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嗅覚の一次中枢はどこ?

看護師国家試験 第108回 午後 第26問 / 人体の構造・機能 / 感覚器系

国試問題にチャレンジ

108回 午後 第26問

嗅覚の一次中枢はどれか。

  1. 1.嗅球
  2. 2.嗅上皮
  3. 3.後頭葉
  4. 4.上鼻甲介

対話形式の解説

博士 博士

今日は嗅覚の伝導路について学ぼう。五感の中でも嗅覚は少し特殊な経路をたどるんじゃよ。

アユム アユム

博士、正解はどれですか?

博士 博士

正解は1の嗅球じゃ。嗅球は前頭葉下面にあり、鼻から入った嗅覚情報を最初に処理する中枢神経で、嗅覚の一次中枢と呼ばれる。

アユム アユム

嗅覚の伝わる順番を教えてください。

博士 博士

まず鼻腔上部の上鼻甲介にある嗅上皮で嗅細胞がにおい分子をキャッチする。次に嗅神経が頭蓋底の篩板を貫いて嗅球に入り、僧帽細胞で中継される。その後嗅索を通って嗅皮質や扁桃体へ送られるんじゃ。

アユム アユム

選択肢2の嗅上皮は一次中枢じゃないんですか?

博士 博士

嗅上皮は受容器、つまり末梢の感覚器じゃ。『中枢』は脳や脊髄など中枢神経系にあるもの。嗅上皮はにおいを感知する場所であって中枢ではないんじゃ。

アユム アユム

選択肢3の後頭葉は?

博士 博士

後頭葉は視覚野のある場所。視覚情報を処理する中枢で、嗅覚とは無関係じゃ。

アユム アユム

選択肢4の上鼻甲介はどうですか?

博士 博士

上鼻甲介は鼻腔の骨の構造物じゃ。その表面に嗅上皮があるが、構造そのものは神経ではない。

アユム アユム

嗅覚が他の感覚と違う点はありますか?

博士 博士

大きな違いは視床を通らないことじゃ。視覚・聴覚・触覚などは視床を中継して大脳皮質に送られるが、嗅覚は嗅球から直接大脳辺縁系に投射する。

アユム アユム

だから匂いで記憶が蘇るんですか?

博士 博士

その通り。大脳辺縁系の扁桃体や海馬は情動・記憶と深く関わる。だからにおいで昔の記憶や感情が呼び起こされる『プルースト現象』が起きる。

アユム アユム

臨床的に嗅覚障害はどう評価しますか?

博士 博士

嗅覚検査(T&Tオルファクトメータなど)を使う。風邪やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎でも嗅覚は落ちるが、最近はアルツハイマー病やパーキンソン病の初期症状として嗅覚低下が注目されておる。

アユム アユム

新型コロナでも嗅覚障害が話題になりましたね。

博士 博士

そうじゃな、ウイルスが嗅上皮や嗅球に影響を及ぼすと考えられており、感染症でも嗅覚は障害される。

アユム アユム

嗅覚の伝導路と一次中枢、しっかり覚えます。

POINT

嗅覚の一次中枢は嗅球で、前頭葉下面に位置し、嗅上皮で感知されたにおい情報を最初に受け取って処理します。伝導路は嗅上皮→嗅神経→嗅球→嗅皮質で、視床を介さず大脳辺縁系に直接投射するため情動や記憶と結びつきやすい特徴があります。加齢や神経変性疾患で早期に障害される感覚でもあり、臨床的にも重要な知識です。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:嗅覚の一次中枢はどれか。

解説:正解は 1 です。嗅覚の経路は、鼻腔上部の上鼻甲介にある嗅上皮で嗅細胞がにおい分子を受容 → 嗅神経(第I脳神経)を介して頭蓋底の篩板を貫き → 前頭葉下面にある嗅球へ伝達、となります。嗅球は嗅細胞からの情報を最初に受け取り、僧帽細胞などで処理して嗅索を通じて嗅皮質(梨状皮質)へ送る『嗅覚の一次中枢』です。視覚や聴覚と異なり、嗅覚は視床を介さずに大脳辺縁系へ直接投射する点が特徴で、情動や記憶と結びつきやすいのはそのためです。

選択肢考察

  1. 1.  嗅球

    嗅球は嗅神経からの情報を最初に受け取り処理する嗅覚の一次中枢です。前頭葉下面・篩板の直上に位置し、僧帽細胞を介して高次嗅覚中枢に情報を送ります。

  2. × 2.  嗅上皮

    嗅上皮は上鼻甲介にある嗅覚の受容器(感覚上皮)で、嗅細胞がにおい分子を感知する部位です。中枢ではなく末梢の感覚器です。

  3. × 3.  後頭葉

    後頭葉は視覚野が存在する部位で、視覚情報処理の中枢です。嗅覚とは関係ありません。

  4. × 4.  上鼻甲介

    上鼻甲介は鼻腔の構造物で、その粘膜上に嗅上皮が存在します。嗅覚の感知場所ですが、中枢神経ではありません。

嗅覚の経路は『嗅上皮(嗅細胞)→嗅神経→嗅球(一次中枢)→嗅索→嗅皮質・扁桃体・海馬(二次中枢)』の順です。嗅覚は大脳辺縁系と直結しているため、においで昔の記憶や感情が呼び起こされる『プルースト現象』が生じます。加齢や神経変性疾患(アルツハイマー病・パーキンソン病)では早期から嗅覚低下が現れる点も臨床的に重要です。

嗅覚の伝導路のうち、受容器(嗅上皮)と一次中枢(嗅球)の区別を問うている。