StudyNurse

高齢者の便秘の原因を整理しよう

看護師国家試験 第110回 午前 第50問 / 老年看護学 / 高齢者に特有な症候・疾患・障害と看護

国試問題にチャレンジ

110回 午前 第50問

加齢によって高齢者に便秘が起こりやすくなる原因で適切なのはどれか。

  1. 1.経口摂取量の低下
  2. 2.味覚の閾値の低下
  3. 3.腸管での水分吸収の低下
  4. 4.直腸内圧感受性の閾値の低下

対話形式の解説

博士 博士

高齢者に便秘が多いのはなぜか考えてみよう。

アユム アユム

食事量や水分量が減りやすいことが大きそうですね。

博士 博士

その通りじゃ。経口摂取量の低下は最も重要な原因の一つじゃな。

アユム アユム

腸内容物が少ないと蠕動の刺激も弱まりますよね。

博士 博士

うむ。便量が減れば大腸の伸展刺激も減り、便意も起こりにくくなる。

アユム アユム

味覚の閾値低下はどう関係しますか。

博士 博士

加齢では味覚の閾値はむしろ上昇して味を感じにくくなる。便秘との直接関係も乏しいぞ。

アユム アユム

腸管での水分吸収が低下するとどうなりますか。

博士 博士

水分が残って便が柔らかくなる、つまり下痢方向じゃ。便秘の原因にはならん。

アユム アユム

直腸内圧感受性の閾値はどうですか。

博士 博士

高齢者では閾値が上昇して便意を感じにくくなる。問題文の「閾値の低下」は逆向きの記述じゃな。

アユム アユム

他に便秘のリスク因子はありますか。

博士 博士

腹筋や骨盤底筋の低下、活動量低下、抗コリン薬や鉄剤などの薬剤影響も関係する。

アユム アユム

排便姿勢も関係しますよね。

博士 博士

うむ。前傾姿勢で足を少し高くすると直腸肛門角が開き排便しやすい。

アユム アユム

食物繊維と水分はどう指導しますか。

博士 博士

繊維は1日20g前後、水分は心腎機能に合わせて1〜1.5L程度を目安にじゃ。

アユム アユム

薬物療法はどう選びますか。

博士 博士

酸化マグネシウムや刺激性下剤、ルビプロストンやリナクロチドなど病態に応じて選ぶ。長期の刺激性下剤は依存に注意じゃ。

アユム アユム

生活全体を見て介入することが大事ですね。

POINT

本問は高齢者の便秘の主因を問う問題で、経口摂取量の低下が核となります。味覚の閾値は低下ではなく上昇し、腸管水分吸収低下はむしろ軟便につながり、直腸内圧感受性の閾値は上昇して便意を鈍らせます。生活習慣の見直し、水分・食物繊維の確保、排便姿勢や薬剤の調整を含めた多面的ケアが必要です。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:加齢によって高齢者に便秘が起こりやすくなる原因で適切なのはどれか。

解説:正解は1です。高齢者では食欲低下や口渇感鈍化で経口摂取量が減少し、腸内容物と水分が不足することで大腸の蠕動刺激が弱まり便秘をきたしやすくなります。

選択肢考察

  1. 1.  経口摂取量の低下

    食事量と水分摂取の減少は腸内容量を減らし、蠕動刺激と便形成を低下させます。高齢者で最も一般的な便秘の原因で、食物繊維と水分の確保が指導の要となります。

  2. × 2.  味覚の閾値の低下

    加齢では味覚の閾値はむしろ上昇して味を感じにくくなります。また味覚変化は便秘と直接的な因果関係はなく、本選択肢は事実関係と機序の両面で誤りです。

  3. × 3.  腸管での水分吸収の低下

    腸管での水分吸収が低下すると便中の水分が多くなり軟便・下痢傾向になります。便秘の原因としては逆で、実際の高齢者では水分吸収はむしろ維持または亢進しやすいとされます。

  4. × 4.  直腸内圧感受性の閾値の低下

    高齢者の便秘では直腸内圧感受性の閾値が上昇して便意を感じにくくなるのが実情です。閾値の低下はむしろ便意過敏につながり、便秘の機序と逆方向の記述です。

高齢者の便秘は摂取量低下に加え、腹筋・骨盤底筋の筋力低下、腸管蠕動の減弱、抗コリン薬や鉄剤など薬剤の影響、活動量低下、羞恥や排便環境の問題など多因子性です。まず生活習慣と水分・食物繊維、排便習慣を整える指導が基本となります。

高齢者の便秘に関わる機序のうち、最も関連が深い因子を選ぶ問題です。