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アポトーシスとネクローシス

看護師国家試験 第105回 午後 第30問 / 疾病の成り立ちと回復の促進 / 基本的な病因

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第30問

アポトーシスで正しいのはどれか。

  1. 1.群発的に発現する。
  2. 2.壊死のことである。
  3. 3.炎症反応が関与する。
  4. 4.プログラムされた細胞死である。

対話形式の解説

博士 博士

細胞死には2つの様式がある。アポトーシスとネクローシスじゃ。

アユム アユム

違いがよく分かりません。

博士 博士

アポトーシスは遺伝子制御された能動的・計画的な細胞死。ネクローシスは虚血や外傷による受動的な細胞死じゃ。

アユム アユム

正解は4のプログラムされた細胞死ですね。

博士 博士

その通り。アポトーシスは「アポプトーシス」とも呼ばれ、ギリシャ語で「落ちる」を意味する。葉が落ちるように細胞が自らの意思で死んでいく様子を表しておる。

アユム アユム

形態的にはどう違いますか?

博士 博士

アポトーシスは細胞が縮小、核が凝縮、DNAが規則的に断片化、アポトーシス小体を形成、マクロファージに貪食される。ネクローシスは細胞が膨化、細胞膜破綻、内容物放出、周囲に炎症を起こす。

アユム アユム

1の群発的に発現するというのは?

博士 博士

誤り。アポトーシスは個々の細胞単位で散発的に起こる。群発的に起こるのは梗塞や壊疽などのネクローシスじゃ。

アユム アユム

3の炎症反応が関与するというのは?

博士 博士

誤り。アポトーシスではアポトーシス小体として静かに除去され炎症は起こさん。炎症反応はネクローシスで起こる。

アユム アユム

アポトーシスの経路を教えてください。

博士 博士

大きく2つあり、外因性経路はFasやTNF受容体などのデスレセプターを介する。内因性経路はミトコンドリアからシトクロムcが放出されBcl-2とBaxの平衡で調節される。

アユム アユム

最終的にはどうなりますか?

博士 博士

いずれの経路もカスパーゼという酵素群を活性化し、DNA断片化と細胞骨格分解を引き起こす。

アユム アユム

生理的な例はありますか?

博士 博士

胎児期の指の分離、オタマジャクシの尾の退縮、自己反応性リンパ球の除去、月経による子宮内膜の脱落などじゃ。

アユム アユム

病気との関係は?

博士 博士

がん細胞はアポトーシス回避機構を獲得して増殖する。抗がん剤や放射線療法はがん細胞にアポトーシスを誘導して効果を発揮する。逆にアポトーシス過剰は神経変性疾患などの原因になる。

POINT

アポトーシスは遺伝子制御された計画的細胞死で、細胞縮小、核凝縮、DNA断片化、アポトーシス小体形成を経て炎症を起こさず除去されます。個別の細胞単位で起こり、発生や組織恒常性維持に不可欠です。ネクローシスは受動的細胞死で細胞膨化と炎症反応を伴います。正解は4です。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:アポトーシスで正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。アポトーシスは遺伝子により制御された計画的細胞死(プログラム細胞死)で、個体発生、組織の恒常性維持、免疫系の成熟、腫瘍抑制などに関与します。細胞が縮小し核が凝縮、DNAが規則的に断片化しアポトーシス小体となってマクロファージに貪食され、炎症反応を起こさず静かに除去されるのが特徴です。一方のネクローシス(壊死)は虚血や外傷などによる受動的な細胞死で、細胞膨化と内容物放出により炎症反応を引き起こします。

選択肢考察

  1. × 1.  群発的に発現する。

    アポトーシスは個々の細胞単位で散発的に起こるのが特徴です。群発的に起こるのは壊死(ネクローシス)です。

  2. × 2.  壊死のことである。

    壊死はネクローシスで、アポトーシスとは区別される細胞死の様式です。

  3. × 3.  炎症反応が関与する。

    アポトーシスは細胞内容物を放出せず、アポトーシス小体として貪食されるため炎症を起こしません。炎症反応は壊死で見られます。

  4. 4.  プログラムされた細胞死である。

    アポトーシスは遺伝子制御された能動的・計画的な細胞死で、細胞の恒常性維持や発生過程に不可欠です。

アポトーシスの経路:外因性経路(デスレセプター:Fas、TNF受容体)と内因性経路(ミトコンドリア経路:シトクロムc、Bcl-2/Bax)があり、最終的にカスパーゼ活性化でDNA断片化が起こります。胎児発生期の指の分離、オタマジャクシの尾の退縮、自己反応性Tリンパ球の除去などが代表例です。がん細胞はアポトーシス回避により増殖し、化学療法や放射線療法はアポトーシスを誘導します。

アポトーシス(プログラム細胞死)と壊死(ネクローシス)の違いを問う病理学の基本問題です。