや挙上気味に水平となる位置で吊ること、頸部の結び目は痛みやしびれ防止のため一方に寄せること、手指を露出させて循環状態(色・温度・しびれ・腫脹)を継続観察することなどである。長時間の固定では結び目によるしびれ・皮膚障害、肩こり、循環障害などが生じやすいため、定期的にずれや圧迫の有無をチェックし、結び目の位置を変えるなどの工夫が必要である。

三角巾による上肢固定の基本配置を問う技術問題。底辺を体幹側に縦に置き、頂点を患側肘に向ける配置が正解となる。