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意識のない傷病者を救う「回復体位」のかたち

看護師国家試験 第114回 午前 第41問 / 基礎看護学 / 看護における基本技術

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第41問

一次救命処置<BLS>で回復体位はどれか。

  1. 1. 選択肢1
  2. 2. 選択肢2
  3. 3. 選択肢3
  4. 4. 選択肢4

対話形式の解説

博士 博士

今回はBLSの基本である回復体位を学ぶぞ。倒れている人を見つけたとき、何より大切なのは何だと思う?

サクラ サクラ

えっと、まず意識と呼吸を確認することですよね?

博士 博士

その通りじゃ。反応がないけれど、普段通りの呼吸はある場合、心臓は動いておるから胸骨圧迫はいらん。じゃが、放置すると舌が落ち込んで気道がふさがったり、吐いたものが喉に詰まったりする危険があるのじゃ。

サクラ サクラ

だから横向きにするんですね。仰向けのままだとなぜダメなんですか?

博士 博士

仰臥位だと、意識がないと舌の筋肉が緩んで咽頭を塞ぐ「舌根沈下」が起こりやすい。さらに嘔吐したとき重力で気道に流れ込み、誤嚥性肺炎や窒息の原因になる。

サクラ サクラ

側臥位なら吐いたものが口の外へ流れるんですね。

博士 博士

その通り。回復体位では、下側の腕を前方に伸ばし、上側の腕を曲げて頬の下に当てて頭を支えるのがコツじゃ。上側の膝を直角に曲げて床につけることで、骨盤が前に倒れて姿勢が安定する。

サクラ サクラ

図で見ると、ちょうど上の足を前に出してくの字になっている人が回復体位ですね。

博士 博士

正解じゃ。仰臥位はCPRの体位、足を高く上げるのはショック体位、上半身を起こすのはファウラー位。それぞれ目的が違うから区別しよう。

サクラ サクラ

ショック体位はなぜ足を上げるんですか?

博士 博士

下肢の血液を心臓に戻し、脳への血流を維持するためじゃ。出血や血圧低下の対応で使う。ファウラー位は逆に、上半身を起こして横隔膜を下げ、呼吸を楽にする目的じゃな。

サクラ サクラ

目的と体位がセットで覚えられそうです。回復体位を取らせた後、注意することはありますか?

博士 博士

呼吸が止まらないか観察し続けること。30分以上同じ向きだと下側の腕がしびれるから、左右を入れ替える。妊婦は下大静脈の圧迫を避けるため必ず左側を下にする、というのも国試で問われやすいポイントじゃ。

サクラ サクラ

脊損が疑われる場合はどうするんですか?

博士 博士

体軸を一直線に保ったまま複数人で回す「ログロール」を用いる。頸椎を動かさないことが最優先じゃからな。

POINT

回復体位は、反応はないが正常な呼吸を認める傷病者に対し、気道確保と誤嚥防止を目的にとらせる側臥位姿勢です。下側の腕を前に伸ばし、上側の腕を曲げて頬の下に当て、上側の膝を直角に曲げて床につけることで、舌根沈下と嘔吐物による窒息のリスクを最小化できます。仰臥位はCPR、ショック体位は循環維持、ファウラー位は呼吸補助とそれぞれ目的が異なるため、体位の名称と適応をセットで整理しておくことが重要です。妊婦では左側臥位、脊損疑い例ではログロールといった応用も国家試験で問われやすく、看護師としてとっさに正しい体位を選択できる力が求められます。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:一次救命処置<BLS>で回復体位はどれか。

解説:正解は 2 です。回復体位(recovery position)とは、呼吸はあるが意識のない傷病者に対し、舌根沈下による気道閉塞や、嘔吐物による誤嚥・窒息を防ぐ目的でとらせる側臥位姿勢を指します。具体的には体を横向き(左側を下にした側臥位が一般的)にし、下顎を軽く前方に出して気道を確保し、上側の腕を曲げて頬の下に当てて頭部を支え、上側の膝を屈曲させて骨盤を前方に倒すことで体位を安定させます。BLSアルゴリズム上、心停止ではなく自発呼吸が確認できた意識障害者に対し、救急隊到着まで安全を維持する目的で用いられます。

選択肢考察

  1. × 1.  
    選択肢1

    仰臥位の図と考えられる。仰臥位は胸骨圧迫や人工呼吸を行うための基本姿勢であり、心肺蘇生時に選択される体位で、回復体位ではない。

  2. 2.  
    選択肢2

    側臥位で頭部を安定させ、上側の膝を屈曲させた姿勢は回復体位を表す図と考えられる。気道確保と嘔吐物の誤嚥防止を同時に達成できる。

  3. × 3.  
    選択肢3

    両下肢を15〜30cm程度挙上した姿勢はショック体位(仰臥位下肢挙上位)である。出血性ショックや血圧低下時に静脈還流を増やし脳血流を保つ目的で用いられ、回復体位ではない。

  4. × 4.  
    選択肢4

    上半身を約45度起こした姿勢はファウラー位である。呼吸困難時の換気改善や心不全患者の呼吸補助などに用いる体位で、意識のない傷病者の気道確保には不適切である。

JRC蘇生ガイドラインでは、反応はないが正常な呼吸を認める傷病者に対しては、観察を継続しながら必要に応じ回復体位をとる。長時間同一側を下にすると下側の上肢の血行障害をきたすため、約30分ごとに左右を入れ替えることが推奨される。妊婦の場合は子宮による下大静脈圧迫を避けるために左側を下にする「左側臥位」が原則。脊椎損傷が疑われる場合は体軸をまっすぐ保ったまま回旋させる「ログロール」を用いる点も押さえておきたい。

意識はないが呼吸が保たれている傷病者に対する気道確保と誤嚥防止の体位(回復体位)の形を、図から正しく識別できるかを問う問題。