糖尿病神経障害の特徴を整理
看護師国家試験 第104回 午後 第30問 / 疾病の成り立ちと回復の促進 / 疾病に対する医療
国試問題にチャレンジ
糖尿病神経障害(diabetic neuropathy)で正しいのはどれか。
- 1.運動神経は温存される。
- 2.感覚障害は中枢側から起こる。
- 3.三大合併症の中では晩期に発症する。
- 4.自律神経障害は無自覚性低血糖に関与する。
対話形式の解説
博士
今日は糖尿病三大合併症のひとつ、神経障害について学ぶぞい。
アユム
三大合併症って何でしたっけ?
博士
神経障害・網膜症・腎症じゃ。「し・め・じ」と覚えるとよいぞ。発症順もこの順で、神経障害が一番早く出るんじゃ。
アユム
どんな症状から始まりますか?
博士
両側の足趾や足底から始まるしびれや感覚低下が典型じゃ。靴下型と呼ばれる左右対称の末梢優位パターンじゃな。
アユム
中枢側から起こるのではないんですね。
博士
違うんじゃ。長い神経ほど障害されやすいので、足から始まり徐々に上行するんじゃ。
アユム
運動神経も障害されますか?
博士
進行すれば足の筋力低下や内在筋萎縮による爪状趾、シャルコー関節などの変形につながるんじゃ。運動神経が温存されるわけではないぞ。
アユム
自律神経障害も起こりますね。
博士
起立性低血圧、無痛性心筋梗塞、便秘・下痢、勃起障害、発汗異常、そして無自覚性低血糖などじゃ。
アユム
無自覚性低血糖はどういう状態ですか?
博士
普通なら低血糖時に動悸や冷汗、振戦といった交感神経症状が出て本人が異変に気づくんじゃ。じゃが自律神経障害があるとその警告が出ず、いきなり意識障害になるんじゃよ。
アユム
それは怖いですね。
博士
だから血糖自己測定の励行や低めの目標血糖の見直し、フットケアでの皮膚観察が看護のポイントになるんじゃ。
アユム
早期発見と教育が大事なんですね。
POINT
糖尿病神経障害は三大合併症の中で最も早期に出現し、感覚障害は両側末梢から進行します。運動神経も障害され得て、自律神経障害は無自覚性低血糖の原因となります。フットケアと血糖モニタリング、患者教育を組み合わせた予防的看護が重要です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:糖尿病神経障害(diabetic neuropathy)で正しいのはどれか。
解説:正解は 4 です。糖尿病による自律神経障害は交感神経反応を鈍らせ、低血糖時に本来現れるはずの動悸・発汗・振戦などの警告症状が出にくくなる無自覚性低血糖を引き起こします。意識障害がいきなり出現する危険状態です。
選択肢考察
-
× 1. 運動神経は温存される。
糖尿病神経障害では感覚神経・運動神経・自律神経のすべてが障害され得ます。進行すると下肢筋力低下や足部変形をきたすため、運動神経が温存されるとはいえません。
-
× 2. 感覚障害は中枢側から起こる。
感覚障害は左右対称性に末梢側(足趾・足底)から始まり、靴下型・手袋型に拡がるのが特徴です。中枢側からではありません。
-
× 3. 三大合併症の中では晩期に発症する。
三大合併症(神経障害・網膜症・腎症)の中で神経障害は最も早期に出現し、しびれや感覚低下が初期症状として現れます。
-
○ 4. 自律神経障害は無自覚性低血糖に関与する。
自律神経障害により交感神経刺激による警告症状が抑えられ、低血糖時に動悸や発汗を自覚せず、突然の意識障害として無自覚性低血糖が出現します。
糖尿病神経障害は「し・め・じ」(神経・眼・腎)の順で早期から進む合併症です。自律神経障害には起立性低血圧、便秘・下痢、無痛性心筋梗塞、勃起障害、発汗異常、無自覚性低血糖などがあります。フットケアを徹底し、しびれや変形を見逃さないことが看護の要点です。
糖尿病三大合併症のうち神経障害の出現時期、症状の進行パターン、自律神経障害と低血糖の関係を理解しているかを問う問題です。
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