看護過程の評価段階
看護師国家試験 第111回 午後 第36問 / 基礎看護学 / 看護の展開
国試問題にチャレンジ
看護過程において評価する項目はどれか。
- 1.看護技術の習得度
- 2.看護教育の活用度
- 3.看護記録の完成度
- 4.看護目標の達成度
対話形式の解説
博士
看護過程の5段階のうち、最終段階「評価」で何を評価するかを問う問題じゃ。
アユム
先生、看護過程の5段階って何でしたっけ?
博士
アセスメント→看護診断→計画立案→実施→評価の5段階じゃ。頭文字を取って「ア・診・計・実・評」と唱えるとよい。
アユム
で、評価では何を評価するんですか?
博士
正解は4の「看護目標の達成度」じゃ。計画段階で立てた目標(期待される結果)がどの程度達成されたかを判定する。
アユム
選択肢1の看護技術の習得度はダメですか?
博士
それは看護師個人のスキル評価で、看護教育や人事評価の領域じゃ。看護過程は「患者さんの問題解決」のプロセスじゃから、評価対象は患者の状態変化になる。
アユム
選択肢2の看護教育の活用度は?
博士
これも教育評価の話で、患者個別の看護過程とは次元が違う。
アユム
選択肢3の看護記録の完成度は?
博士
記録監査の対象で、看護の質保証には関わるが、個別の看護過程における評価ではない。
アユム
評価はどうやって判定するんですか?
博士
「達成」「一部達成」「未達成」などで判定し、達成なら計画継続または終了、未達成ならアセスメントに戻って原因を分析し計画を修正する。
アユム
それがフィードバックループですね。
博士
その通り。看護過程は一方通行ではなく、評価→再アセスメントと循環していくのじゃ。
アユム
評価の時期はいつ設定するんですか?
博士
短期目標なら数日〜1週間、長期目標なら退院時や数週間後など、目標達成までに必要と予測される期間を目安に設定する。
アユム
SOAP記録ではどこに書きますか?
博士
SOAPのO(客観的情報)と結果の比較をA(アセスメント)やE(評価)に記載する。施設によってはSOAPIE形式でEに評価を書くこともある。
アユム
達成できなかった原因はどう探しますか?
博士
目標設定が高すぎたか、計画が合っていなかったか、実施が不十分だったか、患者の状態変化があったか、情報収集が不足していなかったか、と段階を遡って分析する。
アユム
看護過程は患者中心の思考プロセスなんですね。
博士
その通り。評価の主役はあくまで患者の変化じゃ。
POINT
看護過程の評価段階で評価するのは「看護目標の達成度」です。看護技術の習得度や看護記録の完成度は看護師側の評価対象であり、看護過程の評価とは異なります。達成度に応じて計画を修正・継続・終了するフィードバックループが看護過程の本質で、評価の主役は常に「患者のアウトカム」である点を押さえましょう。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:看護過程において評価する項目はどれか。
解説:正解は 4 です。看護過程はアセスメント→看護診断→計画立案→実施→評価の5段階で構成される問題解決の思考プロセスで、最終段階の「評価」では設定した看護目標が達成されたかを確認し、計画修正や継続の要否を判断します。
選択肢考察
-
× 1. 看護技術の習得度
看護師個人の技術習得度は看護教育や人事評価の対象であり、看護過程の評価項目ではありません。
-
× 2. 看護教育の活用度
看護教育の効果測定は教育評価に属するもので、個別患者の看護過程の評価とは別の概念です。
-
× 3. 看護記録の完成度
記録の完成度は記録監査の対象で、看護の質保証には関わりますが、看護過程における評価は患者の目標達成度を評価するものです。
-
○ 4. 看護目標の達成度
看護過程の評価段階で行うのは、設定した期待される結果(看護目標)がどの程度達成されたかの判定です。達成状況に応じて計画を修正・継続・終了します。
評価は「患者のアウトカム(成果)」を測定することが本質で、SOAP記録のA(アセスメント)やE(評価)に記載されます。評価時期は短期目標・長期目標それぞれに設定され、達成度は「達成」「一部達成」「未達成」などで判定し、未達成の場合はアセスメントに戻って原因を分析し計画を修正します。これをフィードバックループといいます。
看護過程の「評価」段階で何を評価するかを問う基本問題で、評価対象が「看護師」ではなく「患者の目標達成度」である点が要点です。
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