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心臓のリズムを作る刺激伝導系、腱索は仲間外れ?

看護師国家試験 第106回 午後 第26問 / 人体の構造・機能 / 循環器系

国試問題にチャレンジ

106回 午後 第26問

刺激伝導系でないのはどれか。

  1. 1.腱索
  2. 2.洞房結節
  3. 3.房室結節
  4. 4.Purkinje〈プルキンエ〉線維

対話形式の解説

博士 博士

今日は心臓の解剖じゃ。刺激伝導系の構成要素を確認するぞ。

アユム アユム

心電図でよく出てくるやつですよね。でも名前が似ていてごちゃつきます…。

博士 博士

順に整理しよう。刺激伝導系は『洞房結節 → 房室結節 → ヒス束 → 右脚・左脚 → プルキンエ線維』じゃ。

アユム アユム

スタートは洞房結節、ゴールはプルキンエ線維ですね。

博士 博士

その通り。洞房結節は『心臓の自然のペースメーカー』と呼ばれ、約60〜80回/分の興奮を自発的に作り出す。

アユム アユム

房室結節の役割は?

博士 博士

心房から心室へ興奮を伝える中継点じゃ。ここでわざと伝導を遅らせることで、心房が先に収縮して血液を心室に送り込む時間を確保するのじゃ。

アユム アユム

なるほど、遅らせることに意味があるんですね。

博士 博士

そしてヒス束、右脚・左脚を経てプルキンエ線維が心室全体に素早く興奮を配り、心室が同期的に収縮する。

アユム アユム

では『腱索』は何者ですか?

博士 博士

腱索は僧帽弁や三尖弁の弁尖と乳頭筋をつなぐ結合組織のひもじゃ。刺激伝導系ではなく、弁装置の一部なのじゃ。

アユム アユム

役割は?

博士 博士

心室収縮時に弁が心房側に反転してしまうのを防ぐ、いわば『パラシュートのひも』じゃ。これが切れると急性僧帽弁逆流を起こす。

アユム アユム

心電図との対応は?

博士 博士

P波は心房の興奮、QRS波は心室の興奮、PQ間隔は房室伝導時間じゃ。洞房結節の異常は洞不全症候群、房室結節の障害は房室ブロックとして現れるのじゃ。

アユム アユム

ペースメーカーが働かなかったらどうなるんですか?

博士 博士

下位の房室結節(約40〜60回/分)やプルキンエ線維(約20〜40回/分)が代わりに興奮を出す。これを補充収縮や異所性調律と呼ぶ。

アユム アユム

階層構造になっているんですね。面白い。

博士 博士

生命維持の保険じゃな。刺激伝導系に異常があれば、ペースメーカー植込みが適応となることもある。

アユム アユム

ということで、選択肢の中で刺激伝導系でないのは『腱索』だけ、と。

博士 博士

正解!混同しやすいが、構造物の役割をイメージで結びつけると迷わぬぞ。

POINT

心臓の刺激伝導系は『洞房結節→房室結節→ヒス束→右脚・左脚→プルキンエ線維』という経路で興奮が伝わり、規則正しい心拍を作り出します。腱索は房室弁を乳頭筋につなぐ結合組織のひもで、弁の逆流を防ぐ機械的役割を担い、電気的伝導には関与しません。刺激伝導系の異常は洞不全症候群や房室ブロックとして臨床に現れ、重症例ではペースメーカー植込みが検討されます。心電図所見と解剖構造を結びつけて理解しておくと、不整脈の患者を受け持つ際の観察や緊急対応に直結する力となります。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:刺激伝導系でないのはどれか。

解説:正解は 1 です。刺激伝導系は心臓の拍動リズムを作り出す特殊心筋のネットワークで、『洞房結節 → 房室結節 → ヒス束 → 右脚・左脚 → プルキンエ線維』の順に興奮が伝わります。腱索は僧帽弁・三尖弁を乳頭筋につなぐ結合組織性のひもで、刺激伝導系ではありません。

選択肢考察

  1. 1.  腱索

    房室弁(僧帽弁・三尖弁)の弁尖と乳頭筋を結ぶ結合組織のひもで、心室収縮時に弁が心房側へ反転するのを防ぐ。電気的興奮を伝える働きはなく、刺激伝導系ではない。

  2. × 2.  洞房結節

    右心房の上大静脈開口部付近にある刺激伝導系の起点で、心臓の『自然のペースメーカー』として約60〜80回/分の興奮を自発的に発生させる。

  3. × 3.  房室結節

    右心房下部にあり、洞房結節からの興奮を心室に伝える中継点。伝導速度を遅らせ、心房収縮と心室収縮のタイミングをずらす役割を持つ。

  4. × 4.  Purkinje〈プルキンエ〉線維

    心室壁内に広く分布し、ヒス束から右脚・左脚を経た興奮を心室筋全体に素早く伝える終末の伝導路。心室の同期的収縮を担う。

心臓の伝導順序は『洞房結節→心房筋→房室結節→ヒス束→右脚/左脚→プルキンエ線維→心室筋』。洞房結節に異常があると『ペースメーカー』の役割を房室結節などが代わりに担う(異所性調律)。心電図のP波は心房興奮、QRSは心室興奮、PQ間隔は房室伝導時間を反映するという対応を理解しておきたい。腱索が断裂すると僧帽弁逸脱・急性逆流となり、急性心不全を来すことがある。

心臓の解剖・生理における刺激伝導系の構成要素と、弁装置(腱索・乳頭筋)との区別が問われている基礎問題。