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流行性角結膜炎の原因微生物を押さえよう

看護師国家試験 第105回 午後 第69問 / 疾病の成り立ちと回復の促進 / 基本的な病因

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第69問

流行性角結膜炎(epidemic keratoconjunctivitis)の原因はどれか。

  1. 1.淋菌
  2. 2.緑膿菌
  3. 3.クラミジア
  4. 4.アデノウイルス
  5. 5.ヘルペスウイルス

対話形式の解説

博士 博士

今日は流行性角結膜炎、通称EKCについて学ぼう。原因微生物を知っているかな

サクラ サクラ

アデノウイルスだと聞いたことがあります

博士 博士

正解じゃ。EKCはアデノウイルス、特に8型・19型・37型・53型・54型などが原因となる結膜炎じゃ

サクラ サクラ

感染力は強いのですか

博士 博士

非常に強い。接触感染が主で、タオル・ドアノブ・診察器具・目やになどを介して広がる。院内感染や学校での集団発生が問題になるんじゃ

サクラ サクラ

症状はどんな感じですか

博士 博士

潜伏期は約1週間で、両眼性の結膜充血・眼脂・流涙が出る。片側から始まることが多く、耳前リンパ節の腫脹もみられる。経過中に角膜に点状の混濁を生じることがあるのが「角結膜炎」と呼ばれる所以じゃ

サクラ サクラ

他の選択肢の淋菌はどうですか

博士 博士

淋菌は性感染症や新生児結膜炎の原因じゃ。新生児結膜炎は分娩時の産道感染で起こるため予防点眼が重要じゃが、EKCとは別じゃ

サクラ サクラ

緑膿菌は

博士 博士

緑膿菌はコンタクトレンズ使用者に起こる細菌性角膜炎の代表的原因菌じゃ。日和見感染の代表格で、EKCの原因ではない

サクラ サクラ

クラミジアは

博士 博士

クラミジア・トラコマチスはトラコーマという慢性結膜炎や性感染症の原因じゃ。世界的には失明原因の一つだが、流行性角結膜炎とは区別する

サクラ サクラ

ヘルペスウイルスも目の病気に関係しますね

博士 博士

単純ヘルペスウイルスは角膜ヘルペス、特に樹枝状角膜炎を起こす。再発を繰り返すのが特徴じゃが、EKCではない

サクラ サクラ

アデノウイルスが原因の眼の病気は他にもありますか

博士 博士

よい質問じゃ。咽頭結膜熱、いわゆるプール熱も3・4・7型のアデノウイルスが原因じゃ。発熱・咽頭痛・結膜炎の三徴がある。急性出血性結膜炎はエンテロウイルス70型が主だが、アデノウイルス11型もある

サクラ サクラ

学校での対応はどうなりますか

博士 博士

EKCは学校保健安全法の第三種学校感染症に該当し、「医師が感染のおそれがないと認めるまで出席停止」じゃ。通常は発症から2週間程度は感染力があるとされる

サクラ サクラ

感染対策は

博士 博士

手洗い徹底、タオル個別化、環境消毒(0.1~0.5%次亜塩素酸ナトリウムが有効)、眼科器具の消毒じゃ。アルコールは効果が弱いので注意が必要じゃ

サクラ サクラ

治療薬はあるのですか

博士 博士

アデノウイルスに特異的な抗ウイルス薬はなく、対症療法が中心じゃ。二次感染予防に抗菌薬点眼を使うこともある。角膜混濁が強ければステロイド点眼も使用される

サクラ サクラ

強力な感染力と接触感染という特徴を覚えます

POINT

流行性角結膜炎(EKC)はアデノウイルス(8・19・37型など)による結膜炎で、強い感染力を持ち接触感染で広がります。潜伏期約1週間、両眼性の結膜充血・眼脂・耳前リンパ節腫脹が特徴で、角膜に点状混濁を生じることもあります。淋菌・緑膿菌・クラミジア・ヘルペスはそれぞれ別の眼感染症の原因です。学校保健安全法第三種学校感染症で、手洗い・タオル個別化・次亜塩素酸ナトリウムによる環境消毒が感染対策の基本です。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:流行性角結膜炎(epidemic keratoconjunctivitis)の原因はどれか。

解説:正解は 4 です。流行性角結膜炎(EKC)はアデノウイルス(主に8・19・37・53・54型など)による結膜炎で、非常に強い感染力を持ちます。接触感染が主で、タオル・ドアノブ・目やになどを介して広がります。潜伏期は約1週間、両眼性結膜充血・眼脂・流涙・耳前リンパ節腫脹が特徴的で、経過中に角膜に点状の混濁(多発性角膜上皮下混濁)を生じることがあります。学校保健安全法では「医師が感染のおそれがないと認めるまで出席停止」と規定されています。

選択肢考察

  1. × 1.  淋菌

    淋菌は性感染症や新生児結膜炎(出産時産道感染で生じる)の原因菌で、流行性角結膜炎の原因ではありません。

  2. × 2.  緑膿菌

    緑膿菌はコンタクトレンズ使用者などに発症する細菌性角膜炎の原因となる日和見感染菌で、流行性角結膜炎の原因ではありません。

  3. × 3.  クラミジア

    クラミジア・トラコマチスは性感染症やトラコーマ(慢性結膜炎)の原因ですが、流行性角結膜炎の原因ではありません。

  4. 4.  アデノウイルス

    流行性角結膜炎はアデノウイルスによる結膜炎で、接触感染で広がり、強い感染力のため院内感染や学校での集団発生が問題となります。

  5. × 5.  ヘルペスウイルス

    ヘルペスウイルスは角膜ヘルペス(樹枝状角膜炎)や口唇ヘルペスなどの原因で、流行性角結膜炎の原因ではありません。

アデノウイルスによる眼疾患には、流行性角結膜炎(EKC、8・19・37型など)、咽頭結膜熱(PCF、3・4・7型、プール熱)、急性出血性結膜炎(エンテロウイルス70型が主だがアデノウイルス11型もある)があります。EKCは学校保健安全法第三種学校感染症に該当。感染対策は手洗い・タオル個別化・環境消毒(0.1%~0.5%次亜塩素酸ナトリウム)が重要です。

ウイルス性結膜炎の代表である流行性角結膜炎の原因微生物を問う問題です。