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ビタミン欠乏症を体系的に整理しよう

看護師国家試験 第105回 午後 第70問 / 疾病の成り立ちと回復の促進 / 基本的な病因

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第70問

ビタミンの欠乏とその病態との組合せで正しいのはどれか。

  1. 1.ビタミンA ――― 壊血病(scurvy)
  2. 2.ビタミンB1 ―― 代謝性アシドーシス
  3. 3.ビタミンC ――― 脚気(beriberi)
  4. 4.ビタミンD ――― 悪性貧血(pernicious anemia)
  5. 5.ビタミンE ――― 出血傾向

対話形式の解説

博士 博士

今日はビタミン欠乏症の組合せ問題じゃ。まず水溶性と脂溶性の区別はつくかな

アユム アユム

水溶性はB群とC、脂溶性はA・D・E・Kですね

博士 博士

よく覚えておる。選択肢を1つずつ見ていこう。ビタミンAと壊血病の組合せはどうじゃ

アユム アユム

ビタミンA欠乏は夜盲症だと習いました。壊血病はビタミンC欠乏です

博士 博士

正解じゃ。ビタミンAは網膜のロドプシン生成に必要で、欠乏すると暗順応が障害され夜盲症になる。眼球乾燥症や皮膚乾燥も生じる

アユム アユム

次にビタミンB1と代謝性アシドーシスの組合せですが、これが正解ですか

博士 博士

その通り。ビタミンB1はピルビン酸脱水素酵素の補酵素で、欠乏するとピルビン酸からアセチルCoAへの変換ができず、嫌気性解糖で乳酸が蓄積して代謝性アシドーシス、特に乳酸アシドーシスを起こす

アユム アユム

それが臨床で問題になるのはどんな場面ですか

博士 博士

高カロリー輸液(TPN)を施行する際じゃ。糖を大量に投与するとB1需要が増え、B1欠乏性乳酸アシドーシスを起こすことがあるため、TPN時には必ずB1を混注する

アユム アユム

B1欠乏は他にどんな病態を起こしますか

博士 博士

脚気(多発神経炎・心不全)、ウェルニッケ脳症(眼球運動障害・失調・意識障害)、コルサコフ症候群(記憶障害)じゃ。特にアルコール依存症患者で欠乏しやすい

アユム アユム

選択肢3のビタミンCと脚気の組合せは

博士 博士

ビタミンC欠乏は壊血病じゃ。歯肉出血、皮下出血、創傷治癒遅延などが生じる。コラーゲン合成に必要だからな。脚気はB1欠乏だから組合せが逆じゃ

アユム アユム

選択肢4のビタミンDと悪性貧血は

博士 博士

ビタミンD欠乏は骨代謝異常で、小児ではくる病、成人では骨軟化症、低カルシウム血症を起こす。悪性貧血はビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血じゃ

アユム アユム

悪性貧血はなぜ「悪性」なのですか

博士 博士

胃の壁細胞が分泌する内因子が欠乏してB12が吸収できなくなる自己免疫性疾患じゃ。かつて有効な治療法がなく致死的だったため「悪性」と呼ばれた。今はB12補充で治療可能じゃ

アユム アユム

選択肢5のビタミンEと出血傾向は

博士 博士

ビタミンE欠乏は抗酸化作用低下による溶血性貧血や神経症状じゃ。出血傾向はビタミンK欠乏で起こる。KはII・VII・IX・X因子の合成に必要だからな

アユム アユム

新生児メレナもK欠乏でしたね

博士 博士

その通り。新生児は腸内細菌叢が未発達でK産生が少なく、母乳にもKが少ないため欠乏しやすい。だから生後数日以内にK2シロップを投与する予防が標準じゃ

アユム アユム

その他の水溶性ビタミンの欠乏も知っておくべきですか

博士 博士

B2欠乏は口角炎・舌炎、B6欠乏は皮膚炎・末梢神経障害、ナイアシン欠乏はペラグラ(皮膚炎・下痢・認知症の3D)、葉酸欠乏は巨赤芽球性貧血と神経管閉鎖障害じゃ

アユム アユム

ビタミン欠乏症の組合せ表を頭に入れておきます

POINT

ビタミン欠乏症の正しい組合せは、A=夜盲症、B1=脚気・代謝性(乳酸)アシドーシス・ウェルニッケ脳症、B12=悪性貧血、C=壊血病、D=くる病・骨軟化症、E=溶血性貧血、K=出血傾向です。正解のB1欠乏による代謝性アシドーシスは、ピルビン酸脱水素酵素の補酵素不足で乳酸が蓄積する機序で、高カロリー輸液時のB1補給が臨床上重要です。各ビタミンと病態の組合せは頻出事項なので確実に覚えましょう。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:ビタミンの欠乏とその病態との組合せで正しいのはどれか。

解説:正解は 2 です。ビタミンB1(チアミン)は糖代謝においてピルビン酸をアセチルCoAに変換する酵素の補酵素として働きます。欠乏するとピルビン酸がアセチルCoAに変換されず、嫌気性解糖で乳酸が蓄積することで代謝性アシドーシス(乳酸アシドーシス)を生じます。また脚気・ウェルニッケ脳症・コルサコフ症候群なども引き起こします。

選択肢考察

  1. × 1.  ビタミンA ――― 壊血病(scurvy)

    ビタミンA欠乏では夜盲症(暗順応低下)・眼球乾燥症・皮膚乾燥が生じます。壊血病はビタミンC欠乏による病態です。

  2. 2.  ビタミンB1 ―― 代謝性アシドーシス

    ビタミンB1はピルビン酸脱水素酵素などの補酵素で、欠乏すると糖代謝が滞り乳酸蓄積による代謝性アシドーシスを生じます。高カロリー輸液の際は必ずビタミンB1補給が必要です。

  3. × 3.  ビタミンC ――― 脚気(beriberi)

    ビタミンC欠乏では壊血病(歯肉出血・皮下出血・創傷治癒遅延)が生じます。脚気はビタミンB1欠乏による病態です。

  4. × 4.  ビタミンD ――― 悪性貧血(pernicious anemia)

    ビタミンD欠乏ではくる病(小児)・骨軟化症(成人)・低カルシウム血症が生じます。悪性貧血はビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血です。

  5. × 5.  ビタミンE ――― 出血傾向

    ビタミンE欠乏では溶血性貧血・神経症状が生じます。出血傾向はビタミンK欠乏による血液凝固因子(II・VII・IX・X)の低下で起こります。

ビタミン欠乏症の重要な組合せ:A=夜盲症、B1=脚気・ウェルニッケ脳症・乳酸アシドーシス、B2=口角炎、B6=皮膚炎・末梢神経障害、B12=悪性貧血・亜急性連合性脊髄変性症、C=壊血病、D=くる病・骨軟化症、E=溶血性貧血、K=出血傾向・新生児メレナ、ナイアシン=ペラグラ、葉酸=巨赤芽球性貧血・神経管閉鎖障害。

各ビタミンの欠乏症と代表的病態との正しい組み合わせを問う問題です。