心音聴診の4つの弁領域をマスターしよう
看護師国家試験 第113回 午前 第34問 / 基礎看護学 / 看護における基本技術
国試問題にチャレンジ
成人の心音の聴取部位を図に示す。 心音の聴診における、僧帽弁領域はどれか。ただし、聴取部位は●で示す。
- 1.①
- 2.②
- 3.③
- 4.④
対話形式の解説
博士
博士じゃ。今日は心音の聴診部位について解説するぞ。
アユム
はい、よろしくお願いします!弁が4つあるので、聴く場所も4か所あるんですよね。
博士
その通りじゃ。まずは「A・P・E・T・M」の順で覚えるとよい。
アユム
Aは大動脈弁ですね。右の胸骨縁、第2肋間でしたっけ?
博士
うむ、右第2肋間胸骨縁がAじゃ。次にPは肺動脈弁で、左第2肋間胸骨縁になる。
アユム
PとAは胸骨を挟んで対称の位置なんですね。覚えやすいです。
博士
そしてErb領域は左第3肋間、三尖弁Tは左第4肋間胸骨左縁じゃ。
アユム
最後の僧帽弁Mはどこで聴くのでしょうか?
博士
これが今回の答えじゃ。左第5肋間で鎖骨中線と交わる部分、いわゆる心尖部で聴くのじゃ。
アユム
心尖部ですね。患者さんを左側臥位にすると聴きやすいと習いました。
博士
よく勉強しておるな。左側臥位で心臓が胸壁に近づくため、僧帽弁狭窄症の拡張期ランブル音などが拾いやすくなる。
アユム
なるほど、体位もケアの一部なんですね。今回の図では③が心尖部に一致します。
POINT
心音聴診は大動脈弁・肺動脈弁・三尖弁・僧帽弁の4領域を理解することが基本です。僧帽弁領域は心尖部、左第5肋間鎖骨中線付近に位置します。I音や僧帽弁逆流の雑音を捉えやすく、左側臥位で聴診すると感度が高まります。各領域の解剖学的位置を図とともに覚えることで、臨床での確実なアセスメントにつながります。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:成人の心音の聴取部位を図に示す。 心音の聴診における、僧帽弁領域はどれか。ただし、聴取部位は●で示す。
解説:正解は 3 です。僧帽弁領域は心尖部、すなわち左第5肋間で鎖骨中線と交わる付近に位置します。選択肢③が示す部位は心尖部であり、僧帽弁の開閉に伴う音(I音の主要成分や僧帽弁狭窄・閉鎖不全に伴う雑音)を最も明瞭に聴取できる場所です。
選択肢考察
-
× 1. ①
①は胸骨右縁第2肋間に相当し、大動脈弁領域です。大動脈弁狭窄症の駆出性雑音やII音の大動脈成分が聴取しやすい部位で、僧帽弁領域ではありません。
-
× 2. ②
②は胸骨左縁第2肋間であり、肺動脈弁領域です。肺動脈弁の閉鎖音や肺高血圧に伴うII音亢進を捉えるポイントで、僧帽弁領域とは異なります。
-
○ 3. ③
③は心尖部(左第5肋間・鎖骨中線付近)に位置し、僧帽弁領域に該当します。I音や僧帽弁逆流のホロシストリック雑音を捉えやすい部位であり、本問の正解です。
-
× 4. ④
④は胸骨下端付近の部位を示していますが、僧帽弁を聴取する領域ではありません。なお三尖弁領域は胸骨左縁第4肋間付近に設定されます。
心音の聴取4部位は覚え方として「A・P・E・T・M(アー・ペー・エルブ・ティ・エム)」が有名です。右第2肋間=A(大動脈弁)、左第2肋間=P(肺動脈弁)、左第3肋間=E(Erb領域)、左第4肋間胸骨左縁=T(三尖弁)、左第5肋間鎖骨中線=M(僧帽弁)。臨床では患者を左側臥位にすると心尖部が胸壁に近づき、僧帽弁由来の雑音をより明瞭に聴取できます。
心音聴取における4つの弁領域、特に僧帽弁が心尖部(左第5肋間鎖骨中線)に位置することを図上で正確に同定できるかを問う問題です。
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