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改正臓器移植法の要点を押さえよう

看護師国家試験 第105回 午後 第75問 / 健康支援と社会保障制度 / 健康を支える職種に関する法や施策

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第75問

臓器の移植に関する法律において脳死臓器提供が可能になるのはどれか。

  1. 1.1歳
  2. 2.6歳
  3. 3.15歳
  4. 4.20歳
  5. 5.年齢制限なし

対話形式の解説

博士 博士

今日は臓器移植法について話そう。2010年に大きな改正があった重要な法律だよ。

サクラ サクラ

はかせ、脳死臓器提供って年齢制限があるんですか?

博士 博士

いい質問だ。正解は「年齢制限なし」だよ。2010年7月施行の改正臓器移植法で年齢制限は完全に撤廃されたんだ。

サクラ サクラ

改正前はどうだったんですか?

博士 博士

1997年の旧法では、本人が生前に書面で臓器提供の意思表示をしていることが必須で、なおかつ15歳以上に限られていた。だから小児は国内で心臓移植できず、海外渡航するしかなかったんだよ。

サクラ サクラ

それで日本の小児が海外で移植を受けるニュースが多かったんですね。改正でどう変わったんですか?

博士 博士

大きく2点ある。第一に、本人の意思が不明でも家族の書面による承諾があれば提供可能になった。第二に、15歳未満の小児からの提供も認められたんだ。

サクラ サクラ

「1歳」や「6歳」は違うんですね。

博士 博士

そうだ。1歳や6歳という区切りは臓器移植法にはない。ただし6歳未満と6歳以上では脳死判定の観察時間が異なる。6歳未満は24時間以上、6歳以上は6時間以上の観察が必要なんだよ。

サクラ サクラ

「15歳」は旧法の基準ですね。

博士 博士

そのとおり。改正前の知識で解くと引っかかる選択肢だ。「20歳」も成人年齢っぽくて紛らわしいが関係ない。

サクラ サクラ

小児からの提供で特別な注意点はありますか?

博士 博士

重要なのは虐待の除外だ。虐待を受けた疑いのある小児は提供対象から除外される。児童相談所などと連携して慎重に確認するんだ。また新生児期は生後12週未満だと脳死判定の対象外だよ。

サクラ サクラ

意思表示はどうやってするんですか?

博士 博士

運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードの裏面に意思表示欄がある。また親族への優先提供意思も表示できるようになった。

サクラ サクラ

看護師の役割は?

博士 博士

ドナー家族のグリーフケアが大きな役割だね。短時間で決断を迫られる家族の心理的ケア、レシピエントやその家族への支援、そして脳死判定への立ち会いなど、多岐にわたるよ。

サクラ サクラ

臓器移植は医療だけでなく倫理や法律、家族支援が一体となる分野なんですね。

博士 博士

そのとおり。看護師にとっても重要なテーマだよ。

POINT

2010年施行の改正臓器移植法により脳死下臓器提供の年齢制限は撤廃され、本人の意思が不明でも家族の書面承諾で提供が可能となりました。15歳未満からの提供も認められ、小児心臓移植が国内で実施可能になりました。ただし虐待除外や生後12週未満の判定除外、小児特有の脳死判定観察時間などの配慮が必要です。看護師はドナー家族のケアとレシピエント支援を担います。

解答・解説

正解は 5 です

問題文:臓器の移植に関する法律において脳死臓器提供が可能になるのはどれか。

解説:正解は 5 です。2009年改正・2010年7月施行の臓器移植法により、脳死下臓器提供の年齢制限は撤廃されました。改正前は本人の書面による意思表示が必要で15歳以上に限られていましたが、改正後は本人の意思が不明でも家族の書面による承諾があれば臓器提供が可能となり、15歳未満の小児からの提供も認められました。これにより国内で小児心臓移植などが可能となり、海外渡航移植への依存が軽減されました。

選択肢考察

  1. × 1.  1歳

    1歳という年齢区分は臓器移植法には存在しません。改正後は年齢制限自体がないため誤りです。

  2. × 2.  6歳

    小児の脳死判定には生後12週以降6歳未満と6歳以上で判定基準の観察時間が異なりますが、臓器提供可能年齢の下限ではありません。

  3. × 3.  15歳

    1997年の旧法では15歳以上が条件でしたが、2010年施行の改正法で撤廃されました。現行法では不正解です。

  4. × 4.  20歳

    20歳は成人年齢(民法改正前)や飲酒・喫煙の年齢ですが、臓器提供の年齢条件ではありません。

  5. 5.  年齢制限なし

    2010年施行の改正臓器移植法により年齢制限は撤廃され、家族の書面による承諾があれば新生児を除きどの年齢でも脳死下臓器提供が可能です(ただし生後12週未満は脳死判定対象外)。

現行臓器移植法のポイントは、(1)本人の意思が不明でも家族の書面同意で提供可能、(2)15歳未満からの提供が可能、(3)親族への優先提供意思表示が可能、(4)運転免許証・健康保険証・マイナンバーカードに意思表示欄あり、です。ただし小児の脳死判定には生後12週未満は対象外、6歳未満は観察時間が24時間以上、6歳以上は6時間以上と年齢で判定基準が異なります。また虐待を受けた疑いのある小児の臓器提供は除外され、児童相談所などとの連携で虐待の有無を慎重に確認する必要があります。看護師はドナー家族のグリーフケアやレシピエントへの支援も重要な役割です。

2010年施行の改正臓器移植法により脳死下臓器提供の年齢制限が撤廃されたことを知っているかを問う問題です。