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SOAPで看護記録を整理する―Sだけが患者の言葉ではない

看護師国家試験 第114回 午前 第35問 / 基礎看護学 / 看護の展開

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第35問

入院中のAさんは昨晩、体温が38.8℃であったため解熱剤の坐薬を使用した。今朝の検温では37.0℃であった。Aさんが「ずっとお風呂に入っていないから背中がかゆい」と話したため、看護師が確認すると背部に発汗がみられた。 客観的情報の記録で適切なのはどれか。

  1. 1.背中がかゆい。
  2. 2.背部に発汗がある。
  3. 3.坐薬の効果があった。
  4. 4.全身清拭を実施する。

対話形式の解説

博士 博士

今日は看護記録のお話じゃ。SOAPという言葉は聞いたことがあるかの?

サクラ サクラ

はい、S・O・A・Pの4文字でしたよね。S が主観的情報、Oが客観的情報、Aがアセスメント、Pが計画でしたっけ。

博士 博士

その通り。問題のシナリオを整理してみよう。Aさんは昨晩38.8℃で坐薬を使い、今朝は37.0℃。「お風呂に入っていないから背中がかゆい」と話し、背部に発汗がみられた。

サクラ サクラ

この中で客観的情報はどれかと聞かれていますね。

博士 博士

選択肢を一つずつ見ていこう。「背中がかゆい」は誰の発言じゃ?

サクラ サクラ

Aさんが話した内容ですから、主観的情報のSですね。

博士 博士

次の「背部に発汗がある」は?

サクラ サクラ

看護師が見て確認した事実ですから、客観的情報のOです。これが正解ですね。

博士 博士

正解じゃ。客観的情報は五感で得た観察事実、測定値、検査データなど、誰が見ても確認できる情報のことじゃよ。

サクラ サクラ

「坐薬の効果があった」はどう分類するんですか?

博士 博士

これは判断や解釈じゃ。発熱して坐薬を使い、翌朝下熱した、さらに発汗もある…という事実から「坐薬が効いた」と推論しておる。これはアセスメントのAじゃ。

サクラ サクラ

最後の「全身清拭を実施する」は?

博士 博士

これは看護計画じゃな。アセスメントに基づいて行う介入だから、プランのPに分類される。

サクラ サクラ

意外だったのは、患者の発言を直接書かなくても、看護師が観察したことは全部Oになるんですね。

博士 博士

そう、検査値や心拍数、皮膚の色、発汗の有無、表情など、全部Oじゃ。逆に、患者から聞き取った痛みの表現や気持ちはSになる。

サクラ サクラ

看護記録は法的な文書でもあるって聞きました。

博士 博士

その通りじゃ。医療訴訟になれば証拠として扱われる。だから事実と解釈をきちんと分けて、誰が見ても再現できる記録が求められるんじゃ。

サクラ サクラ

私が記録を書くときは、頭の中でSOAPに当てはめてみる癖をつけます。

博士 博士

それが上達への近道じゃ。フォーカスチャーティングや経時記録など他の様式もあるが、まずはSOAPで思考整理ができるようになることが大切じゃよ。

POINT

SOAP記録法は問題志向型の看護記録様式で、情報をS(主観的情報:患者の発言や訴え)、O(客観的情報:看護師の観察事実や測定値)、A(アセスメント:SとOを統合した判断)、P(計画:今後の看護介入)の4区分に整理します。本問では「背中がかゆい」という患者の発言はS、「背部に発汗がある」という観察事実はO、「坐薬の効果があった」という解釈はA、「全身清拭を実施する」という介入はPに分類され、客観的情報として記録すべきは「背部に発汗がある」となります。看護記録は基礎情報・看護計画・経過記録・看護サマリーで構成され、経過記録にはSOAPのほかフォーカスチャーティング(DAR)や経時記録などの様式があります。看護記録は多職種間の情報共有・継続看護の基盤であると同時に、法的証拠ともなる重要な文書であり、事実と判断を明確に区別した正確な記載が求められます。SOAPの枠組みに沿った思考整理ができるようになることは、根拠ある看護実践の第一歩といえるでしょう。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:入院中のAさんは昨晩、体温が38.8℃であったため解熱剤の坐薬を使用した。今朝の検温では37.0℃であった。Aさんが「ずっとお風呂に入っていないから背中がかゆい」と話したため、看護師が確認すると背部に発汗がみられた。 客観的情報の記録で適切なのはどれか。

解説:正解は 2 の「背部に発汗がある。」である。SOAP記録法では、看護記録の情報を S(Subjective:主観的情報)、O(Objective:客観的情報)、A(Assessment:アセスメント)、P(Plan:計画)に分類する。客観的情報とは、看護師が五感で観察した事実、測定値、検査データなど第三者が確認可能な情報を指す。「背部に発汗がある」は看護師が視覚で確認した所見であり、客観的情報(O)として記録するのが適切である。

選択肢考察

  1. × 1.  背中がかゆい。

    患者の発言・訴えであり主観的情報(S)に該当する。「Aさんは『背中がかゆい』と話す」のように記載する。

  2. 2.  背部に発汗がある。

    看護師が観察した事実であり客観的情報(O)に該当する。誰が見ても確認できる所見である。

  3. × 3.  坐薬の効果があった。

    看護師がSとOから導いた判断・解釈であり、アセスメント(A)に該当する。発熱から解熱に至った経過と発汗の所見を統合した解釈である。

  4. × 4.  全身清拭を実施する。

    アセスメントに基づいて立案する看護計画・実施内容であり、プラン(P)に該当する。

看護記録は基礎情報・看護計画・経過記録・看護サマリーの4要素から構成される。経過記録の代表的な様式にはSOAP(問題志向型)、フォーカスチャーティング(DAR:Data, Action, Response)、経時記録などがある。SOAPでは「S・O・A・P」の枠組みで情報を整理することで、思考過程と看護介入の根拠が可視化され、多職種間の情報共有や継続看護に役立つ。看護記録は法的証拠ともなる重要な文書であり、客観性・正確性・継続性を意識した記載が求められる。

SOAP記録法における主観的情報・客観的情報・アセスメント・計画の区別を問う基本問題。患者の発言はS、観察事実はO、判断はA、行動はPと整理する。