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過活動膀胱への指導を学ぼう

看護師国家試験 第110回 午後 第51問 / 老年看護学 / 高齢者に特有な症候・疾患・障害と看護

国試問題にチャレンジ

110回 午後 第51問

Aさん( 73歳、女性)は、既往歴はなく自立した生活を送っていた。最近、尿意を我慢できず尿失禁することがあり、夜間の排尿回数も増えたため、病院を受診した。その結果、過活動膀胱( overactive bladder )と診断された。 Aさんへの看護師の指導内容で適切なのはどれか。

  1. 1.腹筋を鍛える。
  2. 2.膀胱訓練を行う。
  3. 3.水分摂取を控える。
  4. 4.尿意を感じたらすぐトイレに行く。

対話形式の解説

博士 博士

博士じゃ。今日は73歳のAさんの過活動膀胱について考えるぞ。

サクラ サクラ

夜間頻尿と尿意切迫感が出ているんですね。

博士 博士

そうじゃ。過活動膀胱では膀胱が勝手に収縮してしまうのじゃ。

サクラ サクラ

指導内容では膀胱訓練が正解なんですね。

博士 博士

尿意が来ても少しずつ我慢して排尿間隔を延ばす訓練じゃよ。

サクラ サクラ

腹筋を鍛えるのはダメなんですか?

博士 博士

腹筋より骨盤底筋じゃ。腹圧がかかると失禁を誘発することもあるのじゃ。

サクラ サクラ

水分を控えるのは?

博士 博士

高齢者は脱水や尿路感染のリスクが上がるからNGじゃ。

サクラ サクラ

尿意ですぐトイレはどうですか?

博士 博士

それでは膀胱が小さな容量で収縮するクセがついてしまうのじゃ。

サクラ サクラ

薬物療法もあるんですよね。

博士 博士

抗コリン薬やβ3作動薬じゃが、高齢者は副作用に要注意じゃ。

POINT

過活動膀胱は尿意切迫感と頻尿を主症状とする病態で、行動療法の中心は膀胱訓練と骨盤底筋体操です。水分を極端に控える指導は脱水や尿路感染を招くため不適切で、カフェインなど刺激物の調整にとどめます。高齢女性では薬物併用時に副作用モニタリングが重要です。Aさんには生活全体を見渡した段階的な指導を行いましょう。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:Aさん( 73歳、女性)は、既往歴はなく自立した生活を送っていた。最近、尿意を我慢できず尿失禁することがあり、夜間の排尿回数も増えたため、病院を受診した。その結果、過活動膀胱( overactive bladder )と診断された。 Aさんへの看護師の指導内容で適切なのはどれか。

解説:正解は 2 です。過活動膀胱は、膀胱に尿が十分たまっていなくても排尿筋が勝手に収縮してしまい、強い尿意切迫感や頻尿、切迫性尿失禁を生じる病態です。Aさんのように自立した生活を送っている高齢女性に対しては、排尿間隔を少しずつ延ばして膀胱の蓄尿能力を高める膀胱訓練が第一選択の行動療法として推奨されます。

選択肢考察

  1. × 1.  腹筋を鍛える。

    鍛えるべきは腹筋ではなく骨盤底筋です。腹圧が強くかかる動作はかえって尿失禁を誘発する場合があります。

  2. 2.  膀胱訓練を行う。

    尿意を感じたら少しずつ排尿を我慢し、排尿間隔を延ばしていく訓練です。過活動膀胱の行動療法の中核で、薬物療法と併用することで効果が高まります。

  3. × 3.  水分摂取を控える。

    高齢者では脱水や尿路感染、尿路結石のリスクが高まるため、水分を極端に控えるのは不適切です。カフェインやアルコールなど利尿作用のある飲料のみ調整します。

  4. × 4.  尿意を感じたらすぐトイレに行く。

    すぐに排尿する習慣は膀胱の蓄尿能を低下させ、頻尿を助長します。尿意切迫感が来ても一定時間我慢する練習が必要です。

過活動膀胱の行動療法には膀胱訓練のほか骨盤底筋体操があり、いずれもエビデンスが確立しています。薬物では抗コリン薬やβ3作動薬が使われますが、高齢者では口渇や便秘、認知機能への影響に注意が必要です。

過活動膀胱に対する代表的な行動療法である膀胱訓練の内容を問う問題です。